森人 もりと

森では人も生きものも ゆっくり流れる時間を生きています

森の桜は咲いたけれど……

2023-04-26 | 日記


 大沼湖畔の桜が咲きました。
 いつもの年よりかなり早い開花です。
 函館の五稜郭公園の桜も、例年より二週間も早く咲いたそうなので、
 早いのはここばかりでないようです。
 これまた地球温暖化の影響なのでしょうか。
 だとすると、早く楽しめるのだから遅いよりは早いほうがいい……
 などとのんびりしていてはいられないかもしれません。

 たしかに今年の雪解けはずいぶん早かったし、そのあとフキノトウが
 現れるのもかなり早かったです。
 街に住んでいる人々にとって気候の変化はあまり気になりませんが、
 自分のように山奥で暮らしている人は、気候はもちろんさまざまな
 自然環境の変化を日々体感しますから、ときには不安になることも
 あります。
 
 そういえば報道でも、今年の北海道の桜開花の早さは記録的なのだ
 といっていました。
 最近の各メディアには記録的、史上初、壊滅的、などのきつい言葉が
 溢れていて、もはや驚くこともなくなりましたが本当は怖いこと
 なのでしょう。
 この先どうなっていくのか誰にもわかりませんが、変わり続けること
 には違いありません。
 それが急にくるか、穏やかに進むかだけのことなのでしょう。
 ともあれ、工夫して変化に対応するしかありません。
 


 変化といえば温暖化などの気候変動で、自然や人間の生活がおかしく
 なってしまう前に、世界大戦が勃発しそうな気がします。
 今、世界の多くの国々が軍拡に梶をきっています。
 そして日本も負けてはならないとばかりに、軍事予算を倍増させて
 います。
 また原発の増設も攻撃されたら核爆弾を投下されたと同じことです。
 このまま各国の軍拡と分断が進めば、行き着くところは世界戦争
 しかありません。
 戦争抑止力のための軍拡など、成功したことはないのです。
 たがいに軍拡に拍車をかけるだけです。
 そして、第三次世界大戦が核戦争になることは誰でもわかっています。
 現在、世界の国々で保有している核は、地球上の80憶人を何度でも
 絶滅させることができるほどのものです。
 はたして、現人類にどれほどの知恵があるのでしょうか。
 
 ホモサピエンスができるだけ長く生存できるように願います。
 そして、まだ暫くは桜を観ることができるように祈ります。


 
 
 
 
 
 

 
 
 
 

 
 

元気をもらう

2023-04-19 | 日記


 キタコブシが一斉に開花しました。
 まだ肌寒い空なのに、モンシロチョウが舞っているように見えます。
 森に春がきて最初に花をつける樹木は、このキタコブシです。
 毎年この時季に咲くものですから見慣れてはいるものの、葉が
 つかないうちにいきなり白い大きな花を掲げますから、やはり
 感動的です。


 
 キタコブシはハクモクレンとよく似ていて間違えられことがあります。
 自分も詳しくはわかりませんが、コブシの花はモクレンよりだいぶ
 小さいです。
 コブシは地方によって、さまざまな名前があります。
 松前では「ヒキザクラ」や「ヤチザクラ」と呼ばれていたそうです。
 内地では、「タウチザクラ」と呼ぶ地方もあるそうで「田打ち桜」、
 つまり田んぼの準備を始める目安なのです。
 古くから、人々の暮らしのリズムを刻む樹木だったのですね。



 ミズバショウが順調に育っています。
 大沼のミズバショウはなぜかあまり人気がなく、人々に観られる
 こともなくいつもひっそりと咲いています。
 そのせいか、この数年で群生地をかなり広げています。
 ここもかってはまったく咲かなかった場所なのですが、今では
 ぎっしり密になっています。
 たぶん最初は鳥か動物が運んできたのでしょうね。
 ミズバショウ好きの自分としては、嬉しいかぎりです。
 
 しかし、もともとミズバショウは、土地の人々にも好かれるものでは
 ありませんでした。
 古くから「ベゴのシタ」と蔑んで呼ばれていたことでわかるように、
 これが生える土地は基本的に湿地なのでなんの役にもたたないのです。
 ですから「ベゴのシタ」の生える場所は人々のゴミ捨て場になって
 いました。
 それを考えると、今はミズバショウにとっていい時代といえます。



 赤ちゃんだったスイセンが一週間たって、こんなに大きく立派に
 なりました。
 人間に、なにかを力強く語りかけてくるようです。
 
 ミツバチが小さな花を見つけて、どこからか飛んできました。
 ミツバチは冬眠はしませんが、冬の間はほとんど動かず、巣の中で
 みんなで固まって体温を保ちながら春を待っています。
 そして花の開花を感知して最も早く活動します。
 
 自然の中で人も元気になれます。


 
 
 


 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

春のだいじな行事

2023-04-11 | 日記


 四月に入ってあれよあれよという間に、はや10日を過ぎました。
 この間暖かい雨の日が続き、おかげで小屋の北側に残っていた雪が
 やっと解け、この森から白い固まりが消えました。
 白といえば大沼のオオハクチョウも帰ってしまいましたから、
 森で見られる白色といえば、これから咲く花たちとそこに集まる
 蝶たちです。
 それ眺めるのもまた楽しみのひとつです。

 カタクリの花がすっかり開いていました。
 茎がキュッと下を向き花弁を上にはね上げて、楽しそうに風
 にゆれていました。
 毎年、この時季に僅かな日数だけ咲いては消えていく不思議な花です。
 
 スイセンの赤ちゃんが一斉に現れました。
 いよいよ春本番です。



 春のだいじな行事といえば三年に一度の車の運転免許更新です。
 若い時はゴールド免許証なら五年更新だったのですが、高齢者は
 おしなべて三年になりました。
 しかも後期高齢者ともなれば、さまざまなハードルが設けられています。
 これをクリアすべく、先日近くの町の自動車学校へいってきました。
 科目は三種、ボケテストと実車テストそれに講習です。
 3時間半かんづめでしっかりやり、なんとか終了しました。
 そして、こんどはこの結果を持って警察署へいき、視力や聴力のテストを
 やって初めて申請になりました。
 交付は一か月後ということです。
 費用もかなりかかりました。

 高齢者を取り巻く車運転環境は、この先も厳しくなっていくので
 しょうね。
 講習でも免許証返納を促す場面がいくつかありました。
 高齢者の事故がことさらに大きく報じられて、世間では「またか!」と
 非難されています。
 しかしよく見ると若い人たちもけっこう突っ込んでいますよね。
 自分は先進国の生活をいくらか知っていますが、高齢者の免許返納など
 聞いたことはありません。
 これには国民性や保険医療のことや、さまざまな要素があるのだと
 思います。
 ちなみに、この山奥では車なしでは生きていけません。
 鉄道は廃駅になり代替路線バスも運行されませんから、昔に戻って
 ロバでも飼うしかありません。
 
 昨日函館で梅の開花が報じられました。
 例年よりかなり早いですね。
 この調子じゃ、森の桜も早いかもしれません。
 春は楽しみいっぱいです。

 コンチャンも春の陽気で眠そうに歩いていました。