平成8年10月21日付け北国新聞より
来年1月に内灘町で開催される「’97内灘町新春子ども凧遊び大会」(同大会実行委員会主催、内灘町、北国新聞社共催、日本の凧の会、内灘町子供連絡協議会後援)に向け、同実行委員会は20日、町体育館で凧作り指導者講習会を開き、凧づくりの技術を子供会の指導者たちに伝えた。
講習会は、大会で揚げる凧を製作する11月17日と12月8日の「児童凧づくり会」の指導役を育てようと開かれた。内灘町子供連絡協議会の約30人が参加し、日本の凧の会の会員である創作凧の第一人者である小関章さん(東京)から指導を受けた。
参加者は「私の分身凧部門」の凧づくりに取り組んだあと、「かわいいミニ凧部門」にだす、スーパーの袋や、くしなどを使ったアイデアあふれるミニ凧の作り方を学んだ。
大 大会は来年1月12日、主に町内の児童を対象に開かれ、児童たちが手作り凧を室内で揚げて交流し、凧の独創性を競う。』
講習会用の材料準備
小関章さんは東京から毎回講習会に出席できないため、小関さんのアシスタントとして小生と妻の二人が、実質の講習会の指導と講習会材料の準備を行うこととなった。
「子供たちに教えて下さい」と小関さんから新作凧が出来るたびに頂戴していたのであるが、いざ講習会のために「小関凧」の材料を準備するのに戸惑ったことは、ピアノ線の購入先と凧の台紙であるポリ袋であった。
ピアノ線は模型屋さんにあると思い何軒か回ったが長尺のものはなかった。また、鉄製品を扱う問屋にもピアノ線は扱っていなかったので、小関さんにお願いして必要数を送って頂くことになった。
ここで問題になったのがピアノ線の太さである。小関さんの製作した凧は柔らかい風で使用するもので、大会は屋内であるが終了後は屋外でそれも冬の強い風である。果たして小関さんの構造の凧で大丈夫であろうか?
ピアノ線の太さを変え、厚みの違うビニールで台紙を作り何度か試し揚げを行い、1月の凧揚げ用の形を決定した。
分身凧の上部ピアノ線は1.4ミリ、下部のピアノ線の太さを1.0ミリとすることにした。
また、台紙となるビニールも薄くて子供たちが扱いにくいと考え、セロハン紙で作ることにして90㎝30巻のロールを購入し、製作してみるとセロハンの張りもあり扱いやすく作り易いことでよいと思ったが、水にぬれると縮んでしまうことが判明しポリエチレンに変更した。
ポリエチレンも厚さが多種あり、厚さの違う何種類ものポリ袋を購入し凧の台紙となる部分が取れる大きさと厚みを調べることから始まったのである。
分身を書く和紙は機械漉き和紙で以前から購入していた紙問屋で調達することとした。
分身凧の縦骨のヒノキ棒やミニ凧の縦骨となる竹ひごと揚げ糸はホームセンターで購入することとした。
当時は現在のようにインターネットが活用できなくて、凧作りの講習会用の材料調達は購入先を調べることや、何度も材料を変えての試行錯誤を繰り返しで煩わしいことであったが、子供たちが簡単に作れ、そしてすぐ飛翔できる小関凧の魅力を伝えることで、救われるものがあった。
新春子ども凧遊び大会第1回講習会
平成8年11月18日付け 北国新聞より
来年1月に開催される‘97内灘町新春子ども凧遊び大会(同実行委員会主催、内灘町、北国新聞社共催)の出品作品を作る第1回児童凧づくり会は17日、同町内灘体育館で開かれ、小学生約100人が独創性あふれる凧の絵柄を描いた。
能田敏明内灘町子ども会連絡協議会会長、松野長義教育長の挨拶の後、児童は、日本の凧の会の花木幹史さん(松任市)や町子ども会連絡協議会のメンバーら、約50人の手ほどきを受けて凧の絵柄づくりに取り掛かった。
