武産通信

東山三十六峰 月を賞で 雪を楽しみ 花に酔う

合気道開祖 植芝盛平語録

2021年04月18日 | Weblog

 東京の新宿駅から都電で若松町へ、旧本部道場に植芝盛平先生を訪ねる。植芝先生は大先生「おおせんせい」と呼ばれていた。
 木造平屋建ての道場は八十畳の広さがあった。道場から廊下を通って奥の間へ案内される。大先生は座敷机を前に座られていた。
 正勝吾勝勝速日について、大先生曰く、弛まず、怯まず、速きに勝つの心意気。つまり、信念を貫けということ。
 大先生のお話を伺っているとき、何となくこちらの腹の中を見透かされているような感じがした。
 「よし、演武を見せてやろう」

 合気道開祖 植芝盛平語録

 先生の仰ったことを清書されたものの中から、伊邪那岐、伊邪那美命と熊野八王子、天之村雲の九鬼さむはらの竜王の三柱が白滝神社に祀られておられるというのですが、私が調べたところ、先生が団体で白滝に入られるとき、建速須佐之男の神をお持ちになったと思うのですが。

 その通りです。天之村雲九鬼さむはらっていうのは須佐之男のご神剣やもの。それを速武産の大神と称えるのです。それは建速須佐之男の大神様やけれど、須佐之男の神様大海原を知ろしめに事依さし奉りと古事記にあるんです。大海原とも地球上のこと全部、大地のことです。それでその御厳にも形はないのです。熊野神社の域でこれをカム須佐之男の大神と顕現するのです。最初は建速須佐之男の大神であり、また治まってきて、全般に治まった折にはそれが弥勒の大神と顕現するのです。ですが、カン須佐之男とカミ須佐之男と顕れるのですよ。同じ神様です。

 全体全部を須佐之男の大神というのです。建速須佐之男の大神と最初いわれて、それで一般の方にはカミ建速須佐之男の大神と顕れているんです。それで、それを三つに分けまして、熊野三社に分けてます。天狗では速玉神社と奉って、 それから那智山ではやはり須佐之男の神様、そして本宮山ではやはりこれも 須佐之男の大神。須佐之男の大神は人気なんです。それでね、今の神主では絶対に解からんことを私知ってるから。それは大変なことですよ。本当の神様を奉るためですよ。

  「赤白玉や真澄玉 合気の道は小戸の神業」とこういう。赤玉ということは日本では豊玉姫の神様をいうてるんです。赤玉というのは呼吸の神様で、合気の道は小戸の神業です。小戸というのは禊です。禊は真の武道です。どういう訳でそういうこというかというと、「筑紫の日向の橘の小戸の阿波岐ヶ原に、禊祓いたもうときに成りませる神の御名」というのがあるんです。 これはどういうことかというと、地球修理固成の折に神様はこの伊邪那岐、伊邪那美の神と化身して顕れた。その折に伊邪那美の大神様は、火の神を産んで黄泉つ国に神去りたもうたという歴史があるんです。

 要するに穢れの国に行かれたということです。そこで、伊邪那岐の大神様はお迎えに黄泉つ国まで、醜女つ国までお迎えに行ったところ、穢れが多くて帰ることができぬ。そこで、歴史にあるように黄泉比良坂の戦いが起こるのです。穢れを祓うために。それで、祓い、祓いに行って、最後に千引きの岩の中においてことどを渡したもう云々、というところまでやってくるんです。桃の実を三個投げてマガツイクサを追い払う、邪気を追い払う。それで千引きの岩の中において、千引きの岩のことを何というかというと大和魂の練成であります。それを中において那岐、那美二尊、黄泉津大神と伊邪那美の大神様が、産屋を建てるということを誓うんですよ。そういうようなことがあるんです、歴史にね。

 この那岐は、草薙の剣といってるものは形のある剣で、ところが天之村雲の剣は、九鬼さむはらの竜王というものは他にないんです。これは形じゃないんです。須佐之男の大神様の魂の入っている剣であり、また須佐之男の大神様をお守りしている守護の神様なんですよ。大きいんですよ。世界を守る。何故かっていうと歴史にはちょうど須佐之男の大神様がお生まれになった折にやな、禊です。つまり今でいう通り、筑紫の日向の橘の小戸の阿波岐ヶ原の清浄において、云々、であり、第一番がけに穢れを祓うて、禊祓うた時に生まれたのが、衝立船戸の神様である。

 衝立船戸の神というのは、杖とも柱とも神様の直々の神様のやな、御守護なさる大官のことである。今の現在の大官も同じ。また神代の時代では神様の神様である。その神様までも穢れた世界になってから間に合うから、杖を投げ捨てた。その杖を投げ捨てたお蔭で、衝立船戸の神というのが生まれた。神様の杖とも柱とも、神様のご守護の御守護神である。その御守護神も穢れが多うて間に合わんという所以が今日の時代になってきた。それが書いてあるんです。それで、その次には十二神産んでいるんですよ。衝立船戸の神より辺津甲斐弁羅の神様が産まれるまでに十二神産んでいる。

 その他に天照大御神様と須佐之男、月読の大神様、三貴子を産んで、それは禊だから産まれてき たのです。これで十五柱の神を産んだんです。これで、初めてこの宇宙、営みのための糸筋の順序が立ってきたんです。その折の神様です、須佐之男の神様は。 須佐之男の神様は大海原ですから、世界中のことです。

 小戸の神業についての説明。中身は古事記に出てくる三貴子の誕生を語っているだけだが、この説明を聞いて私は初めて意味を理解した。小戸は伊邪那岐が禊を行った地名。つまり、合気道は禊技である。 (白滝村史編纂委員取材会見)

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