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武産通信

東山三十六峰 月を賞で 雪を楽しみ 花に酔う

武産合気研究所 京都

2021年03月30日 | Weblog
                                  斉藤守弘師範

  武産合気研究所

[道場] 京都市左京区聖護院円頓美町
      京都市武道センター

 DVD『合気の剣・杖』  斉藤守弘師範
 昭和49年に岩間の合気修錬道場で撮影された記録映画。植芝盛平翁から唯一人、合気剣の指導を許された斉藤師範が開祖直伝の合気剣、合気杖の演武をする。組太刀、太刀取り、組杖、杖取り、剣に対する杖術、三十一の杖ほか、気迫溢れる斉藤師範の剣技。

 斉藤守弘著『合気道 ~ 剣・杖・体術の理合』 全五巻
 開祖植芝盛平直伝の合気剣・合気杖。素振り法から合わせ法、そして組太刀・組杖までを収録。斉藤師範は開祖が伝えた技をそのまま伝承すると同時に、体術と武器技の理合いを分類して体系的にまとめ、詳しい説明が記されている。

 斉藤守弘著『武産合気道 ~ 基本技術編・呼吸投げ編』 全四巻
 基本技術編では一教から四教、四方投げ、小手返し、入身投げ、回転投げ、腰投げ、天地投げ、十字投げ、座り技呼吸法、諸手取り呼吸法までの基本、変化技を段階ごとに詳しく解説。呼吸投げ編では呼吸投げの基本、応用技を全78技収録している。

 斉藤守弘著『武産合気道 ~ 植芝盛平翁の技術書「武道」解説編』 別巻
 戦前の植芝盛平翁の演武写真、解説とともに、斉藤師範が詳しく演武を行い、技の一つひとつを再現し、さらに詳細な解説をつけている。合気道の基本、変化技、気の流れが豊富な写真を使って段階的に著される。

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続 斉藤守弘語録

2021年03月14日 | Weblog

 続 斉藤守弘語録

指導方法として三段階あります。一つは合わせて練習する方法。二つは抑えにきた気を受けて返し技でかえす方法、三つは完全に抑え込まれたのを返す方法です。正しい基本ができていないと返し技はできません。常に丁寧な気持ちで稽古してください。

合気道は大愛、大和であり、厳しい精神でこれができるんです。

合気道は、掴み技をやらなければならない。両手取りをしっかりとやりなさい。

二教で痛ければ、痛くなくなるまでやりなさい。

合気道において入門者十人あって一人残るだけでいい。岩間においては十人に一人です。常に厳しさが必要です。しかし、稽古は楽しくなくてはならない。痛かったら離しなさい。憎しみの残るような稽古は絶対してはいけません。はやく強くなりなさい。厳しい合気道ほど楽しいですよ。一つ一つの技を丁寧にしてください。時には頑張り合いも必要です。常に楽しく研究しながら技をやり合うことが大切です。

合気道は宣伝してはならない。人に勧めてはならない。自分からやる気で来たものでなければならない。

合気道は誤魔化しはできません。合気道において八百長があってはいけません。合気道は常に真剣勝負です。

意識した気合はいけません。動いているときに出てくるものでなくてはならない。自分の動きに自信のあるときは気合をプラスしてください。気合を大先生は重んじられました。

合気道は難しいなどといわず動くことを習うのです。初めは阿呍もくそもない。不言実行! 手足をまず動かすことです。理屈を捏ねる前にまず動くこと。そうすれば自らわかってきます。理屈はいらない。常に楽しい稽古の積み重ねが必要です。動いて初めてわかるのです。

気、気と気ばかりに執われてはいけません。気が気にひっかかるんです。何もできなくなります。理屈はやめよ! とにかく練習し、稽古してください。

大先生は子供に指導するときでも気を抜かれなかった。

「一つ一つの稽古を無駄にするな!」と。「気を入れろ!」、「気が入っとらん!」と、大先生は手を叩いて𠮟られた。

合気道から呼吸力を取ったら合気道とはいわない。呼吸力のない合気道は力の入らない相撲と同じです。

正面打ち一教で、手と足の基本が逆になっている。基本に立ち返らなくてはならない。

合気道の指導はポイントを指導してください。二教は相手の小指を相手の鼻のほうへ返せば効くんです。

合気道をする人は、大先生の研究された技をもっと研究しなければならない。

一緒に大先生を研究しましょう。

大先生が教えてくださったことが素晴らしい。大先生の技はやっぱり素晴らしい。大先生の演武の技を見てやったのは駄目です。大先生は演武では本物を為されない。それは、技を盗まれるからです。

