武産通信

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紅葉狩り びわ湖疏水船

2018年11月06日 | Weblog
 紅葉狩り 『びわ湖疏水船』

 この秋の史跡行脚は、京都から大津まで7.8kmの疎水を遡ること約35分、疏水沿いの紅葉を水上から楽しむ趣向である。
 琵琶湖疏水は、琵琶湖の湖水を京都市へ流すために作られた水路「疏水」である。総延長は12km。大津から南禅寺までの高低差は僅か4mしかない。明治18年(1885)、田邊朔郎(たなべ さくろう)技師により着工、同23年に開通。開通から数十年は、旅客、貨物を乗せる舟運として利用されたが、昭和26年(1951)に運行を停止した。
 蹴上の船を運んだ傾斜鉄道「インクライン」から旧御所水道ポンプ室(防火用水として京都御所に水を送る専用の水道施設)へ。疏水船に上船した後、日本最初の鉄筋コンクリート橋である第11号橋、山科の毘沙門堂の参道に架かる安朱橋の馬酔木並木や、鮮やかな朱塗りの正嫡橋。そして四ノ宮の舟溜から、全長約2.5kmの第一トンネル竪坑を通り、伊藤博文揮毫の石の扁額「気象萬千」がある第一トンネル東口を過ぎれば、そこは琵琶湖である。

 地下鉄の蹴上駅から南禅寺に抜ける歩行者用のトンネル「ねじりまんぽ」。ねじりまんぽは、アーチのレンガが螺旋状に積まれたトンネルのことで、正式には斜拱渠(暗渠タイプのアーチ橋)という。トンネルの中に一歩足を踏み入れた瞬間、引き込まれるような感覚になる。このトンネルの壁は、まるで奥へ渦を巻いているかのように螺旋状にねじれているのである。このねじれは、斜めに積み上げられたレンガによるもので、耐久性を上げるために斜めに積み上げられているという。
 南禅寺の水路閣は、疎水分線の一部として日ノ岡から北白川まで灌漑用水のために造られた。明治21年(1888)に完成。長さ93m、幅4mのレンガ造りの16連アーチの水道橋には琵琶湖の水がとうとうと流れる。橋脚のアーチは古代ローマの水道橋を想起させ、TVドラマなどの格好のロケ地となっている。

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