EF64、それも0番代は勝沼の駅前だったかに1両展示されていますがフィルタ形状などに他機にない個性があるにもかかわらず「偉大なる凡庸」の味わいを感じます。
多分、私が0番代の64好きを決定したのはこの時の経験も大きいかもしれません。
そういえば趣味を再開して最初に入線させたF級直流電機もKATOのEF64でした。
さて、先日紹介している様に今年に入って急にEF64が増備され「偉大なる凡庸」の殿堂入りしそうな勢いになりました。
しかも「入線した3両が全てメーカーが異なる」というおまけ付きで。
ついこの間までそんな気配すらなかったのに偶然と勢いというのは全く怖い(笑)
さてKATOを交えて今回入線のマイクロ、TOMIXを並べて見るとリリースの時期が大きく違わないはずなのにメーカーごとの造形差を感じます。
誰が見てもわかるのはマイクロのEF64は形態も幾分華奢な印象な事、TOMIXのそれは前面窓にHゴムの色差しがなく(モールドはあり)まるでサングラスをかけた様に見える事です。
ボディ造形をKATOも交えて比較しますとスカートの問題が依然残るものの、ボディ自体はTOMIXより細密感があり、KATOよりも繊細な印象をも受けます。
屋上のモニタ窓も、マイクロだけがサッシを嵌め込んでおり、ポイント高いです。また、避雷器が挽物で別パーツ化されていて同様に別パーツ化しているKATO(ただしこちらはプラ製)より細密な印象がありました。
と、ここまではマイクロの善戦ぶりが際立つのですが、走らせてみたら一番ノイジーでスムーズさに欠けたのもマイクロのEF64でした(汗)
TOMIXはKATOほどではないもののそこそこスムーズに走行。KATOはフライホイールの効果なのか、3機の中で最もなめらかでした。
色味はマイクロのアイボリーの黄色味が強く若干違和感があります。
KATO、TOMIXのアイボリー彩度はほぼ同じ。
手すり類、特に前面の手すりはKATOの最新型で別パーツ化されているのを除けばどれもボディや前面パーツと一体化しています。
近めで見るならKATOの第二世代が細密感が優れているのは当然ですが、それ以外の3両は遠目ではそれほど差異が感じられません。サングラス顔のTOMIXですらそうです。
こうしてみるとほぼ同一のプロトタイプとはいえそれぞれの造形の解釈の違いが個性となっており(かといってEF64に全く似ていないモデルはありません)見飽きる事がありません。こういうのも模型ならではの愉しみと言えます。