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高江雅人  竹工芸職人の独り言  竹工房オンセ

高江雅人  竹工芸を初めて37年、徒然なる出来事をアップしています。

日本橋三越 7

2007年07月09日 05時55分25秒 | 職人仲間

_012_4 無事、三越の職人展も終わり昨日はぐっすり眠れました。

 三越の「職人展」は7月の夏と、年末年始の冬との2回の開催である。担当者から、冬の職人展にも、参加要請があった。しかし、仕事を優先すれば二つ返事で了承すれば良いのだが、やはり、仕事以上に家族との関わりを優先したい。まだ子供が学生であり、お正月には家族揃って一緒に過ごす、特に二人の子供が不便な寮生活をしているので、年に数回しか家族が揃う期間が短いのだ。

そんなこんなで子供が学生の内は、家族揃って正月を迎える事を大事にしたいと思っている。何を優先するのか?その時その時に迷いながら、優先順位を付けていくしかない。

77_004 最後に登場は、私の売り場の隣り、岡山の麦わら帽子を作る「石田」くん。丁寧な接客と、実演でミシンをダッ、ダッ、ダッ、ダーとかけ出すと人が集まってくる。女の人は帽子が好きだねー、奇麗な奥様も、どんなにしわしわになったお婆ちゃんでも、真剣な顔をして鏡を見ている。女の人の美に対する思いは永遠なんだね。  

この、「今日もバッチリ」とサインを出してくれたので、この写真で今回の三越職人展を締めくくろう。本当にたくさんのお客様の御来店ありがとうございました。

竹工房オンセ

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日本橋三越 5

2007年07月08日 04時55分25秒 | 職人仲間

77_010 実に怪しい、あまりにも怪しい二人である。

一人は企画会社の「小山」さん、毎朝、無い知恵を絞って、朝礼で一言の薀蓄を披露する。しかし、実務の裏づけが無いので、言葉が薄っぺらだ。もう一人が、今回の三越の職人展担当の「金子」さん。職人仲間からはねずみ年生まれなのに、「かねこ」の「ねこ」を取って「ネコ」さんと呼ばれている。実に良く動いてくれる、この人在っての「職人展」であろう。デパートの担当者で私が良く引き合いに出すのが、渋谷東急の津田さんであるが、この金子さんも出店業者からすると、無条件で支持してくれるデパートの中の人だ。こまめに会場内を歩き回り、一人一人と深いつながりを持っている。仕事がやり易いように!上から押し付けるような素振りはまったく無い。デパートと業者の対等の関係を守ってくれる、数少ない催事担当者である。

77_016_3 毎年1回、この日本橋三越でしか会えない業者もいる。そんな中、いつも1回だけ集まって杯を交わすメンバーがいる。年齢的に言うと、職人展の中には長老的な存在のグループ、その下に中堅どころが集まった50台後半のグループ、その下の「中の下」という感じの集まりである。靴屋の杉浦君、銅器の島倉君、濫胎漆器の井上さん、しな織りの石田さん、私、今回始めての参加は北海道の帽子屋さんの高橋さん、みんな、真面目な連中である。

77_017 今回も一年ぶりの杯を交わすに当たり、この一年で感じたこと、また、これからの夢などを一人づつ話していく、みんなも決して茶化すことなく、最後まで聞いている。途中で割り込んでくるのは靴屋の杉浦君だけか?

こんな、真面目に仕事や生き方を語り合える集まりも珍しい。三越の社員の「高橋」さんも参加して、楽しい時間を過ごすことが出来た。来年もまた、このメンバーで集まることが出来れば幸いである。

77_021解散間際、「金子」さんが乱入、飲み放題の人員に入っていないのに、一緒になってタダ酒を飲んでいた。

最後に一年を感謝してみんなで記念撮影!

