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武産通信

東山三十六峰 月を賞で 雪を楽しみ 花に酔う

大本と合気道

2011年04月25日 | Weblog
 合気道史を研究されているスタンレー・プラニンさんが、大本と合気道について書かれていますので紹介します。

 武田惣角と出口王仁三郎は、植芝合気道の形成に重要な役割を果たしており、これを明確に認識することは、現代合気道の創始に至った翁の精神的・技術的展開を把握する上でたいへん重要です。武田惣角は今世紀の日本において大東流合気柔術を普及させた人物であり、出口王仁三郎は大本教の指導的人物です。盛平は王仁三郎の教えを学んで悟りを得、それを身体的に表現する方法として惣角の技を用いたのです。

 大本教は有名な新興宗教のうちの一つに挙げられます。昭和10年12月の日本軍事政府による苛酷な弾圧が行なわれた当時は、信者数は200万人にも達していました。貧しい文盲の女性・出口直によって19世紀後半に開教されましたが、教義の組織化・体系化を進めてその発展に大きく寄与したのは、何といってもカリスマ的存在であった出口王仁三郎でしょう。
 盛平と大本教との出会いはまったくの偶然です。大正8年12月、盛平が重病の父親を見舞うため、北海道から和歌山県田辺町の実家へ向かう途中のことでした。盛平は綾部まで足をのばし数日間滞在し、父親の病気回復の祈願をしました。そして、王仁三郎に出会い、その人柄に魅せられたのです。父親の死後、盛平は家族の猛反対を押し切って、大正9年に家族もろとも綾部に移転します。盛平のたぐいまれな武術の才能を見抜いた王仁三郎は、盛平を食客として迎え、武術に興味のある大本信者に教えるよう勧めたのです。これが契機となって、私塾・植芝塾が開設され、盛平は小人数の稽古生に武術指導をするかたわら、自己の修行を続けたのでした。
 一方、惣角は大正11年、綾部で5ケ月を過ごし、盛平の自宅で大本教信者を教授しました。盛平と王仁三郎は盛平の武道の形成過程に欠くことのできない人物ですが、残念ながら ―― とは言え意外なことでもありませんが ―― 両者は反感を持ち合ってしまったのです。これは盛平にとって少なからぬ悩みの種でした。
 大正13年、盛平は王仁三郎の身辺警護員として満州に渡り、王仁三郎と共に大冒険をすることになります。満州の政争に巻き込まれた王仁三郎一行は、危ういところを命びろいするのですが、これによって王仁三郎と盛平の関係はますます堅くなり、満州で死線をくぐった体験は、後の合気道開祖に深い影響を与えました。
 大正14年の盛平の東京移転から昭和10年まで、盛平と大本の関係は緊密で、昭和7年、王仁三郎は盛平に武道宣揚会(植芝合気柔術の普及のために、特に設立された全国的な大本組織)を設立するよう勧めるほどでした。昭和10年、第二次大本事件の後、盛平はこの非合法教会の活動から離れることを余儀なくされますが、王仁三郎に傾倒する気持ちは失われませんでした。第二次大戦後、盛平は大本との友好関係を復活させ、亀岡や綾部の大本本部を頻繁に訪れました。
 合気道の理念・人道主義の精神的基盤となったものは、盛平が王仁三郎から個人的に授けられた教義と、王仁三郎著作の『霊界物語』であったと言えましょう。合気道が今日の日本武道において、その独自性を誇り得るのは、まさにその倫理観にあるのであり、そのためにも大本教の貢献はみのがすことはできません。
 勢力を誇っていた大本教会は、第二次大本事件のため破壊されましたが、戦後、愛善苑として復活します。昭和23年、王仁三郎が死去すると、妻・澄に、その後、娘・直日に大本教の教主は引き継がれ、名称も"大本"に復帰しました。昭和40年には、信者教も20万人にも達しました。 (季刊『合気ニュース』95号論説・1993年より転載)

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合気道技法(71)

2011年04月18日 | Weblog
 植芝盛平翁 伝書

七十一、 首締

受  両手で綾にとって首締める

仕  右手て相手の左袖引いて右足充分引き左で胴打つ

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鴨長明の方丈記

2011年04月14日 | Weblog
★鴨長明「方丈記」の書き出しと地震の記述。

 行(ゆ)く川の流れは絶えずして、しかも もと(本)の水にあらず。淀(よど)みに浮ぶ うたかた(泡沫)は、かつ消えかつ結びて、久しく止(とゞ)まる事なし。世の中にある人と住家(すみか)と、またかくの如し。


