goo blog サービス終了のお知らせ 

武産通信

東山三十六峰 月を賞で 雪を楽しみ 花に酔う

奥の細道(22)  那古の浦

2010年02月25日 | Weblog
  柿衛本 「おくのほそ道」  那古の浦

くろべ四十八が瀬とかや、数しら  ぬ川をわたりて那古(なこ)と云浦に

出。担籠(たご)の藤浪は春ならずとも  初秋(はつあき)の哀とふべきものをと、

人に尋れば、是より五里、いそ  伝ひして、むかふの山陰にいり

蜑(あま)の苫(とま)ぶきかすかなれば、蘆(あし)  の一夜の宿かすものあるまじと

いひをどされてかがの国に入。

  わせの香や分入右は有磯海  (わせのかや わけいるみぎは ありそうみ)

卯の花山くりからが谷をこえて  金沢は七月中の五日也。爰(こゝ)に

大坂よりかよふ商人何処(かしょ)と云者  有。それが旅宿(りょしゆく)をともにす。

一笑と云ものは此道にすける名の  ほの/゛\聞えて世に知人も侍し

に、去年(こぞ)の冬早世したりとて  其兄追善を催すに

  塚も動け我泣聲は秋の風  (つかもうごけ わがなくこえは あきのかぜ)

   ある草庵にいざなはれて

  秋凉し手毎にむけや瓜茄子  (あきすずし てごとにむけや うりなすび)

   途中唫(ぎん)

  あか/\と日は難面もあきの風  (あかあかと ひはつれなくも あきのかぜ)

   小松と云所にて

  しほらしき名や小松吹萩すゝき  (しほらしき なやこまつふく はぎすすき)


わせの香や句:早稲の香のする路を踏み分けるように歩くと、峠からは右手に有磯海が眺望できる。

塚も動け句:私の泣く声は秋の風となって塚を吹いてゆく。塚よ、塚よ、わが哀悼の心を感じてくれよ。

秋凉し句:秋の涼気を覚えるこの風流なもてなしに、瓜や茄子を皆でめいめいに皮を剥いていただこうではないか。

あか/\と句:赤々と照りつける残暑だが、さすがにもう秋だけに風は秋らしい爽やかさである。

しほらしき句:小松とは可憐な名だ。その小松に吹く風が萩やすゝきをなびかせて、秋の風情がある。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

合気道技法(17)

2010年02月23日 | Weblog
 植芝盛平翁 伝書

十七、 半身半立

受  左手で相手の右手横からとる

仕  右手振りかぶると同時に右膝立て右前へ少し進め左手で相手の
    左手頸を持って立ち上りながら廻り左側へ打ち倒す

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

奥の細道(21)  市振

2010年02月18日 | Weblog
  柿衛本 「おくのほそ道」  市振

けふは親しらず子しらず、犬もどり、  駒かへしなど云。北国一の難所をこ

えてつかれ侍れば、枕引きよせてね  たるに、一間隔て面(おもて)のかたに、若

き女の声二人ばかりと聞ゆ。年老  たるをのこの声も交て物語を

するをきけば、越後国新潟(にいがた)といふ  所の遊女なりし。伊勢参宮するとて、

この関までをのこの送りて、あすは  故郷にかへすとて文(ふみ)したゝめ、はかなき

ことづてなどしやる也。白波のよす  る汀に身をはふらかし、あまの

子の世をあさましう下りて、さだめ  なき契(ちぎり)、日々の業因(ごういん)、いかにつた

なしと、物いふを聞/\寝入  て、あしたたびたつに、我々に

むかひて、行衛(ゆくへ)しらぬ旅路のうさ、  あまり覚束(おぼつか)なうかなしう侍れば

みえかくれにも御跡(おんあと)をしたひ侍らん。  衣のうへの御情(みなさけ)に大慈のめぐみを

たれて結縁(けちえん)せさせ給へと泪を  おとす。不便(ふびん)の事には侍れども、

我々は所々(しょしょ)にてとゞまる方(かた)おほし。  ただ人の行にまかせて行べし。

神明(しんめい)の加護かならず恙(つつが)なかる  べしと云捨て出つゝ、あはれさし

ばらくやまざりし。

  一家に遊女もねたり萩と月  (ひとつやに ゆうじょもねたり はぎとつき)

曾良にかたれば書とゞめ侍る。


句;偶然遊女と一つ屋根の下に泊まることになった。男と女は、いわば空の月と萩の花のようなもので、不思議な妙味もあるものだ。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

合気道技法(16)

2010年02月16日 | Weblog
 植芝盛平翁 伝書

十六、 半身半立

受  左手で相手の右手横からとる

仕  右膝相手の後へ進め右肘で左膝押し倒し左手で左足頸掴む

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

奥の細道(20)  越後路

2010年02月11日 | Weblog
  柿衛本 「おくのほそ道」  越後路

酒田のなごり日をかさねて、北陸道  の雲に望。遥々(はるばる)の思ひ、むねを

いたましめて加賀の府まで百三  十里と聞。鼠(ねず)の関をこゆれば、越後

の地に歩行を改て、越中の国  一ぶりの関に至る。此間九日、暑湿(しょしつ)