合気道は誰でもできるし、誰でも理解できるし、誰でも会得できる。我流はいけません。正しい技は整然と理解できます。

相手に掴まれたら相手の武器を預かったと思いなさい。

合気道は、鏡の前に立って姿が写ったと同時に勝負がついていなければならない。陽よりも光よりも速く勝負がつかなければならない。

一本橋の上で敵と遭遇したならば、呼吸法以外に勝負の道はない。大先生は「呼吸法ができれば三日で免許皆伝をやる」といわれました。

ここでは九分以上はガシッと掴み合って呼吸力の鍛錬をします。あとの一分が流れの稽古です。

相手の剣を受けたときはその瞬間に逆に相手を突いていなければならない。

常に臍の前に剣があるように剣を構えるようにしてください。

合気道は、相手が動いたときにはもはや勝負がついていなければならない。まさに相手が剣を振りかぶったときにはもはや突いているというように、正勝、吾勝、勝速の気で捌かねばならない。

私は、合気道の指導中に何かものを考えて指導しているのではありません。大先生の言われたことを、そのまま言っているだけです。 

斉藤先生のお宅は道場と地続きだった。

斉藤先生は笠間焼の水差しでサントリーレッドの水割りを旨そうに飲まれていた。

茨城弁で、新婚旅行のとき、京都、大阪で吹田道場の道場開きがあり、大先生とともに大阪へ行っていて結局行けなかった。今でも母ちゃんに頭が上がんねえよな。

酒を飲まないと強くなれないよ。

余談だが、斉藤先生は喧嘩の仲裁に行くときは体に晒を巻き革ジャンを着て出かけたという。

       俺のパンチを知らねえな

扨て、斉藤先生にいらんことを書くなと叱られそうなので、このへんで筆を置く。


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武産合気 斉藤守弘語録

2021年03月07日 | Weblog

 武産合気 斉藤守弘語録

上野発の鈍行列車で岩間まで約1時間半、関東平野の長閑な田園風景がつづいていた。

日が暮れると岩間の駅のホームからポツンと道場玄関の電燈の明かりが見えた。

合気神社の境内はきれいに掃き清められていた。

境内の左側に大先生の道歌碑があった。

       美しき此の天地の御姿は主の作りし一家なりけり

植芝盛平先生は大先生「おおせんせい」と呼ばれていた。

稽古の前後に二礼二拍手一礼の拝礼をする。

斉藤守弘先生に、朝、昼、晩と稽古をつけていただいた。

岩間の稽古は気合を発する。

入母屋造りの道場(60畳)は合気道修練道場と呼ばれていた。

道場の神棚には御簾が掛けられ、その横の棚に「武産合氣」の木の看板が置かれていた。

道場の壁には、大先生の扁額「合氣盛平」が飾られ、多種多様の木剣や杖が掛けてあった。

道場と大先生の部屋は廊下でつながっていて入室禁止だった。

道場の玄関は賓客と師範専用で、道場生は右側の入り口を使った。

小部屋から道場へ出入りの際は正座して一礼する。

道場生が出入りする小部屋は内弟子が使用した。

かの塩田剛三先生も内弟子のとき寝起きしていたという、その小部屋を使わせていただいた。

小部屋の奥に水道水のシャワーがあった。

道場から少し離れたところの小屋が、食堂と風呂だった。

小屋への道端にお稲荷さんが祀られていた。

小屋の向いにボットン式便所があった。

そこで一句、

       吹上げる風が尻拭く雪解かな

稽古の合間に薪割りや、手鎌で草刈りをした。

大先生が弟子たちを連れて登られたという愛宕山の急な石段は315段あった。

修練の朝、

私は、42歳まで24年間大先生に師事しました。

合気道は宣伝するものではありません。武道とは、生きるか死ぬかを極めるものです。

練習中、自分が痛みを覚えて人から教えられなければ、人に技をかけることはできません。

大先生はいつも仰っておられました「技は一分一厘違ってもかからんぞよ!」と。

合気道をやると試合形式はできません。本当に合気道を知っている人は試合ができません。今の柔道は極めて危険な技が省かれています。合気道は危険な技をすべて練習できます。

武術をやっている人は、剣道なら剣道家、柔道なら柔道家というが、合気道をやっている人は武道家という。武道家はすべてに通じていなければならない。すべてが皆一つです。大先生はいつも仰っておられた。「皆一つ、これ一緒や、一つ、一つ」と、これを理解しなければなりません。

「儂は、60年堅い稽古をしたから柔らかいことができるんじゃ」とも仰った。

大先生は演武を好まれなかった。

合気道は道場での稽古は半分でいいんです。日常の稽古が大切です。生活しているうちから本物が出てくる。日向ぼっこをしていて「(大先生が)ちょっと木刀をもってこい!」、「こうだぞ!」これが本物ですよ。

合気道は一人一人、肌から肌へ伝えなければならない。その人その人に的確に教えていかなければならない。(合気道の技で)できなければ、できるものをやればよい。勿論できない技もある。その時、その時の状態でそれぞれの技が産まれる。すぐに失敗といわずに、次の技が出てくるようにする。これが武産合気です。


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