加賀の旅人

郷土の凧と歴史の狭間に埋もれた凧の歴史を尋ねる旅人です。

守貞謾稿の中の凧を再現(9)

2015年02月20日 | 金澤郷土の凧資料
糸目の検証作業
糸目に関しての検証はこの形状の凧では3本の糸目で良いのではないかと思うのですが、凧の本をあちこち探しても江戸時代と限定するとかなり難しいものがありました。
そこで「凧大百科」を調べると、この中には東京の角凧が掲載させていますが、多くの凧が3点糸目となっていましたので3点の糸目の凧とすることにしました。

(江戸の角凧)


糸目を付ける作業
いつもはクレモナ製の糸を使っているのですが、今回は江戸時代の再現ということもあり「木綿の糸」で直径が0.5mmの凧糸があったのでそれを使うことにしました。
凧の裏側の反り糸を2段縛り、糸目の糸は凧の縦の長さの2倍としました。
糸目の位置は尻尾を付けることを考慮し上部より1/4の位置としました。

出来上がった凧です。

(篆字凧完成)



(蘭の字凧完成)


(魚河岸凧完成)


次に凧の尻尾ですが「江戸絵本風俗往来」では凧に関しての記述があり、凧に関しての挿絵もあります。
この挿絵の中では尻尾がついた凧が揚がっています。

(江戸絵本風俗往来より)

また早稲田大学図書館の『歌川芳虎画の子供遊凧あげくらべ』の錦絵が左記のホームページで閲覧出来ました。

この錦絵は慶応元年(1865年)のものです。明治元年が1868年なので江戸も末期の出来事です。
江戸時代末期でも凧の尻尾がついた凧が一般的に揚げられていたことが分かる貴重な資料でもあります。
今回の凧も荒縄を付けたものを揚げるのが良いのですが、園芸用の5㎜の麻縄を付けようと思っています。

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