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高江雅人  竹工芸職人の独り言  竹工房オンセ

高江雅人  竹工芸を初めて37年、徒然なる出来事をアップしています。

2009 後継者育成事業 5  メンバー紹介2

2009年11月23日 08時10分38秒 | 後継者育成

ウッチー

Cimg0980 ただ、ひたすら修行に励む、求道者の佇まいを醸し出すウッチー。以前は大手メーカーでサラリーマンをしていたそうだが、今は、スローライフを求め、一職人として修行に励む。

安い、痛んだ借家に入ったため、日夜、家の修繕に明け暮れているようだ。作業も、真面目に自分が納得しないと、次には進まないマイペースの持ち主、


Cimg0979しかし、まだまだ、竹細工職人になるには、修行が足らない。せめて、5本指の靴下の3本くらいが擦り切れるまで、修行しなくてはならないのだ!

ヤッサン

Cimg1077 彼も、求道者的な風貌である。几帳面な仕事をする。以前は木工職人として長野県に住んでいたそうだ。正確で丁寧な仕事ぶりは、以前の職歴から来るのか?本来の性格から来るのか?定かではない。

「木工仕事と竹細工では、如何違う?」と聞いてみると、「竹の場合は、弾力があり、木工の様な正確さは出ないが、すべて手作業と云う面白さがあります。」
Photo_2 真面目な顔が、時たまニコッと笑うとなんとも言えない優しい顔になる。

何となく、このお髭が似てるでしょ!


ヤマちゃん

Cimg1075 初日に、割り剥ぎのしにくい、粘い竹が当たり、意気消沈。女性にしては、スピードがあるのだが、雑な仕事がトレードマーク。もうちょっと、丁寧にしてね!

生徒に教える時には、いろんな失敗をすることを想定するのだが、期待に沿った失敗をしてくれるのが、彼女だ。でも、さっぱりしている性格で直ぐに立ち直ってくる。メゲナイのが彼女の身上だ。

Photo_3 「元気があれば、何でもできる!」
そうです、この明るさと元気があれば、何でもできますから、頑張ってね!

チャンチャン


竹工房オンセ  竹バッグ  竹箸  名入れ箸 

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後継者育成事業 4

2009年11月22日 18時16分00秒 | 後継者育成

後継者育成事業も、前半戦が終了し、昨日から後半戦の三日間に入った。

始めは、「どんな先生が来るのか?」と疑心暗鬼になっていた生徒の表情も随分笑顔が出てくるようになった。

今年のメンバーは、一人を除いて、「真面目!」の一言である。授業時間中も、ほとんど私語を話す事は無く、もくもくと作業をしている。昨年は、賑やかな女性陣が多かったので、それに比べると、随分静かである。

メンバー紹介  ユキちゃん

Cimg1086 「一人を除いて」と云うのは、もちろんユキちゃん。
これほど、天然ボケしているのも珍しい。

Photo 犬の後姿は何処と無く、とぼけていて、哀愁がある。
こんな感じに見えません?

ご存知、このブログにも何回か?登場の、あのユキちゃんです。大阪から、試験に受かる前から、引っ越してきてしまい、「恐らく、私はトップで合格でしょう?」と妙な自信を持って居たが、ぎりぎり合格の現実を知って唖然!crying

今回も、真面目なメンバーの中で、一人、お惚けが回りを和ませています。

ヨッシー


Cimg0981 暑がり屋さんで、少々寒い日でも、半袖で頑張っている。
真剣な顔で作業をしているが、「一生懸命やるのだが、何処と無く、間が悪い」。素直な人柄は誰からも信頼され、好かれているのだろう?


Cimg1089 しかし、問題はこれだ!

