森人 もりと

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昭和新山

2024-06-24 | 日記


 夏至が過ぎて、昨日やっと東北北部が梅雨に入りました。
入梅が平年より二週間も遅く、先に夏がきてしまったという
稀な年だそうです。
もはや珍気象、奇現象、なんでもあれの日常になっていますから、
驚くほどのことでもないのですが、統計的に遅い梅雨の時期は
豪雨災害が発生しているとのことなので、こちらが心配です。

 ちょっと前までは、災害があっても「想定外で~す」といえば
言い訳になっていた当局も今はこれでは通用せず、なにか新しい
言葉を考えなければなりません。
たいへんな時代になりました。



 昨日6月23日は80年前に昭和新山が誕生した日です。
北海道の洞爺湖近くの壮瞥町の麦畑が突然大噴火を起こし、
あれよあれよという間に地面が隆起して、一年ほどで標高400m
を優に超える立派な山が出現しました。
実はこの地では、大噴火の半年前から有感地震が頻発していて、
住民はなにか起こりそうな不安を抱えていたようですが、まさか
山ができるとは想像もしなかったでしょう。
想定外どころの話ではありません。

 面白いのはこの山が突然麦畑にできたのですから、当然麦畑の
所有者のものになります。
そして80年を経た現在も、志のある人による個人所有が継続され、
おかげで山は荒廃から守られているのです。
日本には小さい島が無数にあるので、島を持っている人の話は
時々聞いたことがありますが、個人で火山を持っているとはまさに
奇特なことです。
世界的にも珍しいことなのでしょうね。

 昭和新山は大爆発から一年半ほどで活動鎮静しましたが、今でも
地面から蒸気を噴き上げる活火山ですから、登山には許可が必要
です。
ちなみに、400mを超えていた標高は活動の安定化による温度低下
と自然の浸食で、398mまで縮んでいるそうです。

 自然はすべて想定外、だから人はそれを取り込み、いかに安定した
生活を生みだすかに腐心してきたのでしょう。
しかし今は逆行の時代なのかもしれませんね。














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