森人 もりと

森では人も生きものも ゆっくり流れる時間を生きています

春本番

2015-04-29 | 日記
 新緑で森全体が色づいてきました。

 花や動物たちは人よりも元気です。









 また春がきました。よろしくね。



















 この若葉の新芽がおいしんだよ。冬の間ロクなもの食べてなかったからね。







                                             動(yurugi)







 





2015-04-22 | 日記
 森に「こぶし」が咲きました。
これから、短い夏に向かって咲き急ぐように、
一斉に開花していきます。

 名前の知っている花、知らない花、
いろいろです。













 雀より小さいかわいい鳥です。
そのうち鳥図鑑を買って名前を覚えよう。






石を拾う

2015-04-14 | 日記
 仕事がら、時々森を出て石を拾いに行きます。
前は、良い石を求めて、どこへでも行ったのですが、
最近は、二~三ヶ所に絞ってリピートしています。
今回は半年ぶり、雪解けを終えて待望の石拾いトリップです。



 良い石とは、綺麗とか、造形しやすいとかではなく、
気持ちが通じ合えるかどうかです。それは人と同じです。
 なぜか、古来からの神山、霊山や美しい風景の場所には、
必ず良い石があります。



 街道の食堂で昼飯をとりました。
おばちゃんが「お客さん、何処から来たの、海、山?」
「ちゃう、森」
「どっちへ行くの?」
「ん、あっち」
「気を付けて」
「ありがとう」
殆んど内容のない会話でも、声を掛けてくれるのが
ありがたい。さあ、また走ろう。



 山では今にも芽吹きそうな春と、残雪の冬がせめぎ合っています。



 不思議な色の沼があります。



 ちっちゃい軽自動車で一回に数百キロ走ります。大きい車では入って行けない所ばかりなのです。



                                             動(yurugi)










2015-04-10 | 日記
 春の光は、柔らかくて優しい。
だから皆安心して身を乗り出すのでしょう。
 
 久しぶりにオバチャンと会って「終ったね(冬が)」「そうだね」
と挨拶をかわす。またひとつ年を取ったけれど、平凡な生活が送れた
ことに感謝。

 さあ、しばらくはこの光を楽しもう。







            

            

            

                                            動(yurugi)



 
 

樅 モミ

2015-04-06 | 日記
 この小屋の周りで、唯一自生ではないものがこの樅です。
樅の木は子供の頃、絵本に出てくるクリスマスツリーで知ってはいたものの、実際に見
たことはなかったのです。
 大人になってからは何度も樅に出会う機会があって、真っ直ぐに空に向かって伸びる
幹、葉は希望の緑、樹形の美しさ、その存在感に圧倒され、憧れを持つようになりました。 
 
 十五年前にちょっとした人生の変わり目があって、落ち着かない日々を送っていた時、
赤い花を買おうと思い、たまたま立ち寄ったフラワーランドで、どうやら売れ残って
片隅に追いやられていたらしい樅に視線がいきました。タグを見るとカナダ産八千円と
出ていました。その時は大出費だったのですが、直ぐに買い求めました。「千円引いとくよ」
とオジサンが言ってくれたのを覚えています。

 樹木に無知な私は、ただしょっちゅう見ていたかっただけの理由で、工房から良く見
える場所に植えました。後になって樅は柔らかい酸性土壌を好むことが分かったのですが。
 それから数年たっても、うちの樅はちっとも大きくなりません。ド素人の私にできる
ことは、落ち葉をせっせと根元に運んで堆肥にするぐらいしかありませんでした。
 ところがなぜか、十年を過ぎた頃から急に伸びだしたのです。植えた時は腰の高さだった
のですが今は七~八メートルにもなり、しっかりと根付いてこの森の一員となりました。

       

 小さい頃はトドマツ等に似ていて、同じように見えたのですが、大きくなってはっきり個性
が出てきました。幹はまだ直径十センチ足らずなのに、最長二メートル近い枝を付けています。
上部は上向きに、中程は真横に、下部は少し下向きに、綺麗な円錐形を作りつつあります。
絵本のように全部下を向いてはいません。
 美しい常緑の葉は陽が射すと眩しいほどに輝きます。どんなに雪が積もっても、決して折れ
ずにうつむいて雪が落ちるのを待ちます。そして音をたててしなやかに戻ります。

 今や、早春のまだ色のない森にあって、生き物達に希望を与える堂々たる存在になりました。
 私も毎朝一番で、樅に会うのが楽しみです。あの時植樹しておいて本当に良かったと思います。

あと、百年もすれば、この小屋を覆うような大木になる。その木陰で子供達が歌ったり駆け
回ったり、そんな光景を想い浮かべさせてくれます。しかし残念ながらそれを確認することは
できません。
 
 いやいや、それよりも、この森そのものが存在しているのかどうか、全く分かりません。  

       

       

       

                                        動(yurugi)