森人 もりと

森では人も生きものも ゆっくり流れる時間を生きています

トラピスチヌ修道院

2021-06-24 | 日記


 先日、久しぶりに函館郊外の「天使の聖母 トラピスチヌ修道院」を訪ねました。
 早朝の曇り空だったせいか、人影はわずかでした。
 おかげで、ゆっくりと静寂な時間を過ごすことができました。
 
 駐車場から境内に通じるアーチをくぐると、もうそこはフランスです。
 聖母マリア様が訪れた人々を優しく出迎えてくださいます。
 


 中世のフランス建築を継承する佇まいは、当別の「灯台の聖母 トラピスト修道院」
 と並んで、現存する北海道最高級の建築物です。
 どちらも800年前のフランスに生まれた「厳律シトー会」のカトリック修道院
 です。
 厳律とあるように、きびしい規律に従う修道院で、その基本理念は「祈り、働け」
 です。



 誰でも知っているジャンヌダルクさんです。
 フランスとイギリスとの百年戦争の時に、母国フランスを救った聖少女です。
 しかし無実の罪で宗教裁判にかけられ、火刑にとなりました。わずか19才でした。
 死後に冤罪が判明して、神と人々のために命をささげた聖女であることが認められ
 ました。
 百年戦争は日本では室町時代のことです。フランスとイギリスはこれ以前から関係
 が悪く戦争の歴史をくり返してきました。
 今はドーバー海峡にユーロトンネルができて仲良く結ばれています。ホッとします。



 若い方が壁の壮大なレリーフをいつまでも眺めていました。
 観光でみえたのかな?
 いや長い時間見入っているから、キリスト者かもしれない。
 ご夫婦かな?いや学生さんかな?
 
 いい時間を過ごしていました。



 聖テレジアさんは、わりと最近の方です。
 日本では『ある霊魂の物語』の著者として知られています。
 日本でいえば明治時代の方で、シトー会の修道女でした。
 やはり夭逝で24才で亡くなりましたが、数々の奇跡をおこして、フランスでは
 ジャンヌダルクさんと並ぶ聖女とされているそうです。

 函館近郊で、中世から続くフランスの歴史宗教を垣間見ることができる不思議
 な空間、それがトラピスチヌ修道院です。
 遠の昔の歴史の教科書や、あのころの精神性を想いおこさせてくれた、貴重な
 時間でした。
 

 
  
 
 


 
 

 
 

夏至に向かう

2021-06-18 | 日記


  新しい花が咲くと、最初に訪れるのがミツバチです。
 花粉だらけになりながらも、一つのエリアを長い時間をかけて、花から花へと
 飛び回ります。
 もちろん花のミツを吸うためですが、受粉ボランティアもやって、ずいぶん
 みんなのために働いている昆虫です。
 一匹のミツバチが一生かけて集めるミツは、わずかティースプーン一杯ほど
 とのこと、意外と少ないです。
 毎日あれほど忙しく動き回っているのに。

 そしてミツバチは、人が攻撃しない限り人を刺すことはありません。
 性質も穏やかなのです。
 まさに益虫の鏡といえます。



 野の花の名前はあまり知りません。
 一応図鑑を持っているので、開いてみますが、それでも分からないことが多い
 です。
 今ではすっかり、あきらめモードに入っています。
 野の花どころか、アヤメ、ショウブ、カキツバタ、アイリス、などの違いも良
 く分かりません。
 でも、花の名前を知らなくても、人は生きていけることを知りました。



 このところ内地の梅雨に似た、ぐずついたお天気が続いています。
 早朝は決まって小雨が降り、じきに止みはしますがその後は終日曇り空です。
 そんな中で植物たちが、やたらと生き生きしています。
 来週の夏至のころにはこの窓も、名前の知らない植物たちで埋め尽くされる
 ことでしょう。
 



 





 
  

ストリートアート

2021-06-10 | 日記


 このところ真夏のような暑さが続いています。
 北海道でもエアコンが売れてると聞きますから、かなり温暖化が進んでいるの
 でしょう。
 確かに近年は降雪も少ないし、暮らしやすくなっていますが、単純に喜んでい
 るわけにもいきません。
 いつか、とんでもないことがおこりそうです。

 この時季になると、陸橋の壁にストリートアートが現れます。
 モミやトドマツのような樹木が並木になって、通る人々を楽しませてくれます。
 自然のストリートアートです。
 これがでるようになったのは2~3年前からです。
 これも温暖化が関係しているのかわかりません。でも楽しい現象です。
 そう、なんでもかんでも温暖化のせいにするのは良くないですね。



 ストリートアーティストといえば、なんといっても有名な人は、映画にもなった
 バスキアさんですが、残念ながら若くして亡くなりましたね。
 今はなんといってもバンクシーさんです。
 その行動は神出鬼没。世界各地にゲリラ的に現れ、壁や橋などに勝手にスプレー
 と型紙を使ってグラフィックを残していきます。
 しかしその正体は誰にもわかりません。もう20年もやっているのに。
 作風は社会風刺的で芸術性に富んだものなのですが、落書きには違いないのです。
 ですから批判も多く、日本ではめちゃくちゃ言われてきましたが、最近少しようす
 が変わってきましたね。
 サザビーズでは大変な高値がついているのですが、売る気はないようです。
 いまや、ニユーヨークでは毎朝バスキア作品探しが流行っているそうです。
 これからのアートの表現手段の一つになるかもしれません。
 世界中の若者たちに、夢を与えていることは確かです。



 ちょっと前まで、嫌われていたスケボーがオリンピックの正式種目になったり、スト
 リートダンスが世界的な人気になったり、世界中でストリート系のものがどんどん
 認知されて広がっています。
 コロナのあとは、もっと自由な世界になるかもしれません。


 
 
 
 




ツツジが見ごろ

2021-06-03 | 日記


 6月に入りました。
 ということは、今年も半分すぎたことになります。
 去年の今ごろは、一年もたてばワクチンもできて、元の生活に戻れるものと
 思っていました。しかしダメでした。
 来年の今ごろは、どんなふうになっているのでしょう。
 最良の予測は、みんなワクチンが終わって、日本中がルンルンの状態にな
 ことです。
 最悪は、次々と変異株が現れて、今のワクチンが効かなくなる状態です。
 季節性の風邪ウイルスでも時々ありますから。
 さあどちらでしょう。もちろん前者でしょう。



 最近この森でも、エゾシカやタヌキをみかけることがあります。
 注意が必要です。
 今回の新型コロナもそうらしいのですが、過去のエボラやサーズも野生動
 物から人に感染したものと言われています。
 気候変動や周辺の開発で植生が変化して、彼らの餌が減少し、結果的に人里
 へ向かわせることになっているようです。
 だからみんな生きるのに大変なのです。



 なにかいい方法はないのでしょうか。
 各国で温暖化対策を始めていますが、これ以上もう進まないようにはできても
 元に戻すことはできません。
 野生動物に山に帰ってもらって、人と住み分ける方法を考えることです。
 捕まえて駆除しても、ウイルスは別の生きものに残りますから、来ないように
 することしかありません。
 
 とにかく今は脱コロナ禍ですね。
 来年こそみんなでツツジを観たいです。