竹工房オンセ

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家庭画報

2007年07月07日 03時45分59秒 | 職人仲間

Pim0004_2 日本橋三越の催事場に来られたお客様に「家庭画報に載っているのはどれですか?」と問われた。「エッ」一瞬何のことか?判らなかった。(私は7月3日から、出張中のため、家に届く郵便物を見るのは出張から帰ってからだ。)実は昨日あたりから、全国の家庭画報愛読者40万人に「2007家庭画報ベストセレクション」という100ページくらいの冊子が配られている。その中に私のバッグが載っている。特に今年は家庭画報用に作り込んだ、「時代篭」がひと際目を引く。

お客様がそのページを切り取って「この篭はありますか?」と。やはり、メディアの反響は大きい。特に家庭画報のような歴史も信用もある一流紙では尚更だ。結局、この「時代篭」の現品は無いので見ていただくことは出来なかったが、お話しているうちに、どんどん気持ちが入ってこられ、最終的には最高級品の「波網代のA-4サイズのバッグ」をお買い求めいただいた。たいそう気に入って頂き、持ってみえた自分のバッグをデパートの紙袋にいれ、竹のバッグを早速提げてお帰りになると言う。良い作品に出会えた喜びと、この場での私との遣り取りを本当に喜んで頂いた。ありがとうございます。

今回、感心するのは、日本橋三越の本店長が会場内やデパートの中を実に腰を低くして(威張ったそぶりはまったく無い)よく歩いている。お客様に売り場を聞かれると、一販売員として、丁寧に説明している姿を何回も見た。踏ん反り帰って、偉そうに歩いている店長もたくさん見受けるが、三越の本店長が一般社員と同じ目線で接客しながらデパート内を巡回しているのは、私達、業者から見ても好感の持てる姿勢だ。

Photo_66この人が本店長ではない。この人は単なる徘徊者。訳の判らない駄洒落を言いながら、店内をうろついている怪しいオッサンだ。今回の「職人展」の催事を担当している企画会社オープン・ザ・フィールドの「平野」社長だ。たんたんとしていて気負ったところがないと言うか?何にも考えていないというか?   でも、人を裏切らない、威張らない、職人の気持ちが分かる、目立たないが黒子に徹した信頼の置ける社長だ。会社の名前もただ単に「平野」を駄洒落で英訳した名前だそうだ。駄洒落のレベルはたいしたことはない。

今回の三越での「職人展」も、三越の担当者の「金子」さんと、最初は片隅の小さな場所からスタートして、今では本店大催事場を目一杯使うほどの名物催事に育ててきたのだ。何にも考えてないような顔をしても、やることはやっているのだ。これからも我々のサポートを宜しくお願いしまっせ!

それと7月7日、今日は私の大親友「恵文」さんのお兄さんの誕生日だったなー。何故か?7-7と語呂が良いので覚えてしまった。お元気でやってますか?オメデトウさん。

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日本橋三越 4

2007年07月06日 00時25分24秒 | 職人仲間

_022_2 山形県、「しな織り」の石田さん。しな織りというと沖縄県の芭蕉布、静岡県の葛布と共に日本三大古代織りと言われている。しなの木の樹皮をはぎ、乾燥させ、煮て、洗い、糸にして、機織する。此れも本当に手のかかる工芸品である。彼はそのしな織りの職人さんではなく、しな織りを使って、帽子やバッグ、反物、タペストリーなどなどをデザインしするプロデューサーなのだ。手間隙がかかりすぎ、埋もれてしまっていたこの「しな織り」を現代の生活の中に蘇らせたいと孤軍奮闘している。

石田さんとは年も近いことと、うちの竹バッグのお客様と非常に顧客層が似通っていることから、よく情報交換している。考え方も、

「工芸品がいかに貴重なものであっても、その価値を認めて代価を支払ってくれる人がいなければその技術は後世に伝わっていかない。価値を認めてもらうには付加価値の高いものを作り、作る人が誇りに思える環境を整える必要があるように思う。そして、いくら優れた製品であっても流通に乗らなければ価値を生まないことも肝に銘じており、作るだけでなく販路を開拓することも重要である。」

_023_2 こんな考え方は非常に共通している。今年は新しいメンバーも増えて、女性の職人さんを連れてきていた。素朴な、魅力的な女性である。まだ、ほとんど話したことが無いのでどんな人か判らないが、間違いない人だろう。