いつも、「半ケツ」を出している。若い可愛い女の子の半ケツは、見ても良いが、この男の「半ケツ」は見たくない!
まして、暑がりのくせに、こんなカイロを尻から覗かせていた。

イッシー

Cimg1076 今回のメンバーの中で一番遠くから通っている。県南地方から、朝、5時に家を出て、電車でやってくる。軽いノリと誰にでも、すぐ打ち解ける雰囲気が売りである。

朝5時に家を出るのに、ちゃんとお弁当を自分で作ってくる。マメである。

Img_1437027_32435892_4 先週は、そんな朝早くに、交通違反で警察に捕まり、随分凹んでいた。その性で、作業も集中できず撃沈。性格は至って温厚なビーグル犬って感じかな?

チャンチャン

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2009 後継者育成事業 3

2009年11月16日 08時07分28秒 | 後継者育成

後継者育成事業三日目。
前日、下染めまで全員が進んだので、ちょっと一安心?
「このペースで行けば、完璧だ!」    
と思ったのだが、世の中はそんなに甘く無い!

Cimg1014 朝から、バックの編み方に入った。「午前中に底の部分を編み終わり、午後から立ち上がって行けば、充分、余裕を持って出来るだろう?」と計算していたのだが、底編みで思わぬ時間が掛かってしまっている。

Cimg1016 通常、私たちが底編みするのは、20分~30分くらいである。立ち上げる所になると、熱を使って曲げたり、角の所の編み方が難しくなるのだが、「底編み自体は、それほど難しい事は無いだろう!」と高を括っていたのだ。

ところが、実際は午前中で終わるどころか、2時になっても3時になっても、立ち上げに掛かれない。「んー、困った!」

今日のうちに立ち上げまで教えて置けば、次の事業まで、1週間余裕があるので、家でゆっくりと最後まで編み上げて貰うつもりでいたのだ。

3時から、ようやく、立ち上げの「コテ曲げ」に掛かる。しかし、無常にも時間はどんどん過ぎて行く、このまま、中途半端なまま、授業を終わり、「次週までに編み上げてくるように!」と云うことにしたら、恐らく来週、編み上げて来た作品を見て愕然とするのは目に見えている。

急遽、別府でアパート住まいしている、生徒の一人「ヨッシー」の部屋を借りて、延長授業をすることに!

Cimg1022 こんな特別授業は始めてである。

立ち上げの部分は、網代編みの中では、一番神経を使うところで、この部分を見れば、素人細工か?職人の仕事か?ひと目で判る所である。

どうしても、中途半端な形では教えたく無かったので、生徒にも無理を言って、延長授業したのだ。

これで、来週、編み上げて来た篭を見ても、ガックリすることは無いだろう?   かな?

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2009 後継者育成事業 2

2009年11月15日 06時07分17秒 | 後継者育成

後継者育成事業、二日目。


Cimg0927 先週の土曜日に、同じ会場で、指導していた「大橋君チーム」は、ゆったりとしたサロンの様な雰囲気なのに、何故か私のチームは、血を流しながら、黙々と作業をしている。


「たこ部屋チーム」と名付けよう

「サロンチーム」と「たこ部屋チーム」ではえらい違いである。

一週間経ち、昨日は2回目の授業になる。メンバーも、初日の緊張感から少し肩の力が抜け、表情も穏やかで笑顔が出ている。少し、慣れたのかな?

午前中に、ほぼヒゴ取りを終え、午後からは一回目の下染めである。

Cimg0994 お湯を沸かし、染料を溶かし込んで行く、ベースになるのは、茶色の染料であるが、茶色だけでは深みのある色が出ないので、その上に青色の染料をかぶせて行くのだ、

これで、やっとチョコレート色になってくる。

さて、全員が下染めまで揃ったので、今日から、編み始める事になるのだが、どうなることやら?

