森人 もりと

森では人も生きものも ゆっくり流れる時間を生きています

雪がふる

2021-11-28 | 日記


 今年の初雪は3日間も続く大雪でした。
 いよいよ冬の到来です。
 
 初雪がそのまま根雪になることは、まずありません。
 数日中に解けて土が現れ、しばらくしてから次に降るとこれが根雪となり、
 向こう4カ月ほど雪の中の生活になります。
 来年の春まで土を見ることはできません。

 眼に映るものすべて白だけの世界ですから、色を望むなら空か生きものを
 眺めるしかありません。
 たまに街へでると、通りを歩く人々の服装色のなんとキレイなことか。
 逆に、無秩序にベタベタと張り付けられた看板のなんとどぎついことか。
 
 北海道の内陸部では、この3日間で80cmも降り積もりました。
 地球規模の異常気象は、北海道に日本海地方のような豪雪をもたらすと予測
 する先生もおられます。
 北海道は寒いけど、雪は比較的少なかったのですから、もし予測が当たった
 らそれはもう大変です。
 
 この先はどうなるかわかりませんが、それなりに知恵をつけて、上手に対応
 していくことが肝要ですね。



 11月も残りわずか、今週はもう師走になります。
 師走といえば大掃除が待っています。
 常日頃からこまめにお掃除していれば楽に終わるのでしょうが、なにしろ
 なまけているのでこれが大仕事です。
 
 それと、来年を楽しく過ごすための小さな工夫と作戦を考えます。
 
   「一番小さなことでも満足できる人が一番裕福である。
   何故なら満足を感じることが、自然が与えてくれる富だからだ。」
                           ソクラテス
   「私は、人生を本当に楽しんでいる金持ちを見たことがない。」
                           エジソン

 こんな先人たちの言葉をかみしめながら、残りの時間を楽しんでいく
 つもりです。


   
   
 
 
 
 

雪待

2021-11-18 | 日記


 このところやっと陽が出て、青空もみられるようになりました。
 そのぶんグッと冷え込んで、朝はマイナス気温になっています。
 駒ケ岳にうっすらと雪が乗っていました。
 
 今年の地上の降雪はずいぶん遅いです。
 我々にとっては嬉しいことですが、スキー場など雪の観光関連の人たちは心配
 でしょうね。
 そんな地上の人々の悲喜こもごもとは無関係に、今年も予定どおりシベリア
 からお客様が到着しました。オオハクチョウです。



 はるばる何千キロも遠くから、お疲れ様です。
 人の生活圏のこんなに近くの畑に降りたって、食料を探しながら羽を休めて
 います。
 このグループはこの先本州に渡るのか、近くの大沼に留まって越冬するのか
 わかりません。
 オオハクチョウはよく大勢で顔を突き合わせて、ガヤガヤ喋っているようす
 がみられますから、相談して決めるのでしょう。
 
 地球環境が変化しているなかで、今年も変わらず天空の一角から、真っ白で
 2.5メートルもの羽をもったデッカイ生きものがドーッと降りてくると、
 なにかありがたい気持ちになります。と同時に地球はまだ大丈夫なんだと
 ホッとします。



 すぐ近くで、ヤギさんと遊ぶ元気な子たちがいました。
 この子たちもやがて、この自然から遠くへ飛び立っていくのか、ここに留
 まるのかを考える時がくるのでしょう。
 生きものはみんな同じですね。

 空はもうすっかり冬空です。
 雪待の季節です。


 
 



 

毎日どんより

2021-11-11 | 日記


 このところ毎日、降ったり止んだり、ときには晴れ間がでたりもしますが、
 ハッキリしないお天気が続いています。
 そんななか函館に出ることがあったので、早い時間を使って海岸線を東方向に
 走りました。
 というのも、銭亀沢地域の砂浜で流れ着く石やシーグラスを拾うのが目的です。
 