 また、同じころかとよ。おびただしき大地震(おおない)ふること侍りき。そのさま世の常ならず。山崩れて、川を埋(うず)み、海はかたぶきて、陸地(くがち)をひたせり。土さけて、水湧き出で、巖(いはお)割れて、谷にまろび入る。渚こぐ船は、浪にたゞよひ、道行く馬は、足の立處をまどはす。

 都の邊(ほとり)には、在々所々、堂舍塔廟、一つとして全からず。或は崩れ、或は倒れぬ。塵・灰立ち上りて、盛んなる煙の如し。地の動き、家の破るゝ音、雷に異ならず。家の中に居れば、忽ちにひしげなんとす。走り出づれば、地割れ裂く。羽なければ、空をも飛ぶべからず。龍ならばや、雲にも登らむ。おそれの中に、おそるべかりけるは、たゞ地震(ない)なりけりとこそ覺え侍りしか。

 かくおびただしくふる事は、暫(しば)しにて、止みにしかども、その餘波(なごり)しばしは絶えず。世の常に驚くほどの地震(ない)、ニ・三十度ふらぬ日はなし。十日・二十日過ぎにしかば、やうやう間遠になりて、或は四・五度、ニ・三度、もしは一日交ぜ(ひとひまぜ)、ニ・三日に一度など、大方その餘波、三月許りや侍りけむ。

 四大種(しだいしゅ)の中に、水・火・風は、常に害をなせど、大地に至りては、殊なる變をなさず。「昔、齊衡の頃とか、大地震ふりて、東大寺の佛の御頭(みぐし)落ちなど、いみじき事ども侍りけれど、猶(なお)この度には如かず」とぞ。すなはち、人皆あぢきなき事を述べて、聊(いささ)か、心の濁りも薄らぐと見えしかど、月日重なり、年経にし後は、言葉にかけていひ出づる人だになし。

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経絡(ツボ)と合気道

2011年04月12日 | Weblog
 茨城(開祖)の合気道を研鑽されている合気道修練館越谷道場さんが、経絡(ツボ)と合気道について書かれていますので紹介します。

手首を力一杯握られると、「内関」、「外関」、「支溝」というツボが刺激されます。
「内関」や「支溝」を刺激すると、胃腸の働きが良好になります。だから、便秘が改善される人が多くいるのです。
「外関」を刺激すると、首や肩のコリが緩和されます。

「諸手取り呼吸法」では、「げき門」というツボを刺激します。
この「げき門」のツボを刺激すると、エネルギーの流れが良好になり、落ち込みから脱却し、元気になります。

「一教」という技では、肘を力一杯握られます。
この時、「少海」というツボが刺激されます。
少海を刺激すると、腕のコリがほぐれます。
腕のコリが解消されると、エネルギーの流れが促進するため、憂鬱気分が消えて行きます。

「二教」という技では、「合谷」というツボを刺激します。
合谷は「万能のツボ」と言われているツボです。

「三教」という技では、「神門」、「太淵」というツボが刺激されます。
「神門」というツボは、不安症やイライラ、ストレス、心臓疾患に効果があります。
「太淵」というツボは、呼吸疾患に効果があります。

受け身をとると、背柱起立筋にあるツボが刺激されます。
背柱起立筋にも、人体に重要なツボが多くあります。
また、背柱起立筋が刺激されると、自律神経が調和されます。

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ティク・ナット・ハン師のお言葉

2011年04月07日 | Weblog
★ティク・ナット・ハン師のお言葉

 日本の皆様へ
 今回の悲劇で亡くなった多くの方のことを想うと、ある部分、あるかたちで我々自身も亡くなったのだと痛切に感じます。
 人類の一部の苦しみは、全人類の苦しみです。また、人類と地球はひとつの身体です。そのひとつの身体の一部に何かが起きれば、全身にも起こります。
 このような出来事は、命のはかなさ(無常)を我々に思い起こさせてくれます。お互いを愛し合い、助け合い、人生の一瞬一瞬を大事に生きることが、我々にとって一番大切なんだと。それが亡くなった人々へのなによりもの供養です。彼らが我々の中で美しく生き続けられるように生きるのです。
 フランス、そして世界各国のプラムヴィレッジ寺院(瞑想センター)から、僧、尼僧、在家者の皆さんがともにお経をあげ、日本のみなさんに平安、癒し、保護のエネルギーを送り続けています。
 みなさまのためにお祈りしています。
                                                          ティク・ナット・ハン

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合気道技法(70)

2011年04月04日 | Weblog
 植芝盛平翁 伝書

七十、 胸と手

受  左で相手の手頸を持ち右手で胸元掴む

仕  右足相手の後へ進み左手で相手の左手持ち直し右手離して
    後衿首掴み左手真直ぐ伸ばして首抱へ込む

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