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2009 後継者育成事業 1

2009年11月08日 08時47分18秒 | 後継者育成

別府市にある伝統産業会館で、毎年、竹の訓練生に向けて、現役の職人が技術指導をする授業がある。やはり、学校で習うことと、産業現場ですることには大きな違いがある。

もう来春には学校を卒業して現場に出ていくには、学生の気分から、現場の空気を少しでも知っておく事は、彼らにとっても良い機会である。

ヒゴの置き場所一つから、指導することになるのだが、一つ一つの動作から無駄な動きを省いていかないと、効率の良い、生産性のある作品作りなど出来る物ではない。

昨年は、最初の二日間が、土・日と続いていた為、二日間掛けてヒゴ取りを指導できた。しかし、今年は、学校行事の関係で、(8日、学校の技能際のため)、土曜日一日で、ヒゴ取り (竹磨き・割り込み・竹割り・竹剥ぎ・巾取り・面取り・銑引き)を一通り、駆け足で教えなくては為らなかった。

ふつう職人仕事としては、一日で300本~400本くらいは網代のヒゴを取るのであるが、果たして、今年の生徒はどれくらい取れるのだろう?

Cimg0925 竹磨きから材料取りが始まる。朝一番なので、全員が元気もあり「頑張ろう!」と云う意気込みが伝わってくる。

この竹磨きが、なかなか曲者で、磨きが悪いと最終的な作品の艶に答えが出てくるのだ。それと、網代のヒゴは厚さ0.38ミリと薄いので、この磨きで表面に傷を付けてしまうと、ヒゴが折れてしまう。

屋外から、2階の作業場に上がり、竹の割り剥ぎの指導をする。生徒のヒゴを見てみると、ところどころ、赤く血が付いている。

初めての授業で緊張しているのか?肩や肘に無駄な力が入っているのだろう。6人の内、もう、3人が切り傷を負っている。

「競争では無いので、慌てなくても良いから!」
「怪我をしない様に!」

つづく

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2009年 後継者育成事業

2009年11月07日 06時32分24秒 | 後継者育成

今日から、2009年度の「後継者育成事業」が始まりだ。これは、伝統工芸品である「別府竹細工」の技術を、後から続く人たちに伝えて行く授業で、我々現役の職人が、現在、竹を勉強中の訓練生に教える授業である。

カリキュラムは、土・日で3週間の合計6日間で一つの作品を材料取りから仕上げまで、一通りの作業を指導する。

1日目は、竹磨きからヒゴ取りまでやる予定である。毎年、生徒に話しているが、最初の仕事の結果が最後に出てくる。これが、面白いところで、一番最初にする、竹磨きの良し悪しは最後の漆を塗った時の艶に現れてくる。

「急がば回れ!」どんな仕事にも言えることですね!

反対に私が25年前に教えて頂いた時には、花篭の第一人者の梶原先生であった。当時の私から見ると、業界の重鎮で、随分年を取っている様に感じたのだが、良く考えてみると、丁度50歳くらいの働き盛りのお年であったのだ。早いもので、自分がそんな年になってしまった。

「山路編みの花篭」を教えて頂いたのだが、花篭の口から手が入れることが出来ず、最後の籐飾りを同僚にして貰った。梶原先生が「今までに何人も教えて来たが、手が入らなかったのは高江君だけだ!」と25年経った今でも言われる。
それも懐かしい思い出である。

昨年の後継者育成事業はユニークなメンバーばかりで実に楽しかった。

http://once.blog.ocn.ne.jp/ajimu/cat7455367/index.html


さて、今年はどんな結末になるのかな?



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交流会

2009年03月07日 08時25分57秒 | 後継者育成

37_038昨年、後継者育成事業で教えた生徒たちと約束があった。「卒業するまでに、もう一回集まって飲み事をしましょう」と。その約束とあわせて、大阪から来ている「お惚けちゃん」を交流させてあげたかった。昨日はその他にも、彼らの同級生や竹の試験場の研修生も増え、賑やかな集まりになった。もう一人、飛び入りで、みんなより9年先輩になる中臣君も参加した。私を含めると全員で13人。

私が訓練校に行っていた年も結束が強く、25年経った今でも同窓会をしている。

3月13日が卒業式、来月から、それぞれの進路に進む。お酒を飲みながら、だんだんとエンジンが掛かってくると、話も弾む。37_025その中で中臣君が「自分も学校を出てしばらくは、稼げなくて、家賃が払えず何回止めようか?考えたものです。しかし、それを過ぎると腹が据わって乗り越えていけるようになった。」と言っていたのが印象的である。その彼も今では、世界的に活躍するようになっている。

宴会の途中の余興で「お椀回し!」

37_034

37_030

この二人が優勝。

37_036

もう一息だったのがこの子、

37_001

今回も幹事役でお世話になった鈴木君、今日は和服が決まっているね!

