加賀の旅人

郷土の凧と歴史の狭間に埋もれた凧の歴史を尋ねる旅人です。

平成27年 凧・絆プロジェクト3

2015年02月28日 | 3・11 凧絆プロジェクト
昨年までは白山市内の学童保育クラブの児童に凧の材料を渡して連凧を製作し、3月11日近くの土曜日や日曜日に東日本大震災の被災者の方の慰霊を込めてその連凧を揚げてきました。
揚げる当日は雪が降ったり雨風であったりと天候に恵まれず、児童や父兄の方の参加が少なかったのが現状でした。
今年からは今までの各グループへの凧作りの依頼をやめ、私どもで出来る範囲で「凧・絆プロジェクト」を毎年行って行くことにしました。
2011年には仙台凧の会からの要請で「絆」を書いたダイヤ凧を送ったことから「凧・絆プロジェクト」は始まったのです。

2011年の震災後は「絆」、2012年は「祈」、2013年は「ニコニコマーク」、2014年は「夢」のダイヤ凧を10枚づつ作り連凧にしました。

(今までの連凧)

今年はひつじ年でひつじは群れになっる習性があるそうです。仲間、家族、そして友達の意味合いから、励ましの文字は「友」としました。
パソコンで「友」の文字を作り印刷しました。


日本の凧の会の本部通信が届きました。

『東日本大震災から間もなく4年になります。
未だ多くの方が行方不明となっており、
被災地での復興も少しずつ進んではきておりますが、
まだまだ先が長い感があります。

仙台凧の会よりのお願いです。

今回も東日本大震災の復興を慰霊の思いを込めて、
笑顔の凧揚げ「第4回スマイルカイトアクション」を実施します。
ご賛同頂ける全国の凧仲間の皆様には、発災日の3月11日前後の日にちに
それぞれの地域で凧を揚げて頂きたいと思います。
また、発生時刻の午後2時46分には黙祷を捧げて頂ければ幸いです。』


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平成27年 凧・絆プロジェクト2

2015年02月25日 | 3・11 凧絆プロジェクト
3.11凧・絆プロジェクトが今年も始まりました。
日本の会から「スマイルカイトアクション」の協力依頼は今年はまだ届いていませんが、2011年の震災発生から被災された方々の慰霊と被災地の復興を祈念したいと考えていました。
私たち夫婦の微々たる力ですが凧を通じての励ましとなればと毎年「世界同時凧揚げ」に参加したいと思っていました。
今日25日、「北陸整備局 金沢河川国道事務所 松任海岸出張所」に出向き凧揚げ行事の為の『海岸保全区域の一時使用届』を提出してきました。
出張所の所長さんは「昨年も来られましたね」と昨年の申請書と同じ様式で記入すると添付の地図は「昨年と一緒の場所ですね、コピーして付けておきます」と丁寧に応対してくれました。
凧揚げの趣旨に関しても「世界同時に凧揚げをされるのですか?沢山の方が参加されるのでしょね」と質問され、「私たちは子供たちが作った100枚の連凧を揚げます」と話すと、「頑張ってください」と励まされ凧揚げ場所の申請は終わりました。
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平成27年 凧・絆プロジェクト1

2015年02月22日 | 3・11 凧絆プロジェクト

「3.11 スマイルカイトアクションの準備」とタイトルに表示しましたが、昨年までのタイトルを継承する意味合いから「凧・絆プロジェクト」と改称いたしました。
 

先日、以前から付き合いのあった金沢市学童保育のグループから電話があった。
「3.11が近づきましたが、今年は何か計画をしていますか?昨年の9月14日に内灘海岸で揚げた震災復興の連凧を今年の3月8日の日曜日に揚げたいのですが、手伝ってもらえませんか」という内容でした。
その連凧は、2015年3月の東日本大震災で被害を受けた方々を励ますためと復興を祈念するものです。
夏休みに学童の児童が熱い教室で一生懸命「桜」の絵や児童の思いをこめた絵を描き100枚の連凧に仕上げたもので、9月14日金沢市連絡協議会主催の凧揚げの行事で披露したものでした。