 志海苔を過ぎて汐泊川に近づくと、やたらと石の名のつく地名が現れます。
 黒岩、石倉、石崎、白石、と延々と続きます。
 経験から、石のつく地には昔からきれいな良い石があることを知っています。
 この地区は、アイヌ時代から良い石が集積されていた地域に違いないのです。



 この海岸線を10kmほど走ったのですが、残念ながら砂浜らしい砂浜を見つけ
 ることはできませんでした。
 各海岸はすでにかなり浸蝕されていて、延々と波消しブロックが設置されてい
 ました。
 そして、海岸に降りる場所も見つからず、たとえ降りても危険な状態です。

 日本の砂浜は気候の温暖化とダム建設の影響で、今世紀末までに9割の砂浜で
 面積が半分になり、6割が完全に消滅する(国立環境研究所)ことを聞いてい
 たので、まさにそれを垣間見るようでした。
 土地の人に「こんな時に 海岸をウロついて物を拾ってる場合か!」と叱られ
 そうな気分になりました。

 じつは32年前、この海岸の沖合2kmほどの海底に直径2kmのカルデラが発見
 されました。銭亀火山です。
 この火山が最後に噴火したのは5万年前とのことですから、まだこの辺りには
 人はいなかったのでしょう。
 しかし、石はその時のものが流れ着いたと考えられます。

 また、昔から函館周辺の人々は「どうして湯川温泉は 近くに山もないのに温水
 がでるのだろう?」と不思議に思っていました。
 しかし若い銭亀火山の地下マグマは、現在も活発に動いていることから、これが
 湯川温泉及び周辺の温泉の熱源になっていることが判明したそうです。

 長く生きていると、さまざまな新しいことがわかって楽しめます。
 
 今回はダメでしたが、諦めずに次回はゆっくり時間をかけて、海岸に降りられる
 スポットを探すつもりです。
 海岸に向かって2基の風力発電が設置されていました。
 みんな、たくましく新しい方向に動き出しているようです。




 
 


 
 
 
 
  
 
 

道南は大嵐

2021-11-03 | 日記


  昨日の道南は記録的な大雨と雷、それと強風でした。
  多くの地域に避難指示がでて、避難所に駈けこんだ人もかなりいたようです。
  この辺りは自然災害の少ないところなので、みんな大変だったのでしょうね。
  幸いこの森は短い時間の停電はあったものの、倒木被害もなく無事に普段の
  生活に戻れました。
  
  今朝小屋のドアを開けて驚きました。
  木の葉が見事に全部落ちていて、森の景色が一変していました。
  昨日まで四方眼に映るものといえば、紅、黄、緑、茶、のなんとも華やかな
  葉っぱの色彩でした。
  それが一夜にしてすべてなくなって、スカスカの枝と、やたら広いグレーの
  空が広がっていたのです。

  一瞬にして変わる不思議な光景は、自然のダイナミズムなどといわれますが
  昨日まで観ていたものが、まるで幻想の世界だったように思われます。



  すっかり色のなくなった中に、若々しい緑のかたまりが目立っています。
  よく見ると、紫陽花が一つだけ昨日の記録的な大嵐にも負けず元気に咲いて
  いました。
  いや~びっくり!すっ飛んではいませんでした。
  もとは下町の植木市で一鉢だけ買ってきたものです。
  ひ弱な都会っ子と思いきや、とんでもない。
  北海道の土に馴染んで、今や一番強くなったようです。

  夏の咲き初めは真っ白ですが、それが鮮やかなブルーになり、涼しくなると
  紫がかって、今は緑です。そして雪が降る頃には茶色になります。
  昔から、人も生物も「変われるものは強い」といいますが確かなようです。



  考えてみれば、人生も一瞬で変わりますね。
  よくある話です。
  昨日と今日は違う日、まして明日のことはわからない。
  ただ、変化を恐れる必要はないでしょう。
  変化して良くなることも多々あるのですから。
  
  冬に向かって、変化を楽しみましょう。
  次は真っ白になる日がきます。