世代を越え、経験年数を越え、楽しい時間をすごさせてもらいました。皆さん、頑張ってください!

竹工房オンセ

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先輩職人からの提言

2009年02月18日 11時17分38秒 | 後継者育成

昨日の午後は、別府の竹工芸訓練支援センターでの研修生に向けて、先輩職人として、講義をすることになった。ここの研修生というのは、竹の学校で1年間、職業訓練をした後、選抜試験を受けて、本格的な竹細工を学び、中堅技術者コースの生徒になった人達である。

竹の学校の卒業生20人の中から、選りすぐられた生徒たちである。しかし、現実は厳しいのだ。来月3月には、もう卒業しなくては為らない。その時点で、自分の技術と経験の中から自営業のスタートをきる事になる。

217_0093時間の講義で、私はなるべく評論家の様な、抽象的な話はしない事にした。具体的な数字を上げて、今まで私が経験してきた事・失敗してきた事・うまくいった事・その中から得られた事をなるべく忠実に話した、また、コンサルタントの様に傍から見ていて、分析をしたり第3者的な見方ではなく、私も現在進行形で、経営の最前線でもがいている、同じ職人としての立場で話した。

内容まで、書いていくと3時間物のCDが出来上がってしまうので、ここでは省略。

果たして、何処まで、話が通じたのか?疑問であるが、彼らがこれからどうやって、自分の作品を世の中に出していくのか?

もがき、あがき、苦労すれば苦労するほど、力となって蓄積されて行くのだが、失敗を恐れず頑張って貰いたい。

竹工房オンセ

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後継者育成事業 8  心の通った6日間

2008年12月10日 07時56分01秒 | 後継者育成

最終日、作業を終えた後、全員で別府の居酒屋で打ち上げである。別府駅前から、少し入った所にある「うれしや」。日曜日というのに満席だある。ここのシステムは、ケースに並んだ、おかずの皿を自分で持ってきて食べる。温かい揚げ物などは、注文すると揚げたてを持ってきてくれる。出てきた料理はどれを食べても家庭的な美味しい物ばかりである。特に煮魚が美味しかったな!値段は、びっくりするほど安い。3時間以上、飲んで食べて騒いで、いざ、お勘定の時に、一人3000円であった。

飲みながら、この6日間を振り返る。最初にみんなからプレゼントを頂いた。

Pim0090 実に心のこもったプレゼントだ。この寄せ書きは大事に大事にしますね!

話を聞いていると、この1ヶ月間を振り返り、みんな、「朝方5時くらいまで、家でヒゴ取りをしていた」とか、「夜、興奮して眠れなかった」とか、本当に苦労して私の授業について来たのだ。苦労に苦労を積み重ね、完成できたバッグである。今日の乾杯のビールがどれほど美味しい事か!

私もこの寄せ書きを見て、思わず涙が出そうになってしまった。

「全員の一生懸命の気持ちが伝わってきたので、こちらも課題以上の事を教えてあげたい!」と思わされる6日間であった。心と心が繋がった6日間であった。

打ち上げで、6日間のみんなの感じた事、これからの将来の事、……たくさん聞かせてもらいました。最後に、「物を作ることの楽しさを教えて頂きました。」と言われたときは、私のこの1ヶ月に渡る苦戦が、すべて解けて無くなってしまいました。

こちらの方こそ

「ありがとうございました!」

竹工房オンセ

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後継者育成事業 7 最終日

2008年12月09日 08時36分20秒 | 後継者育成

長いようで短く、あっと言う間の6日間であった。最終日は、前日の土曜日に夜8時近くまで、仕事を追っていたので、比較的、余裕を持って心にゆとりもあり、全員が和やかな笑いの耐えない一日になった。朝も、ゆっくりと10時に集合。残念ながら、木崎君は風邪の為、欠席である。

