森人 もりと

森では人も生きものも ゆっくり流れる時間を生きています

みなづき

2023-06-04 | 日記


 相変わらず降ったり止んだりの暗いお天気が続いています。
 台風の影響なのか、昨日はこの地区に雷注意報がでていました。
 さらに、すぐ近くにクマのふんが見つかったことで、「クマ注意報」
 なるものもでました。早朝や夜間は外出自粛です。
 今年はクマの動きがたいへん活発で、札幌の小学校の敷地内にも
 現れていますから子供たちが心配です。
 
 あっという間に六月、夏に入りました。
 台風が来てもおかしくない時季です。
 毎日よく降るのに「水無月みなづき」とは、どういうことですか?
 なんて考えてしまいますが、その昔は「水の月」といった意味合い
 だったようです。
 十月の「神無月かんなづき」を出雲では「神在月かみありづき」と
 いいますが、それとは少し違いますね。
 それにしても「水無月」「神無月」なんて、なんと風情のある
 表現なのでしょうか。
 昔の日本人の繊細で情緒的な心を感じます。



 松尾芭蕉は数多くの夏の名句を残しています。
 中でも、自分がいちばん好きなのがこれです。
    
     朝顔に我は飯食う男哉   芭蕉

 芭蕉がこの句を詠んだのは三十九歳のときです。
 まだ「おくの細道」へ出る前です。
 今の年齢にすれば六十歳を過ぎていると思われますが、
 そんなオッサンが朝顔を眺めながら飯を食らっている。
 ただそれだけのことなのですが、なぜか心に染みるのです。
 たぶん今の若い人たちの俳句、短歌ブームの中にあっては
 「こんなことが句になるんですか」といったところでしょう。
 
 芭蕉はさまざまな思いを込めて詠んだらしいのですが、
 とにかく老人がボーッと外を向いて朝飯を食っている後ろ姿が
 自分に重なってきます。
 しかしそれが、けしてさびしくはないのです。
 いろいろな絵が連続的に浮かび上がってきます。
 芭蕉はこのあと十年ほど生きますが、この間に多くの名句と
 紀行文を残しています。
 
 六月六日は芒種、十一日はいよいよ入梅です。
 まだまだ、このぐずついたお天気は続きそうです。




 
 
 

 
 
 
 

 
 
 


 



 
 

 
 
 
 
 
 

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