昔に出会う旅

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冨祖崎の「ハマジンチョウ群落」 半マングローブ植物??

2008年09月16日 | 沖縄の旅
沖縄県南城市佐敷字冨祖崎の「ハマジンチョウ群落」を見に行きました。

ハマジンチョウは、「浜沈丁」とも書き、ハマジンチョウ科ハマジンチョウ属の常緑低木です。
日本では三重県、九州、沖縄県などの河口付近の海岸に自生しているようです。



近くまで行くと標識がありました。
この辺りの土地は、埋め立ての土地のようです。



小さな公園のようになって、道路脇に車を止めて入口を入って行きました。



■案内板があり、説明文を転記します。
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沖縄県指定天然記念物
南城市富祖崎海岸のハマジンチョウ群落
昭和36年6月15日指定 所在地南城市字富祖崎
 ハマジンチョウは、九州南部から台湾、中国南部やインドシナなどの地域でみられます。ハマジンチョウの仲間は、日本では2種類だけが知られ、沖縄では海岸線沿いに点在して生育しています。木の高さは1mから2mで、初夏になるとうすい紫色の花を咲かせます。
 真謝川河口から富祖崎川河口にかけての海岸には、ハマジンチョウの群落がみられます。このようにハマジンチョウが多く育成している場所は、我が国では他に例がなくとても珍しいもので、その生態を研究する上でたいへん貴重です。また近くにはオヒルギやメヒルギ、シマシラキ、サキシマスオウノキ、サガリバナなどからなるマングローブ林もあり、海岸泥地に生える植物の様子を研究する場所としても重要な地域です。
富祖崎海岸一帯は、陸地からの土砂が海の中にゆっくりと積もってできました。現在陸地の部分も、かっては富祖崎海岸のような泥質海岸でした。現在見られるハマジンチョウ群落やマングローブ群落は、地域一帯の過去の環境や地史を解明する上でも貴重なものなのです。
なお、この地域で許可なく現状を変更し、もしくは保存に影響を及ぼす行為を行うことは法律で禁止されています。
平成5年3月 沖縄県教育委員会
平成19年3月一部修正 南城市教育委員会
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案内板の上段にあるハマジンチョウの花の写真がよく見えませんが、薄い紫色の地に紫色の斑点があるかわいい花のようです。

下段の図は、生息地の観察通路図です。
向って斜め右に延びる通路の幅広になっている部分が一段高い橋です。
入口と、案内板は、通路の左端の丸の部分です。
濃い緑色の部分がハマジンチョウ、黄色部分がヒイラギギク、黄緑部分が、メヒルギの生えている場所だそうです。



観察通路を進むとすぐに上り階段があり、ハマジンチョウの木が通路をふさいでいました。



一段高くなっている橋の上から振り返った景色です。
階段上り口の左右にハマジンチョウが見られますが、その周辺はメヒルギのマングローブが広がっています。

ハマジンチョウは、河口付近の(塩分濃度が低い)水辺に育つ植物ですが、「マングローブ植物」には含まれていません。
調べてみると「半マングローブ植物」の一種で、「マングローブ植物」が水辺に育つのに対して、陸地でも育つ植物だそうで、こんな種類があるとはちょっと驚きです。

「マングローブ植物」には、メヒルギ・オヒルギ・ヤエヤマヒルギ・ニッパヤシ・ヒルギモドキ・ヒルギダマシなどがあり、「半マングローブ植物」にはハマボウ・ハマジンチョウ・ハマナツメなどの種類があるそうです。



ハマジンチョウの枝の先にはたくさんの実が付いていました。
初夏まで花が咲くとも聞いていましたが、見つかりませんでした。



ハマジンチョウの実を枝の下から撮った写真です。



一段高くなった観察通路の橋です。



橋の上から下を見ると水辺になっています。
「富祖崎川」の河口に近いこの一帯は塩分濃度の低い、マングローブが育つ水辺がかろうじて保護されているようです。



向こうに見える海は、中城湾です。
細い帯状の砂浜が、北にある冨祖崎公園の方から南にのびていました。
自然にできた砂州のようです。

ハマジンチョウは、海岸の埋め立てなどで減少し、環境省から「絶滅危惧II類」とされているようです。


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