まずは、昨日塗った漆の下地の確認。塗っているときは殆んど解らない塗り斑が、乾いてみるとはっきりと解る。やはり、本格的な下塗りと仕上げの2段階に分けて塗らせたのは正解であった。塗り忘れがあったり、溜まりがあったり、濃い所、薄い所と実に斑に塗ってある。少し削って、修正をした後、全員が完全防備の用意をする。

127_004 とても、竹の実習とは思えない格好だ。何処ぞのメンテナンス会社の掃除婦さんのようだ。

漆に負けない様に細心の防備をして、仕上げの漆と蝋付け作業を行った。午前中で、課題作のすべての作業は完成。これで私も最低限のノルマは指導でき一安心である。

「ここに、辿り着くまで、どれほどの山あり、谷あり、であったであろうか?私も、夜な夜なうなされる日が随分続いたものだ。

午後からの講義は、もう一つづつ、余分に作っているバッグの完成を目指して作業に励む。規定の作業以上の事なので、私は至って気が楽になっている。夕方5時まで、みんなで頑張り、ほぼ、完成に近いところまで作り上げた。出来なかった人は宿題だ。この後の漆の作業は、特別延長授業ということで、日を改めて行う事にした。本日は5時で切り上げ、全員で別府の居酒屋での打ち上げだ!

127_006 出来上がったバッグを持って記念撮影!パチリ。

「んっ、あれっ、あれだけ完全防備の格好で漆塗りをしたのに、まだ、生乾きのバッグをみんな素手で持っているぞ???大丈夫かなー?」

竹工房オンセ

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後継者育成事業 6 メンバー紹介2

2008年12月08日 17時19分11秒 | 後継者育成

Photo アルマイニ豊田  

「青春だね」「青春だね」が口癖で、近所のおばさんが集まった時の様な、人のゴシップ話が大好き。

作業中に「アッ」とか「キャッ」と、いつも奇声を発している。「何があったのか?」と見てみると大したことは無い、口癖なのだ。「そんな事は有るまいに!」の思いからアルマイニと名付けた。作業は奇声を発しながらも、何とか付いて来ている。私もついつい手助けしたくなるが、手を出し過ぎるとまた意味が無いので、我慢我慢である。

「頬杖をついている息子の姿を見るだけでうっとり」と家庭的な可愛いキャラクターである。

1115_0161 グラッツェ宮本   

歌を歌わせたらプロ級、テレビのCMソングを録音したことがあるそうだ。

今回一番、やる気満々。以前に工房見学に来た時から、バッグを作れることに並々ならぬ情熱を燃やしている。

仕事にも勢いがある。最初に竹磨きをさせた時は、男の人以上に頑張るので、最後には「足ががくがくしている」と言っていたのが印象的だ。全体に段取りの良い仕事ぶりは、一番手が掛からなかった。「段取りが良い」と言う事が職人には一番大切である。

言葉は少な目であるが、細かい所に気が付く。優しそうな彼氏と一緒にパルコの実演場にやって来た、「こんな娘は良い嫁さんになるぞ!」

Photo_2セニョリーナ 松田

物静かで殆んど喋らない大和撫子という感じだ。話を聞いてみると、何とこの娘は、私が竹の学校の生徒の時、教えて頂いた恩師の「松田先生」の姪御さんになるらしい、世の中狭いものだ。

言葉が少ない分、丁寧な仕事を淡々とこなして行く。焦ることも無く、のんびりしてる事も無く、自分のペースなのだ。でも、宿題を出すと必ず其処まではやって来ている。恐らく、人に見えない所で努力しているのだろう。以前は広告代理店で、チラシの構成や撮影などをしていたそうだ、おとなしくいつも無口な彼女が、お酒が入ると少しずつ本音を出してくる。明日の、打ち上げが楽しみだ。

