お盆が過ぎて処暑に入ると、すっかり秋景色になりました。
北海道もいよいよ収穫の時期を迎えています。
栗、トウモロコシ、カボチャ、枝豆・・・どんどん出てきます。
「天高く 馬肥ゆる 秋」ですが、馬だけではなく人も立派に肥えます。
しかし、北海道ではなぜか他人に対して「いや~肥えたね~」などとはけして
言いません。
「肥えた」は牛、馬、豚、専用の言葉です。
これを間違えると「俺は豚か!」とばかりにヒンシュクを買います。
東京以西、特に関西や九州では普通に使われている言葉でも、東北や北海道
ではダメなんです。
日本語は難しいです。
少し前までは「メタボ」なんて言葉もなかったから、みんなごく普通に
「あの人は肥満体です」と言ったものです。
健康診断の結果でも「肥満体」と書かれた人はずいぶんいました。
「ひまんたい」なんて、今聞くとどこかの地名のような感じがしますし、
あまりいい感じはしません。
しかし、当時は「痩せ」よりも「肥満」の方が良いとされていたふしが
あります。
ヤセッポッチの政治家や社長さんは「ちょっと頼りないな~」と思われ
ましたし、商店やお金持ちのおかみさんは、デップリ肥えていないと裕福
に見えなかったものです。
私など子どもの頃から痩せだったので、お使いにいくとお店のデブの
オバサンに「あんた ちゃんと食べてるの?」などと言われたものです。
そんな中で唯一の私の自慢は「座高」でしたが、それも裕次郎がでたころに
恥ずかしくなって止めました。
それにしても、あの座高計測って、なんのためにやってたのでしょうか。
人生の謎です。
今は身長が、特に上半身が縮んで座高はかなり短くなり、やっと普通の
旧日本人体形になりました。
年取るっていいこともありますね。
秋といえば「サンマ」ですが、いまや北海道でも不漁が続き、たまに店
にでても大変な高値です。
かつて、庶民の食卓で一番手頃なおかずだったサンマもホッケも、今や
高級魚になってしまいました。
いわしのメザシやハタハタなどは、見たこともありません。
時代は変わりました。
それでも畑で獲れるものだけは、変わらずにあります。
むしろ、海外から伝わった新しい野菜も加わって、全体的に収穫は増えて
います。
もう無くなったものは諦めて、新しいものを楽しみたいと思います。