1年生から4年生までは、「かわいいミニ凧部門」の凧にアニメのキャラクターやクラゲなどを色鮮やかに描き、5,6年生は自分の姿をかたどった「私の分身凧」の制作に励んだ。
児童は、12月8日に開かれる第2回児童凧づくり会までに絵柄を完成させ、凧の組み立て作業を行う。
大会は、来年1月12日に内灘町内灘体育館で開かれる。
分身凧の作業工程
①.11月7日分身凧の第1回講習会はで自分の体形を新聞紙に写し、それをハサミで切り取り、切り取った型紙を和紙の上に置き体形を書き写す。
和紙に描かれた自分の体形図をもとに、もう一人の自分を書き加え絵具等で彩色する。この彩色は自宅へ持ち帰り、彩色後は切り取って次回の講習会に持ってくる。
②.12月8日分身凧の第2回講習会、分身を貼るためのポロエチレンで台紙を作る。この台紙は六角形で縦骨はヒノキ棒、上の横骨は1.4ミリのピアノ線、下の横骨は1.0ミリの4ピアノ線をどちらも彎曲させて貼り付ける作業を行い。出来上がった台紙に分身を両面テープで貼り付ける。その後糸目糸を付け完成となる。
新春子ども凧遊び大会凧遊び大会第2回講習会
来年1月に開催される‘97内灘町新春子ども凧遊び大会(同実行委員会主催、内灘町、北国新聞社共催)の出品作品を作る第2回児童凧づくり会は8日、内灘体育館で行われ、小学生訳50人が個性あふれる“私の分身凧”を完成させた。
児童たちは先月17日から凧の制作に入っており、「かわいいミニ凧部門」に出品する小学生1年生から4年生までは各自作品づくりをほとんど終えている。
この日は「私の分身凧部門」に出品する5,6年生らが集まった。私の分身凧は、児童の全身を描いた絵を凧にしたもの。
日本の凧の会の花木幹史さん(松任市)や町子ども会連絡協議会のメンバーら約20人の手ほどきを受け、絵柄をひし形の凧にはり付け、バランスよく揚がるように慎重に糸を取り付けて、凧を完成させた。児童らは、会場でためし揚げをして、作品の出来栄えに満足そうに息を弾ませた。
大会は来年1月12日、内灘体育館で開かれ、児童らが持ち寄った手作り凧を室内で揚げて交流し、作品の独創性などを競う。
第1回新春子ども凧遊び大会の開催
平成9年1月13日付け 北国新聞より
‘97内灘町新春子ども凧遊び大会(同大会実行委員会主催、内灘町、北国新聞社共催、日本の凧の会、内灘町子供連絡協議会、テレビ金沢後援)は12日、町内内灘体育館で開かれ、児童らが個性豊かな手作り凧を元気いっぱいに揚げて出来栄えを競い、交流を深めた。
開会式には、児童と父母、大会関係者など合わせて役300人が出席した。岩本秀雄町長が「今大会の凧作りを通じて、皆さんが家庭や先生らと楽しくコミュニケーションを図ったことを嬉しく思う」とあいさつし、川原重北国新聞社事業局長、大会実行委員会の東哲男教育委員長が児童らを激励した。
大会では、小学校5,6年生の「私の分身凧」、小学校1年生から4年生までの「かわいいミニ凧」の2部門で審査が行われた。
児童らは笛の合図で4人ずつ、白い息を弾ませて元気に会場を走り、自分で作った凧を揚げた。
自分の等身大の似顔絵を描いた「私の分身凧」は表情や服装などに特徴を捉えた個性的な仕上がりのものが多く見られ、「かわいいミニ凧」は好きな動物やアニメキャラクターを色彩豊かに描いた絵柄が目立った。
審査では、凧の絵柄や姿、形などの仕上がり具合や、空中でのバランスが基準となった。日本の凧の会の堤昭明事務局長ら5人が審査にあたり、2部門で34人の児童が「内灘凧名人賞」、「内灘凧博士賞」を受賞した。