_026_2久留米の「濫胎漆器」の井上さん。見て下さいこの人のよさそうな顔。「なんば、言いよっとですかー?」と博多弁がどんどん出てくる。「濫胎漆器」というのは、読んで字の如く、濫とは、篭の事です。篭をお腹の中に孕んだ漆器です。竹で作った篭に漆を塗り固めていく作品が濫胎漆器です。

井上さんとは同じ九州ということもあり、年に何回か?御一緒することがある。この人は何処の出張先にでも、折りたたみの高級なフランス製の自転車を送って、朝早く走り回っている。お酒は一滴も飲まないのに付き合いが良いから、飲みごとには必ず一緒に参加してくれる。飲んで無い人よりよく喋るが!博多弁が聞いてて面白い。武田哲也の「母にささげるバラード」の世界だ。

竹工房オンセ

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日本橋三越 3

2007年07月05日 06時37分08秒 | 職人仲間

_028_6 出店業者58社と言うと、催し物の規模としては最大級である。その為、ここでしか会えない方も沢山いる。ブラシ屋の「榎本」さん、この人と会うのも1年ぶりである。以前、「大学生になった息子に、大学在学中、毎日、毎日、絵手紙を出し続ける男」として紹介したことがある。継続は力なり で、その絵手紙も1400通を越えたそうだ。何気なく、平凡な駄洒落しか言わない変なオッサン_029_2に見えるのであるが、人は見かけによらず、何処にどんな思いを持って生きて いるのか?判らないから、世の中面白い。今日は彼の手紙のイラスト部分を撮らせて頂いた。2050年になった時の「ヤンキーズ・マジイ」と「マリナーズ・ジジロー」だそうだ。今から40年後の時事評論をしながら、ヨボヨボになった二人のイラスト。こんな絵手紙を実演の合間をぬって、こそこそと書いている。彼にとっては、今回のように朝から晩までヒッキリなしにお客様が来る所では、この絵手紙が書けないのでちょっと困っていた。

竹工房オンセ

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職人仲間  13

2007年06月20日 05時33分27秒 | 職人仲間

20070619122234 長野県のりんごの木に名前を彫る印鑑屋さん。見た目もユニークで濃い「への字」の眉、愛嬌のある目が印象的だ。特徴がはっきりしているので漫画にしやすい顔だ。

_023_1 この人も私と同じく脱サラ組で、10年ほど前「遊印」の師匠について脱サラした時は日に20万も25万も売り上げがあり、「直ぐに蔵が立つぞー!」と錯覚したそうだ。しかし、世の中そんなに甘くない。売れるとなると誰でもがマネをするのが世の常、あっという間に同業者が増え現在は地方巡業のドサ回り。少し、茶化して書くとこんな感じだが、実直で正直な方だ。ただのりんごの木に色を塗って名前を彫っていく、100%自分の作品だ。仕入れ商品はないほんとに腕一本で食べている職人である。

_015_5山形県から来ている「山ぶどう」の戸田寒風さん。もともとは「笹野一刀彫」の職人として「お鷹ぽっぽ」という飾り人形を作っていたそうだ。

山形に古くから伝わる「あけび細工」や「山ぶどう細工」を地元のドライブインなどに卸していたそうだが、現在は山形物産展を中心に全国のデパートに出店している。何軒か山葡萄を扱う業者さんと一緒になるが、ここの作品が「品物の割りに一番安い」と思う。最近は山葡萄のブームに乗って作りの雑な作品も多く見受けられる。「こんな、いい加減な作りの籠がこの値段?」とびっくりするときもある。また、「これはどう見ても国産物ではない、中国製だな!」と思える物も沢山ある。 そんな中、国産物でしっかり編み込みそれでこの値段。ある意味、この値段が適正価格なのかも知れない。ブームにのって高額な作りの悪い_024_2 作品も沢山出回っているこの業界において真面目な作り手として、実直な人柄が表れている人だ。

しかし、東北の人はたいてい話す言葉が聞き取りにくい。

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職人仲間 12

2007年06月19日 08時44分10秒 | 職人仲間

_007_6今回の東急でのお隣さんは、私達の大先輩この道60年の籐細工職人の小峰さん。「おしゃべりも職人芸のみせどころ」と色紙が掲げてある。この人の頭の柔らかさには脱帽である。70歳を過ぎてパソコンを初め、ホームページ、ブログを作り、自在にキーボードを操る。

