高江雅人  竹工芸職人の独り言  竹工房オンセ

高江雅人  竹工芸を初めて37年、徒然なる出来事をアップしています。

竹の訓練校が2年制になります。

2012年06月23日 07時10分15秒 | 竹細工

別府市にある、「竹の訓練校」
現在は「竹工芸訓練支援センター」という名称になっているが、判りやすくいうと、竹の職業訓練校である。
古くは、昭和13年設立と云うから、戦前から70年以上の歴史がある。
私も、ここの学校を28年前に卒業している。

全国でも、公共の職業訓練をする竹の学校は、別府にしか無く、全国から竹細工を学びたいと云う人が集まり勉強をしている。現在は、20人の定員で、毎年60人以上が、入校志願してくる。私が通っていた頃は、定員が30人で、当時は学校の裏に寮もあり、5人ほどが寮生活をしていた。
一番多い時は、2クラスで60人の定員の時もあったと聞くので、大変な盛況な時期もあったのだろう。

しかし、職業訓練と言うのは時代の流れを反映し、日用雑貨にプラスチック製品が出来だし、海外から安い竹細工が入って来るようになると、自然と国内生産の規模は減って行った。
それに伴い、竹細工の養成機関であるこの施設も、定員が30人から20人になり、この度、10人定員が変わります。

それに伴い、竹業界の有識者?の意見を聞きたいという事で、私も呼ばれて発言してきました。

Photo

現在の、定員20人、1年制から、定員10人、2年制に変更になります。

この制度変更は、時代に合った変革だと思います。毎年、毎年20人の卒業生が居ても、それだけの受け皿が竹業界には無いのです。卒業したばかりは、竹細工を続けていても、誰もが、竹細工で生計を立てて行けれるわけでなく、10年もすると、一人か二人しか、生き残っていません。
それと、竹細工の技術を身に着けて行くには、時間が掛かります。他の職業訓練より、アナログな要素の強い訓練になります。直ぐに結果が出てこないのも、こういった伝統工芸の訓練の特徴でしょう。
それならば、間口を狭めて、より深く勉強してもたってから、社会に巣立って方が、現実に適していると思います。

もちろん、今までよりは倍の時間があるので、習得する技術だけでなく、卒業後の生計を見据えた職業訓練のカリキュラムに変更して行かなければ為らないと思います。

昔は、「人より、より早く、より多く、より綺麗に・・・・・」と、作る事だけに専念して制作すれば良かったのですが、
現在は、良い作品を作ることは当たり前、その後の販路を作る事も同じくらいの大きさで、取り組んで行かなければなりません。
以前は、職人として良い物を作り就職すると云う道でしたが、今は職人として、また自分自身が経営者としてやっていかねばならないのです。

インターンシップなどの制度を使って、事業所の作業を直に体験してみる(もちろん、1日とか2日で表面的に、ちょこちょこっと見ていくだけでは意味が無い)とか、販売現場に実際に立ち会ってみるなど、現実の社会での竹工芸を知る訓練をして貰いたい。

定員が少なくなった分、入校時点での選考が、より重要になってくるが、少数精鋭で、本当に竹細工を生業として生きて行くという人材を作って欲しいものである。

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