竹工房オンセ

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後継者育成事業 5 メンバー紹介1

2008年12月08日 15時09分45秒 | 後継者育成

後継者育成事業とは、別府竹細工の組合の事業として行っている。竹の技術を若い後継者たちにつなぐ為、伝統工芸士が交代で講座を開いている。一般のまったくの素人には教えない、ある程度、竹の割り剥ぎや基礎技術が付いている竹の学校の生徒や、次の学校の竹の試験所の生徒に教える授業である。

一人の講師が、5から6人の生徒に教える。3週間の土・日を使って、合計6日間である。今回、私の講座に参加したメンバーを紹介しよう。

1130_012ゴルゴンゾーラ鈴木    静岡出身

大きなタッパのお弁当が印象的だ。頭の形が良く坊主頭が実に良く似合う。頭の中身は?サーファーで相撲好き。

元気の良い青年で、体を動かす事が大好きで、竹を割ったり、ヒゴ取りをするときは生き生きしていた。しかし、一転して、籠を編み出すと急に意気消沈、うつむき加減で中々進まない。また、最後の漆塗りになると、実に手つき良く丁寧に塗っている。「手つきが良いねー」と褒めると、「サーフィンのボードにオイルを塗るときと一緒なんですよ!」とニコッと笑う。

出来上がったバッグを、「来年成人式の妹と、もう一つ出来たら母に贈る」と可愛い事を言う。

1130_011セリオ 木崎

几帳面で真面目な青年だ。言葉少な目の中に秘めた闘志が燃え上がる。無口で、ひたすら真面目に作業を進める、自分の世界に入り込んでいるようだ。

「2週目までに全員ヒゴを作って用意してくること!」と宿題を出して置いたら、1本1本のヒゴをテープで止め、柿渋を塗ってきた。他の生徒たちから「木崎ワールドだ!」と感嘆の声が湧き上がっていた。しかし、作業が進むに連れ、柿渋が段々剥がれたり、どうも失敗したようだ。第3週の講義の時は、それまでの無理が祟って寝込んでしまった。

今回のバッグは愛を込めて、彼女にプレゼントするようだ。

122_011_2

ボンジュール鶴岡   フランス在住

ソムリエの資格を持つという、変り種の生徒である。几帳面な作業だが、ヒゴ取りは大の苦手。しかし、編む事になると、俄然頭が冴える。ゴルゴンゾーラ鈴木とは好対照である。

技術は遅々として進まないが、おしゃれな感性で、課題のバッグの他に、小さな上品なポシェットを作っている。

来年はまた、フランスに住むそうだ。将来はフランスの金持ちに竹籠を売り込んで一儲けを企んでいる。その後、フランスから世界へとますます夢は膨らむばかりだ。 竹籠による世界征服の野望を持っている。

竹工房オンセ

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後継者育成事業 4

2008年12月07日 05時33分47秒 | 後継者育成

いよいよ、後継者育成事業の方も最後の週になった。前回まで少し遅れ気味であるが、何とか今日中に漆の下塗りまでやってしまいたいと、切に切に、希望している。が、朝、起きてみると、家の回りは雪で真っ白である。    アッチャー!   昨日の天気予報では寒波が来ると言っていたが、その通り、夜中の間に雪が降り出したのだ。めったに当たらない天気予報がこんな時ばかり、ピタリと当たるのである。

122_008 朝、6人が車に乗り合わせ、近くまでやって来た。私も国道まで迎えに行き、先導しながら工房に全員集合。 彼らにとっても、一生の内忘れられない、シチュエーションになる事だろう。

122_009 9時から作業開始、みんなの目の中にメラメラと燃え上がる炎が見える。「全員やる気満々である。」真剣な眼差しで、作業に取り組んでいる。

午前中に何とか縁の仮留めまで進んだ。午後からは、仮留めを籐に締め直し、四隅の足を取り付ければ、最後の漆の塗装まで出来る。

しかし、あまりにも過酷な作業に一人倒れ、二人倒れ、壮絶な痕跡を残している。「ここは戦場だ!屍を乗り越えてでも、目標の作業まで辿り着くのだー。」と、全員に激が飛び、竹の鞭がしなる。

みんなの熱い希望で、残業をすることになった。下地漆を塗り終わった時は、辺りはすっかり闇に包まれれ、8時近くまで掛かってしまった。

全員、無事帰る事が出来たのだろうか?

