ついこないだまで全く意識していなかったのに開通50周年を意識した先日来0系を中心に新幹線ノスタルジー状態です。
そんな訳でメイン・サブを問わず新幹線ネタで押していますが今回もやっぱりこのネタです。
毎日新聞社編の「一億人の昭和史」。昭和50年頃に出ていた昭和史の俯瞰シリーズで50年間の世相・事件を豊富な報道写真で捉えたシリーズで正刊で10冊、そのほかにほぼ同数以上の別冊で構成されています。
(以前紹介した「日本鉄道史」もこのシリーズの1冊です)
今回取り上げるのはこの中の一冊「⑦高度成長の軌跡」から
性格上、シリーズの他の本では「太平洋戦争」をはじめ「公害」とか「ロッキード事件」等の読んでいて重くなる様な特集が多いのが常です。
が、その中でもこの「高度成長~」が異色なのが巻頭のかなりのページが「東海道新幹線の工事や開業」に費やされている点です。
本来なら同時期の東京オリンピックが同じ位置に来てもおかしくないのですがわざわざ新幹線がこの位置に来ているという事は後の社会に与えた影響の大きさを編集する側がよく認識していた証左とも言えるでしょう。
天下の新聞社が当時スター扱いで取材していた事もあってか専門誌でも見ない様な面白い写真も多く開業50周年の今になって見ると非常に感慨深く、且つ楽しめます。
例えば本書の見出しページの背景は「輸送で蒸気機関車に牽かれつつデッキガーダー橋の上をゆく試作型新幹線車両」という当時以外では絶対見られない(再現すら不可能)驚き物の画だったりします。
また開業直前の営業車両の道路上の移動シーンは新聞社らしく豊富な写真を駆使して数ページを費やしており驚かされます。
あるいは新幹線開業前に想像図の新幹線の模型が交通博物館のレイアウトを疾走する写真なんかもあったりします。
まあ、「有楽町の新幹線工事現場の火災写真」なんてのは絶対鉄道専門書には載りそうもないですがw
開業運転で「軽飛行機と競争している0系」なんかも当時の感動をストレートに伝える名写真ではないでしょうか。
実際、これ以後東北新幹線が開業する前後までの10年以上は0系をはじめとした新幹線は騒音問題がクローズアップされたり故障がしょっちゅうだったり(「新幹線大爆破」の1シーンで前方を走る列車がいきなり故障停車するシークエンスがあり、今見ると「取ってつけた様な偶然」に見えますが、実際には当時は当たり前の様に故障・運休が常態化していたので、あの頃はそれほど不自然ではありませんでした)とネガティブなイメージばかりが付いてくる様になっていきます。
ある意味、登場前夜のこの熱気と言うのはまさにこの時だけしか感じられない物であり写真と言う形でそれらを追体験させてくれる本書は今のこの時期「読ませてくれる」一冊ではあります。
このシリーズは今でも時々あちこちの古本屋で見かけるので、もし本巻が見つけられるなら結構なおすすめ本と思います。
そんな訳でメイン・サブを問わず新幹線ネタで押していますが今回もやっぱりこのネタです。
毎日新聞社編の「一億人の昭和史」。昭和50年頃に出ていた昭和史の俯瞰シリーズで50年間の世相・事件を豊富な報道写真で捉えたシリーズで正刊で10冊、そのほかにほぼ同数以上の別冊で構成されています。
(以前紹介した「日本鉄道史」もこのシリーズの1冊です)
今回取り上げるのはこの中の一冊「⑦高度成長の軌跡」から
性格上、シリーズの他の本では「太平洋戦争」をはじめ「公害」とか「ロッキード事件」等の読んでいて重くなる様な特集が多いのが常です。
が、その中でもこの「高度成長~」が異色なのが巻頭のかなりのページが「東海道新幹線の工事や開業」に費やされている点です。
本来なら同時期の東京オリンピックが同じ位置に来てもおかしくないのですがわざわざ新幹線がこの位置に来ているという事は後の社会に与えた影響の大きさを編集する側がよく認識していた証左とも言えるでしょう。
天下の新聞社が当時スター扱いで取材していた事もあってか専門誌でも見ない様な面白い写真も多く開業50周年の今になって見ると非常に感慨深く、且つ楽しめます。
例えば本書の見出しページの背景は「輸送で蒸気機関車に牽かれつつデッキガーダー橋の上をゆく試作型新幹線車両」という当時以外では絶対見られない(再現すら不可能)驚き物の画だったりします。
また開業直前の営業車両の道路上の移動シーンは新聞社らしく豊富な写真を駆使して数ページを費やしており驚かされます。
あるいは新幹線開業前に想像図の新幹線の模型が交通博物館のレイアウトを疾走する写真なんかもあったりします。
まあ、「有楽町の新幹線工事現場の火災写真」なんてのは絶対鉄道専門書には載りそうもないですがw
開業運転で「軽飛行機と競争している0系」なんかも当時の感動をストレートに伝える名写真ではないでしょうか。
実際、これ以後東北新幹線が開業する前後までの10年以上は0系をはじめとした新幹線は騒音問題がクローズアップされたり故障がしょっちゅうだったり(「新幹線大爆破」の1シーンで前方を走る列車がいきなり故障停車するシークエンスがあり、今見ると「取ってつけた様な偶然」に見えますが、実際には当時は当たり前の様に故障・運休が常態化していたので、あの頃はそれほど不自然ではありませんでした)とネガティブなイメージばかりが付いてくる様になっていきます。
ある意味、登場前夜のこの熱気と言うのはまさにこの時だけしか感じられない物であり写真と言う形でそれらを追体験させてくれる本書は今のこの時期「読ませてくれる」一冊ではあります。
このシリーズは今でも時々あちこちの古本屋で見かけるので、もし本巻が見つけられるなら結構なおすすめ本と思います。