(2014年9月14日の内灘海岸での連凧揚げ)
その行事には報道が数社取材に来ていたので、取材をお願いしたのですが揚げる時間帯と取材の時間が合わず取材してもらえなかった。
「2011年の出来事は3月にだけ取上げられる遠い昔の出来事になったのかしら」と指導員の方は肩を落としていたことが印象的でした。」
2012年にはヒマワリの絵を描いた連凧を作ったのですが、昨年は児童達と桜の絵柄の連凧を新調しただけに思い入れもあったのでしょう。
今年は松任の徳光海岸で揚げたいと意気込んでいたので、その気持ちに共感して協力することにしました。

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守貞謾稿の中の凧を再現(10)

2015年02月21日 | 金澤郷土の凧資料
試し揚げ
今日は朝から快晴で雲一つない良い天気で、この季節では珍しい天気に気分も晴れやかになります。
ただ、天気は良いのですが、風もそよ風で畑仕事には打ってつけの天気です。
凧を揚げるには風が弱く、もう少し風が欲しいものです。
ピンポイントの天気予想では、午前中は1~2m/sと弱く15時以降に4m/sとの予測でした。
風向は北北西で凧が揚がったとしても15時頃であれば太陽に向かって揚がり逆光となるので写真撮影はできないので今日の凧揚げはあきらめました。

先日、今日のような天気だったので試し揚げに行ってきました。
時間は15時頃が北北西4m/sとの予報で出かけたのですが、風は大きく息をしているようで強い時と弱い時が交互に出現し揚がっていた凧はカメラを構えている間に高度が下がってしまいました。
また、揚がっているときも凧が太陽に重なり逆光で全く撮影できませんでした。
それでも「魚河岸凧」と「蘭の字凧」を揚げて写真に収めることが出来ました。

(魚河岸凧の試し揚げ)

(揚がった魚河岸凧)

(蘭の字凧の試し揚げ)

今日こそと期待していたのですが、天候と風が合わなかったので今後に期待したいと思います。
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守貞謾稿の中の凧を再現(9)

2015年02月20日 | 金澤郷土の凧資料
糸目の検証作業
糸目に関しての検証はこの形状の凧では3本の糸目で良いのではないかと思うのですが、凧の本をあちこち探しても江戸時代と限定するとかなり難しいものがありました。
そこで「凧大百科」を調べると、この中には東京の角凧が掲載させていますが、多くの凧が3点糸目となっていましたので3点の糸目の凧とすることにしました。

(江戸の角凧)


糸目を付ける作業
いつもはクレモナ製の糸を使っているのですが、今回は江戸時代の再現ということもあり「木綿の糸」で直径が0.5mmの凧糸があったのでそれを使うことにしました。
凧の裏側の反り糸を2段縛り、糸目の糸は凧の縦の長さの2倍としました。
糸目の位置は尻尾を付けることを考慮し上部より1/4の位置としました。

出来上がった凧です。

(篆字凧完成)



(蘭の字凧完成)


(魚河岸凧完成)


次に凧の尻尾ですが「江戸絵本風俗往来」では凧に関しての記述があり、凧に関しての挿絵もあります。
この挿絵の中では尻尾がついた凧が揚がっています。

(江戸絵本風俗往来より)

また早稲田大学図書館の『歌川芳虎画の子供遊凧あげくらべ』の錦絵が左記のホームページで閲覧出来ました。

この錦絵は慶応元年(1865年)のものです。明治元年が1868年なので江戸も末期の出来事です。
江戸時代末期でも凧の尻尾がついた凧が一般的に揚げられていたことが分かる貴重な資料でもあります。
今回の凧も荒縄を付けたものを揚げるのが良いのですが、園芸用の5㎜の麻縄を付けようと思っています。

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