加賀の旅人

郷土の凧と歴史の狭間に埋もれた凧の歴史を尋ねる旅人です。

北陸新幹線金沢開業ロゴマークを凧にすると 2

2015年04月26日 | 凧を作る
北陸新幹線金沢開業のもう一種類のロゴマークは地が赤色で文字が白抜きとなっています。

(北陸新幹線金沢開業ロゴマーク)

今回はこのロゴマークを凧にしようと煤竹を成形し和紙に下絵を書き、それを組み立ててから彩色します。
昨日組み上がった凧に染料で彩色しました。
凧に使用した和紙は白抜きの文字が映えることを期待して、漉きむらがあるのですが薄手の和紙を使用しました。
赤系の染料を溶かし彩色を始めると妙に紙へ吸い込みが悪い感じで色むらがでるのではないかと気にはなったのですが中断することも出来ずとりあえず彩色を完了させました。

今日、出来映えを見て全体的に色むらがありガッカリしました。

(彩色むらが出ている凧)
透かしてみると白抜きの文字は想像していた通り赤色との対比ではっきりしていましたが、全体的な出来栄えは満足できるものではありませんでした。

(光を透過させてみる)
出来上がっ凧は満足できるものではなかったので破りました。

(失敗して破った凧)

再度凧を作り直すことにしました。
和紙は1号機を製作した和紙と同じで、和紙を凧の大きさにして文字の下書をします。

(下書が完成)
失敗した凧の竹骨は和紙を剥がし、水で糊分を洗い流して再使用します。

(再使用する煤竹)
後は竹の水分が乾いてからの作業になります。
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北陸新幹線金沢開業ロゴマークを凧にすると

2015年04月24日 | 凧を作る
北陸新幹線金沢開業をPRするチラシがありまたPR用のロゴマークもあります。
前から気になっていたのですが今回思い切って作って見ることにしました。
このロゴマークは縦横の寸法が同じの正方形となっています。
手持ちの和紙の横幅が60㎝なので凧の大きさも縦横60㎝の正方形で制作することにしました。

(北陸新幹線金沢開業をPRするロゴマーク)
凧の縦寸法:横寸法の比率をアスペクト比といいますが、縦長の凧の比率は0.7位でこの形が安定して飛揚するそうで、私の凧もアスペクト比が0.7の縦長の凧を多く作ってきました。
またアスペクト比が1以上になると田原凧のように横長の凧となります。
アスペクト比が1.0となる正方形の凧は浜松凧がありますが、凧に長い尻尾を付けて揚げています。
今回始めて製作する正方形凧は尻尾無しで飛揚させたいと思っていますので上手く揚がるか不安もあります。

凧の紙は手漉き和紙で幅が60㎝一杯として使用することにしました。
凧の竹骨は今回は煤竹を使ってみることにしました。
この煤竹は手元に来て20年以上経ちます。専門的な知識がないので何年物の煤竹かは分かりませんが実際には100年以上経過していると思われます。
大きな凧に使用するのは今回が初めてですが竹は乾燥しすぎて折れやすく、もろくなっていました。
それでも竹を曲げた時の粘りはまだ残されているようです。
煤竹の削りカスの色は「チョコレートカステラの断面のようなうすいチョコレート色をしていました。
完成した凧です。

(表面)

(裏面)

いつもと違った作り方は正方形で凧の四隅から竹が出ないようにしました。
遠目ではポスターに見えるように工夫したのですが、後は糸目の調整次第で揚がることでしょう。


今日は天気も良く、風も凧揚げにはちょうど良いので試し揚げを行いました。
糸目は2本糸目でとってあり、糸目を調整し揚げると凧は春風に乗り上昇していきました。

(揚がった凧1)

(揚がった凧2)

今度は同サイズで地が赤色で、文字が白抜きとなっているロゴマーク凧を製作したいと思います。
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凧の出し物 傘を作る4

2015年04月19日 | 金澤郷土の凧資料
今回制作した傘の上部に青く染色した紙をつけると和傘のような形状となりました。
当初制作した6本の骨の傘と今回制作した20本の骨の傘を並べて比較してみました。

(左側:6本骨の洋傘タイプ、中央、右側:今回制作の20本骨の和傘タイプ)


(左側:6本骨の傘、右側:1回目の20本骨の傘)

(左側:1回目の20本骨の傘、右側:2回目の20本骨の傘)

(左側:1回目の20本骨の傘、右側:2回目の20本骨の傘)傘の表側

平成22年5月4日 内灘海岸での傘を使用した「ビラまき」を凧友のN氏に撮影してもらった写真です。
風を受けて傘が上昇していきます。

揚げ糸の中間にストッパーを作っておき、傘がストッパーにあたって開いていた傘が閉じます。
その時傘に挟んであった小さく切った色紙が傘から離れます。

小さな色紙が風でヒラヒラと飛散していきます。
傘は閉じた状態で手元まで降下して戻ってきます。


このように傘は何度も昇降させて見学者の方を楽しませることができるのですが、婦くら雀凧を安定して飛揚できるのは5~6メートルの風速で安定した風が必要なのです。
そのため傘を制作してから「ビラまき」が出来たのは数回程度です。
それでも機会があればと何時も準備だけはしているのです。