いつも時代の流れを見ながら、作品作り、営業方針、販路開拓などを考えておられる。60年間も第一線で活躍し続けることは至難の技だ。作品も昔は籐家具のほか、乳母車や揺り篭など、安い東南アジアや台湾から入ってくる籐製品との競争に勝ち残り、健康に良い、趣味豊かな高級家具に変えて来た。今は高齢者社会を見据えて介護用品などお年寄りをターゲットにした作品が多い。

_022_1いつも時代を先取りして、果敢に挑戦している若き戦士である。奥さんと二人で日本中を飛び回り、何処の売り場に行っても確実に売り上げを作っていく。我々年下の者にも決して威張ることなく気持ちよく接してくれる。どこぞのどなたかに見直させてやりたいですナ。今日もパソコンを片手に全国を走りまわっている。なんと持っていたパソコンは私と同じパナソニックのレッツ・ノートであった。

_008_8 小峰さんの直ぐ後ろは同じく東京の「東京手書き友禅」の小倉君。笑顔の爽やかな人で、なかなかの男前、歌手の「福山雅治」に似た甘いマスクと甘い声で若い女のお客様を引き寄せている。(きっと、この人はホストクラブに行っても成功するナ)

流れるようなラインと淡い色使いで、優しい表情の作品を書き上げて行く。女性から見ると、うっとりさせてくれるのだろう。彼の売り場を見ていると、お客様も30代、40代の綺麗なお客様が多い。(多分に小倉君の趣味が入っているのだろうが?)

_014_8呉服の世界などは特に酷く、生産者と消費者の間の中間マージンに沢山取られ、お客様に渡る頃には高額な作品になってしまっている。「訳あって高い」のなら納得できるのだが、業者が間に何軒も入ることで高いものになってしまうのはどう考えても可笑しい。

昔のように「良いものだけを作っていれば良い」という時代ではない。生産者も直接お客様に自分の作品の持っている魅力や価値を伝えなくてはいけない時代になったのだ。彼らのような、若い有能な職人がどんどん増えてくれればまだまだ職人の世界も広がっていくのだが!

竹工房オンセ

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相模原 5 職人技

2007年05月20日 08時53分52秒 | 職人仲間

今日は天気も良く、お客様の入りも上々である。お昼には裏の「相模原ホール」で劇団四季の開催もあり、ざわついた一日である。しかし、当方はどういう訳か?さっぱりである。小物のお箸とかスプーンばかり。そんな中、やはり、リピーターのお客様が助けてくださった。本当にありがたい。今回は以前買って頂いたものより、もう一回り大きなものを、と、御注文を下さった。とても美しい方で、こんな方に持って歩いて頂くだけで大いに宣伝になります。

夜には、職人展のメンバーと伊勢丹の担当社員と一緒に懇親会。初めてお話する方も居れば、以前から良く知っている方も居る。今回の職人展と名打つ中でも、一番の職人技を持っているのはこの人だと思う。5_040 三重県の真珠屋さん、奥さんの接客術がナンバーワン。たくさんの職人の方の技よりも、この人の接客の技が凄い。「長谷川パール」さん、いろんなパール屋さんと一緒になるが、この人ほどお客様の声を聞き、押し売りすることなく、気持ちよくお買い物をさせる。聞き上手であり、親身になってお客様の言葉を拾い上げる。私が「どうしてそんなに売れるのですか?」と馬鹿な質問にもまじめに答えてくれる。「全然、売ろうと意識していないんです。高いものも安いものもなく、このお客さんにはこの品物が合うと思いお勧めするだけです。」謙虚な姿勢、爽やかな笑顔で絶大な支持を得ている人である。弟子入りさせてもらおうかな?