の労に神(しん)をなやまし、病おこ  りて事をしるさず。

  文月や六日もつねの夜にハ似ず  (ふみづきや むいかもつねの よにはにず)

  荒海や佐渡によこたふ天川  (あらうみや さどによこたふ あまのがわ)


文月や句:初秋七月の季節となり、明晩が七夕だと思うと、今夜六日の夜もまた違った趣がある。

荒海や句:日本海の暗い荒海のかなたには佐渡ヶ島がある。そして澄んだ夜空には天の川が横たわっている。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

合気道技法(15)

2010年02月09日 | Weblog
 植芝盛平翁 伝書

十五、 半身半立

受  相手の右横から左手で右手とり右手で打ち出す

仕  引かれるまま右膝進め同時に斜に右手あげ相手の左手首を
    掴んで振りかぶり頭につける様にして左側にうち倒す

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

奥の細道(19)  酒田

2010年02月04日 | Weblog
  柿衛本 「おくのほそ道」  酒田

羽黒を立て、が岡の城下  長山氏(うじ)重行といふ武士の家に

むかへられて、俳諧一巻あり。左吉  も共に送りぬ。

川舟にのつて、酒田のみなとに  下る。渕庵不玉(えんあんふぎょく)といふ医師のもと

を宿とす。

  あつみ山や吹浦かけて夕すゞみ  (あつみやまや ふくうらかけて ゆうすずみ)

  暑き日を海に入たりもがみ川  (あつきひを うみにいれたり もがみがわ)

江山(こうざん)水陸の風光、数(かず)を尽して  今象潟(きさがた)に方寸を責む。酒田の湊

より東北のかた、山を越、磯をつたひ  砂を踏みて、其際(そのさい)十里、日影やゝかた

ぶく比(ころ)、しほ風真砂(まさご)を吹上、雨朦朧(もうろう)  として鳥海の山かくる。闇中(あんちう)に

莫作(まくさ)して、雨も又奇(き)也とせば、雨後  の晴色又たのもしと、蜑(あま)のとまやに

膝(ひざ)をいれて雨の晴るをまつ。其  朝(あした)天よく霽(はれ)て朝日花やかに

さし出たる躰に、象潟(きさがた)に舟をう  かぶ。まづ、能因嶋に舟をよせて

三年(みとせ)幽居の跡をとぶらひ、むかふ  の岸に舟をあがれば、花の上こぐと

よまれし桜の老木(おいき)、西行法師の  記念をのこす。江上に御陵(みさゝぎ)あり

神功(じんぐう)后宮の御墓と云。寺を干満  珠寺と云。此所に行幸(みゆき)有し

事いまだきかず。いかなる事にや。  此寺の方丈に坐してすだれを

捲(まけ)ば、風景一眼の中に尽(つき)て、南  に鳥海天をさゝへ、其の陰(かげ)うつり

て江にあり。西はむや/\の関路を  かぎり、東に堤を築て、秋田に

かよふ路はるかに、海北にかまへて  浪うち入る所を汐ごしと云。江

の縱横一里ばかり、俤(おもかげ)松嶋にかよ  ひて又異なり。松しまはわらふがごとく

きさかたはうらむがごとし。さびし  さに悲しびをくはえて、地勢魂(たましい)

をなやますににたり。

  象潟や雨に西施がねぶの花  (きさがたや あめにせいしが ねぶのはな)

  汐越や鶴はぎぬれて海凉し  (しおこしや つるはぎぬれて うみすずし)

   祭礼

  象潟や料理何喰ふ神祭  曾良

  蜑の家や戸板を敷て夕すゞみ  みのゝ国商人 低耳

   岩上に雎鳩(みさご)の巣をみる

  浪こえぬ契ありてやみさごの巣  曾良


あつみ山や句:温海山(あつみやま)を仰ぎ、吹浦(ふくうら)あたりまでも、大きな自然の景観の中で船を浮かべて夕涼みすることの快いことよ。

暑き日を句:暑い一日を最上川が海に流してくれたので、夕方になって少し涼味がでてきたようだ。

象潟や句:象潟(きさがた)の雨に煙る風景は、ねむの花に似て、あの美人の西施(せいし)の哀れなやさしさを想う。

汐越や句:汐越(しおこし)に降り立った鶴の足は、浅瀬の潮に濡れて、海も涼しげである。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

合気道技法(14)

2010年02月02日 | Weblog
 植芝盛平翁 伝書

合気道の人類本来の使命を遂行し全世界の家族的大和の指標たること。


十四、座り業 手

受  両手で相手の両手を掴む

仕  右手相手の右手の上に乗せ右方にはねて左手はづして右膝引き
    左手で相手の左袖引き倒す

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする