昔に出会う旅

歴史好きの人生は、昔に出会う旅。
何気ないものに意外な歴史を見つけるのも
旅の楽しみです。 妻の油絵もご覧下さい。

浦内川流域で知ったたくましい植物の生態

2007年06月10日 | 沖縄の旅
「浦内川」の遊覧、「カンピレーの滝」「マリュドゥの滝」の観光で亜熱帯植物達を目にし、改めてそのたくましい生態を知りました。



山道で見たの「オオタニワタリ」です。
前にも植物園で見たものを掲載しましたが、自生している「オオタニワタリ」を見てその生命力に驚きます。
根元に落ち葉などを集めて根を張る「着生植物」とされていますが、葉を茂らせている根元にどうやって落ち葉を集めるのか不思議です。
自分の葉も木の下に落とさず根元に集めるのでしょうか。
又、集めた葉を栄養にするためには根の下でうまく腐敗(発酵)させなければなりません。
素人なりに改めて考えてみましたが、実に不思議な植物です。


二本の大木に「ツルアダン」が群がって、木の上まで這い登っています。
植物がひしめく山中で、太陽の光を奪い合う競争が繰り広げられている光景のひとコマです。
「ツルアダン(蔓阿檀) 」は、タコノキ科のツル植物だそうで、西表島・石垣島・台湾などが原産地と言われているようです。


「ツルアダン」が寄生した木の幹を撮ったものです。
木の表面に張り付き、葉を茂らせながら太陽の光を求めて木の上に向って成長しています。
「ツルアダン」にとって張り付いている木は、土壌や、高い場所に登るハシゴのようなものかも知れません。
5月頃には甘い香りのする黄色い花が咲くそうです。


無数の「ツルアダン」の茎が木に絡み付いています。
細い「気根」がしっかりと木の皮に根を張っているようです。
よく見ると無数の虫が襲いかかっているようにも見えます。


同じタコノキ科の「アダン」の木が、浦内川の水辺に生えていました。
同じ植物の仲間とはいえ、大木の下で必死に順応してきた「ツルアダン」とだいぶ姿が違います。


「ギランイヌビワ」と思える木が「板根」を張って、山道のすぐ脇に生えていました。
「板根」の上の幹には「ツルアダン」が巻き付いているのが見えます。
「ギランイヌビワ」は、クワ科イチジク属の植物で、幹に花や実を付けるのが特徴のようです。


「板根」で山道をふさぐように「ギランイヌビワ」と思える木が生えています。
「板根」は、一見飾りのように思えますが、表土の薄い土地に根を広く立体的に張り、しっかりと木を支えるためのようです。
長い年月には強烈な台風もあり、「板根」は大木に育つための建物の基礎のような機能を持っているものと思われます。
仲間川流域の巨大な「サキシマスオウノキ」が有名ですが、その板根の高さを超える「オキナワウラジロガシ」が西表島の山中で見つかっているようです。


浦内川の「オヒルギ」です。
遊覧船で案内される木で、「オヒルギ」の表示がされています。


浦内川の「ヤエヤマヒルギ」です。
「オヒルギ」「メヒルギ」と並ぶ3種類のマングローブの一つです。
これも遊覧船で案内される木で、「ヤエヤマヒルギ」の表示がされています。
高い位置から「支柱根」が出ているのが特徴のようです。


水辺に密生した「支柱根」が浦内川の遊覧船から見えました。
「支柱根」の間から新しい芽がたくさん伸びていました。


浦内川の支流に入る所です。
ゆったりした流れの岸辺にマングローブの林が奥深く発達しています。
マングローブの根は、支柱根、膝根、板根などがあり、場所によってヒルギ達は住み分けているようです。


浦内川の遊覧船の終点です。
約3時間余りの浦内川の観光でしたが、西表島浦内川流域の植物の珍しい生態に改めて感心しました。
又、山道で聞こえてきた珍しい鳥や、セミの鳴き声なども楽しむことが出来、一生の思い出に残る観光になりました。


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