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後継者育成事業 3 ジレンマ!

2008年12月01日 06時07分11秒 | 後継者育成

後継者育成の第4日目。全部で6日間しかないので、何としても、4日目の時点でバッグの縁の仮止めまで追い込めると良かったのだが。残念!  

Photo 前回、ヒゴ取りの時は猛然と頑張り、生き生きしていた「S」君は、今回の編組に入ったら、「青菜に塩」の様にシュンとしてしまった。 ヒゴ取りの時は「来年、妹が成人式なので、作品が出来たら妹にプレゼントします!」「お母さんにも作ってあげたいな!」と3個も4個も作りそうな勢いであったが、今週になると「一つ出来れば良いです。 トホホ」となってしまった。

Photo_2 真剣な眼差しで作業をする生徒たち。今までの人生の中でもこんなに頑張っているのは珍しいのでは?

6人の生徒の作業を見ていると、本当に寝る間も惜しんで頑張っているのが伝わってきます。しかし、現役の職人の仕事と比べると5倍から10倍の時間が掛かってしまう。私も、自分でやれば直ぐ済んでしまうのに、遅々として進まない作業にジレンマを感じつつ教えるのだ。考えてみると、23年前に私が教えて貰った時には、逆にそう思われていたものだ。  昨日、私が生徒の時に教わった「梶原先生」が顔を出してくれて冷やかされた。相変わらず、「君は籠の口から手が入らなかったな!」とまた、言われてしまった。

次週の土・日で仕上げまで、何としてでも持っていかなくてはならない! うーん、ジレンマ!

竹工房オンセ

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後継者育成事業 2

2008年11月30日 05時05分53秒 | 後継者育成

29日、30日と第2回目の後継者育成事業として、別府の「伝統産業会館」での実技指導。先週の土・日が私の都合で出来なかった為、1週間の空きがあった。そのお陰で、生徒には充分なヒゴを取る時間が出来、かえって良かった様だ。それでも、聞いてみると、「昨日は夜中の2時までヒゴ取りをしていました」「学校の休み時間にも、ヒゴ取りをしました」などなど、相当頑張っているのが伝わってくる。

本来であれば、1個だけ作品を完成させれば良いのだが、並々ならぬ全員の意気込みに押され、「余裕のある人はもう一つ作れば良いよ!」と優しい気持ちで言ったのが大間違い。全員が2個作る気持ちになっている。アッチャー!    実際、1個作るのでも6日間で精一杯という所だ。生徒の尻を叩きながら、手助けをしながら指導していく。

1130_001 一人面白い事をして来た生徒がいた。朝30分遅刻して現れた彼は、申し訳なさそうに「遅くなりすみません」と誤る、理由を聞いてみると、一つの籠を作るのに100本以上のヒゴが要るのだが、その1本1本のヒゴに柿渋を丁寧に刷毛で塗りこんで来たのだ。そのヒゴが紙に引っ付いて中々取れなくて遅くなったと言う。  本人は大失敗したつもりでいるが、ヒゴを見てみると、艶のある面白い風合いが出ている。案外、仕上がったらどんな表情をするのか楽しみである。

1本1本のヒゴに引っ付いた紙をナイフでこさぎ落としている「K」君。この時の彼の心境は「トホホ!」である。

しかし、「瓢箪から駒」と言う言葉がある様に、この失敗が、彼の人生を大きく変える出来事に成るかも知れない?

折り返し地点の半分の日程が終わった所で、何とか、予定より少し遅れで進んでいる。全員のやる気が伝わってくるので、こちらも精一杯の指導をしたいと思う。

後半も頑張って行きましょう!

竹工房オンセ

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