昔に出会う旅

歴史好きの人生は、昔に出会う旅。
何気ないものに意外な歴史を見つけるのも
旅の楽しみです。 妻の油絵もご覧下さい。

「イリオモテヤマネコ」の見学

2007年06月20日 | 沖縄の旅
西表島では「イリオモテヤマネコ」「山猫」のネーミングは、レンタカー・民宿・土産のお菓子、ぬいぐるみなどであふれています。
その「イリオモテヤマネコ」が展示されている西表島古見の「西表野生生物保護センター」へ行きました。
西表島の東部、後良川に架かる後良橋の少し北を内陸側へ入った場所にあります。


「西表野生生物保護センター」の施設案内です。
環境省の施設ですが、町のミニ博物館と言った感じです。


館内に展示してある「イリオモテヤマネコ」の剥製がありました。

1967年、国立科学博物館動物部長の今泉吉典が、生捕の野生ネコが新種のネコであると学会で発表、一躍「20世紀最大の生物学的発見」のニュースとして報道されたようです。
「イリオモテヤマネコ」は、学術的な研究・分類がされていなかっただけで地元の人には知られた存在だったようです。
約20万年の昔、八重山の島々は大陸と離れたそうです。
大陸に住む「ベンガルヤマネコ」が、この西表島で独自の適応・進化をして「イリオモテヤマネコ」となったと考えられています。


■イリオモテヤマネコのパネル説明を転記します。
「イリオモテヤマネコとは」
イリオモテヤマネコが発見されたのは1965年のことですが、島では昔から「ヤママヤー」「ヤマビカリャー」という名で知られていました。現在の生息数は、100頭ほどで、絶滅に瀕していることから、国内稀少性動植物種や特別天然記念物に指定されています。
ヤマネコの生息地は、標高200mイカの地域で、河口付近にあるサガリバナやマングローブなどの湿地林、内陸では川に沿って生息しています。食生活はバラエティに富んでおり、コオロギからイノシシまで多種多様なものを狩って食べます。活動のピークは朝と夕方、活動パターンは季節によって変化します。決まったねぐらはなく木にあいた穴や岩穴で眠ります。また、ヤマネコは木登りや泳ぎも得意です。


リュウキュウイノシシの剥製がありました。
「リュウキュウイノシシ」については2007-06-02由布島の観光に記載していますが、由布島の「リュウキュウイノシシ」は、塀の中で自由に歩き回っていて、半分やじ馬気分で見てしまいます。
剥製を見るとちょっと厳粛で、アカデミックな気分になります。


鳥の剥製が並んでいました。
中央の二羽が「カンムリワシ」のようです。
「カンムリワシ」は、国の特別天然記念物、国内希少野生動植物で、八重山だけに生息するタカ目タカ科の鳥です。
現在の生息数は、約100羽と減少しており、絶滅が心配されています。

「カンムリワシ」と聞くと、元ボクシング世界チャンピオンの具志堅用高を思い出します。
「カンムリワシ」の異名を持ち、出身地「石垣島」を一躍有名にした実に偉大なボクサーでした。


西表島の県道を走ると、イリオモテヤマネコの絵が描かれた看板をよく目にします。


こんな看板です。
「イリオモテヤマネコ とびだし注意」と書かれ、支柱に環境省の名が書かれています。
「カンムリワシ」もよく交通事故の被害にあうそうで、一緒に書いてやって欲しいと思います。


「イリオモテヤマネコ」のいろいろな姿の剥製がありました。
見た目には家猫と毛の色が違う程度しか分かりませんが、生態はかなり違うようです。


「イリオモテヤマネコ」の骨の標本がありました。
日本の山猫は、「イリオモテヤマネコ」の他、対馬の「ツシマヤマネコ」の二種だそうです。
最近の遺伝子分析では、二種ともアジア大陸のベンガルヤマネコと近い種類とされているようです。