
六方の捌き
京都の合気道の草創期。昭和30年代後半に鴨東の名刹・頂妙寺の合気道京都道場で田中万川師範が伝えた六方の捌きとは。
・映画『合氣道』昭和36年制作/25分/Narration
合気道の技には、組み合い、もみ合い、というものはありません。相手に触れた瞬間に勝敗が決まるのです。
技の基本は200種以上にも及び、その応用変化は無限とされています。
「万法は一心を生ず」。この無言の圧力の中に、心と体を統一した合気道精神が生まれてくるのです。
技の動きは、一つの中心をもった球状の運動と同じく、遠心力と求心力とを利用しコマのように回りながら相手の力を自分の気の流れの中に引き入れ、その力によって相手を跳ね飛ばすのが合気道の技です。
翁の技は舞っているかのように軽く相手を投げ、しかも投げられた者は、どこに力を入れられて投げられたのか分からないという。
入身投げ ・・・・・
呼吸投げ ・・・・・
これは相手の力に逆らわず、自然に自分の方に力を引き入れて、相手を倒す技。
四方投げ ・・・・・ 相手の気を前方に導いて、そっと撫でれば、相手は自分の力で倒れるという技。
二人取り四方投げ ・・・・・
翁は起倒流柔術をはじめ、柳生流、相生流、そして宝蔵院の奥義を究め、杖を持てば合気杖術となり、木剣を握れば合気剣法となります。
門人達の強い力でも、呼吸力が充実していれば、相手の力を利用して難なく倒すことができます。
前に押し出す力と、横に突き出す力。その力の強弱の原理を利用して倒す技。
翁は、ひたすら若き門人達の精神を練ることに熱心です。
こここで植芝盛平翁が門人達に教えを説く場面となり、翁の肉声が入る。 (写真)
水火の結びの図
△ 〇 口 (三元の図)
一霊四魂三元八力
『天の呼吸と地の呼吸を人は受けて』
武道とは愛なり。しかも、合気の愛は、天地万物の愛情の愛に通じる。生きとし生けるもの、すべてを愛す。
この精神と技が結合して、強い技と、立派な人ができるのだと教えています。
・植芝盛平先生口述『武産合気』高橋英雄編/昭和51年初版
上にア、下にオ声と対照で気を結び、そこに引力が発生するのである。
・『合氣道神髄』田中万川著/昭和48年版
火・水の動きによって中心ができる。中心ができるから万物の生「イキ」がある。これが水火の恵みという。 (植芝盛平先生口述)
出る息は水にして〇「マル」なり、引く息は火にして口「カク」なりというなり。