竹工房オンセ

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千里阪急

2007年04月25日 21時43分00秒 | 職人仲間

Photo_56 本日から千里阪急で「職人の技展」がスタートである。大分から私と交代という形で「井和丸」さんが実演と販売をする。彼は家業が竹細工屋さんで今でも青竹で盛皿などを作って居られる。小さいときから竹には目と体で接しているので籠作りには抜群のセンスがある。まじめな青年で人間的にも信頼の置ける我が工房のホープである。

催事を一人で受け持つのはこの千里阪急が初めてで少々緊張しているようだが、きっと彼の誠実さはお客様の信頼を得ることだろう。私が伝えることは「絶対、押し売りしないこと。自信を持って作品を紹介してください!」これだけです。細かい事務的なことはそれぞれのデパートで違うのでもし判らないときは社員さんに聞けば良い。

もう一人、彼と同じような初々しい新人さんを見つけた。山20070425150939 形県の「しな織り」の職人さん。いつもは「加納さん」が実演をされているのだが、今回は色白の女の人が実演していた。お話を聞いてみると「加納さんの変わりに今までしなの木の糸を紡いでいたのですが、実演に出るようになりました。」と恥ずかしそうに話している。「出張にでると家族の方が大変だね?」と聞くとまだ結婚されていないという。「しな織りと結婚したようなもんで、不器用なので他には目が行きません。」と。彼女もまじめで実に誠実な印象を受けた。頑張って欲しいですね。

千里阪急は梅田阪急のように人がたくさん来られる条件ではありません。万博跡地に開かれて住宅地を背景に広がった地域である。その頃住み始めた方々も子育ても終わり、余裕のある状態になり、良いお客様が多い地域になっている。忙しくてどうしようもない という感じはまったくなく、ゆったりとした時間が流れている。井和丸君や彼女のような新人さんに一人で勉強していただくには丁度良いデパートかも知れないね。お二人とも頑張って下さい。

竹工房オンセ

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今日は素敵な葉書が!

2007年03月06日 20時49分54秒 | 職人仲間

Pim0003 昨年5月の相模原伊勢丹でご一緒した「ブラシ屋」さんの榎本さんからお手紙が来ました。http://once.blog.ocn.ne.jp/ajimu/cat4989224/index.html 私のブログの職人仲間シリーズの一番初めに紹介した方だ。あれから、約10ヶ月。相変わらず、毎日毎日、大学生の息子さんに葉書を出し続けているようだ。本当に頭が下がる。息子さんにとってもかけがえのない宝物になるに違いない。

毎日続ける事は大変なことです。一日も欠かさず、積み重ねる、なかなかできることではありません。どんなことでも、やり続けることで自信が出てくる物ですよね。榎本さん親子も離れ離れになっていても父と息子の絆は強いものでしょう。

「大学生の息子に4年間毎日葉書を送ろう」と決めた榎本さんに脱帽。

Pim0004 お客様からも素敵な絵手紙が!竹の表情がとても良く伝わって来ます。「春を待つ、心ふくらみ手組籠」なんか、嬉しくなってしまいます。ありがとうございました。

竹工房オンセ

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竹炭の里

2006年11月10日 06時57分01秒 | 職人仲間

_014_3 宮崎県で竹炭を作っている飯田さんの所へやって来た。私の工房から車で5時間くらい。隣の県であるが一番遠いような気がする。大分県は真竹の育成地として有名であるが、宮崎や鹿児島は孟宗竹の産地である。

10年前に農業組合を立ち上げ、あっと言う間に全国のデパートに竹炭のナンバーワン企業として認知されるような企業に育てたやり手経営者である。工場の周りは見渡す限り竹藪だ。立地条件的には私の所とほとんど変わらな_018_3 い。そんな、辺鄙なところに若い人達が働いている企業にしたのだからすごい。

イたる所で竹炭は作られているが、どこもが行き詰っている中、なぜこの「竹炭の里」が残っているのか?やはり、本格的な土窯で焼き上げた本物の炭の力と、炭を使った新しい商品開発の賜物であろう。4トンの土窯で時間をかけてじっくりと焼かれる竹炭と、簡易窯で短時間で作られる竹炭とではおのずと違いが出てくる。 _034

ここの社長は誰が来ても取材に応じて竹炭の作り方をオープンにしている。今では全国から多くの竹炭に行き詰まった同業者も沢山見に来るらしい。私の工房と同じですべてオープンで何でも答えてあげる。それは本物を作っている自信の表れであろう。昨今は中国製品を自社品として、平気で売っている業者が本当に多い、そんな所はほとんど工房の中は見せてくれない。工場をくまなく案内していただいた後、隣町の綾町にある「酒仙の杜」という観光スポットに連れて行っていただき宮崎を後にした。ありがとうございました。