成巽閣の「凧あげ」絵図の中に「出し物といって小さい傘を付けて昇降させる装置」を再現しましたが、今回は絵図のような傘の形状に近い物を再現できたのではないかと思います。
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凧の出し物 傘を作る3

2015年04月17日 | 金澤郷土の凧資料
傘の骨と25㎜φの傘の心材を準備し傘の骨組みを組み立てました。
今度は2回目の制作なので手際よく製作できました。

(傘の骨組み表側)

(傘の骨組み裏側)
今回は手すき和紙に印刷した婦くら雀の紙を竹骨に合わせて貼り付けたので、自分ながら満足のできる仕上がりとなった。

(紙貼りが完成:表側)

(紙貼が完成:裏側)
傘に貼った状態で紙の表面に水を付けて乾燥させると紙はピーンと貼ってよい状態に仕上がった。

(彩色が完了:表側)

(彩色が完了:裏側)
その後、彩色して乾燥させるとさらに紙は張って、傘をラッパ状態にするのに普段以上の抵抗感が出てきたのです。

その結果、傘を押上げる心材につけてある竹骨が変形し接続材が破損寸前になった。
解体し作り変えるか、押上げる心材と竹骨の部分を補強するかの選択を迫られる出来事になりました。
今までは機械すきのナイロン入りの和紙を使用していましたので、ここまで張りが強くなることはなかったのです。
原因は手すき和紙に水を付けて張りを持たせた上に、さらに染料で水分が乾燥したときに紙の繊維が緊張して張りが強くなったことでした。
今後は染料での彩色だけで行くべきだと思いました。

Yahooで和傘の画像を検索しヒントになるものがないかと探していると、傘の内側に糸状のもので幾何学模様となった画像を見つけました。

(Yahooの傘の画像を借用しました)
ひょっとするとこの糸は単にデザインだけではなく傘の骨のヒネリによる変形防ぐものかもと思い、この方法を試してみることにしました。
傘の骨に糸を張っていく作業は根気のいる作業でしたが何とか恰好はできたようです。
この糸張りをしたおかげで傘のひねりは全くなくなり、スムーズに開閉ができるようになりました。

(傘の糸の幾何学模様)

仕上がった傘を陽にかざしてみると染料の色合いがきれいで仕上がりに満足でした。

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凧の出し物 傘を作る2

2015年04月13日 | 金澤郷土の凧資料
凧糸に付けて遊ぶものは一般的には『風弾(ふうたん)」「サル」と呼ばれ沖縄では「シャクシメー」とも呼ばれていますが「傘」も「サル」と呼ばれていたのかは分かりません。
凧の揚げ糸に付けて風を利用して上昇させ糸端まで来ると仕掛けが外れて降下し手元に戻ってくるものの総称が「サル」と呼ばれていたのではないでしょうか」

以前いただいた傘とその傘を参考に製作した傘を並べてみました。

(左側:船見氏製作、右側:複製で製作したもの)

(左側:船見氏製作、右側:複製で製作したもの)

複製したものは傘の骨が6本なので傘の形状が6角形となっています。
今度は傘の形状をなるべく円に近いようになるよう竹骨を20本で制作しました。
この発想は以前百均で購入した玩具の傘の骨が20本で作られていたからです。この傘を何度か開いたり閉じたりしたら竹の繋ぎの部分が切れてバラバラになったことがありました。
この傘を解体し、再度組み立てて傘として凧糸に通して上昇、降下を楽しんだことがありましたが、今では百均では入手できなくなりました。

今回、印刷した婦くら雀の紙を利用して竹骨20本の傘を作ることにしました。
直径が43cmなので4mm幅の平竹を準備し、以前から使用していた直径20㎜傘の芯材を使うことにして組み立てました。

(傘作りの材料)

(傘の骨を組立上部より見る)

(傘の骨を組立持ち手側より見る)
骨組みができた傘に機械すき和紙に印刷した雀の紙を貼り、染料で採食しました。
羽根を白抜きとし、羽根から透ける部分の空を青色として染料で彩色しました。
今回の婦くら雀とは違った彩色としました。

(傘の裏側)

(傘の表側)


組立が終わってから大きな失敗に気が付き、再度もう1個製作することにしました。
それは、4㎜×20本=80mm 80mm/3.14≒25㎜ 直径25㎜の芯材が必要であることが分かったのです。
つまり、傘をすぼめたときの収まりが悪いのと、紙の絵柄が傘の骨の位置とマッチしなかったので失敗作となったのです。

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