武産通信

東山三十六峰 月を賞で 雪を楽しみ 花に酔う

首途八幡宮

2008年01月22日 | Weblog
 西陣の近くにある智恵光院今出川の首途八幡宮に参拝する。首途は「かどで」と読む。出発を意味する言葉であるという。朝の境内は静かで清々しい。
 駒札によると、大内裏の北東に位置するため王城鎮護の神とされ、もとの名を「内野八幡宮」という。 宇佐八幡宮を勧請したのが始まりと伝えられ、誉田別尊(応神天皇)・比賣大神・息長帯姫命(神宮皇后)を祀る。
 かつてこの地に金売り吉次の屋敷があり、そばに内野八幡宮があったと伝えられる。吉次は奥州に金の商いで行き来している商人であるが、武士橘次郎末春、また義経の郎党堀弥太郎景光であるともいわれる。今から830年前、承安四年(1174)三月三日の夜明けに牛若丸、のちの源義経が金売り吉次に従い、鞍馬山を抜け出してこの内野八幡宮で道中の安全を祈願し、奥州平泉を目指し旅立った由緒をもつ。この故事により「首途八幡宮」とよばれ、特に旅立ち、 旅行の安全の信仰を集めている。境内には、橘次井(きちじい)と呼ばれる井戸があって、この水を汲んで旅に出れば、ご利益があると信じられてきた。義経は平家追討に行く時にも、この水で身を清めて戦場に向かったとされているが、残念ながら、今この井戸はない。
 因みに、牛若丸と天狗伝説の鞍馬山は、合気道開祖植芝盛平の修行の地でもある。
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