竹工房オンセ

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職人仲間 その11

2006年10月31日 09時32分00秒 | 職人仲間

_036 「なんじゃこれ」 福島県の皮細工の板垣さん。いつも私の出店しているところの前だったのだが、今年は少し離れた所に出店していた。工場長の板垣さん。男っぽい風貌で、無口であまりしゃべらない。なかなかの男である。風貌も顔中、髭だらけ放っておくと猿になると本人は言っているが!これくらいの髭は二日もすれば生えてきそうだ。頭の格好がまた、良いのだ。男性ホルモンが旺盛なのだろう。髭が濃い分、髪の生え際はどんどん後退しているそうだ。バットマンの形にそりあがった額がカッコいい。

_037顎のところに渦を発見。髭に勢いがあるのだろう。鳴門の渦のように見ていると目が回る。

髭のことばかり書いてしまって肝心の皮のバッグは手触りが柔らかく、つくりもしっかりしている。お客様の名前をバッグに焼き付けて挙げるところは私のところと良く似ている。

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職人仲間 その10

2006年10月29日 07時24分00秒 | 職人仲間

_023 マンドリンの製作者、宜しくお願いします。米丸さん。今回初めてお会いした職人さんである。宮崎で手作りの楽器を作っているそうだ。ひまな時間に少し話を聞いてみた。どの世界でも製作にかかる大変さがあるが皆さん口をそろえて言うことは「作っているときは楽しい!」しかし、それを安定的にどうやって販売していくのか?で苦労されている。米丸さんの場合は特殊な客層に高価な楽器を販売していかなくてはならない。今回展示してあったものも安いもので30万くらいから高いもので140万くらいしていた。「お客様に手にとって音を鳴らしてもらえれば判ってもらえるんです。」と自信を持って話してくれた。皆さんの中でマンドリンに興味のある人は、宮崎空港のすぐ近くだそうなので是非訪ねていって下さい。

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職人仲間 その9

2006年10月28日 07時06分00秒 | 職人仲間

_017_2  香川県の竹彫師西村さん。私と同じ竹を扱う職人であるが、彼の場合は竹の表面に観音様や縁起の良い文字などを一刀彫する職人さんである。トレードマークは大きなタオルをいつも頭に巻いている。エジプトの壁画に出てくるような頭巾を被っているようだ。その西村さんから相談を受けた。「箸を作ってきたけど見てくれ」煤竹を削ったお箸である。巾が15ミリほどある無骨なお箸である。一目見て_018_1 「こりゃ、ダメだ」。大先輩の西村さんには申し訳なかったがお箸の世界は本当に深いのだ。シンプルであるからこそ、ごまかしが利かない。2本の箸が美しく削れるようになるには高度な技術とセンスが必要なのだ。工芸の商品を作り上げていくには、いろんな角度から積み上げていかないと完成されないとつくづく思った。

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職人仲間 その8 てっちゃん

2006年10月26日 09時18分00秒 | 職人仲間

_015_2 広島県熊野地区は日本一の筆の産地である。職人展に参加すると必ず1店、筆屋さんが出店している。熊野筆のてっちゃんは職人展のマスコット的存在で自分の店だけでなくあらゆる店に売り子みたいな顔をして立っている。ポテッとしたお腹とキョロッとした目が印象的である。雰囲気としては「雨がえる」といった感じだ。見た目とは裏腹にさすがに筆屋さん、字が上手い。さらさらーと書く字が落ち着いて美しいのだ。人は見かけで判断してはいけない。

うちの家内も習字をするのだが、忙しい日々に追われる中一つのことに集中する時間が心地よいのだろう。私ももう一度習字をやってみようか?

私にとっての習字の思い出はお祖父ちゃんだ。頑固で遊びを一切やらないお祖父ちゃんが字が本当に上手かっ_016た。小さい頃お祖父ちゃんの手解きで筆を持つのだがその時は正座がいやでいつも逃げ回っていたような気がする。

竹工房オンセ

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