goo blog サービス終了のお知らせ 

高江雅人  竹工芸職人の独り言  竹工房オンセ

高江雅人  竹工芸を初めて37年、徒然なる出来事をアップしています。

ログハウス 10 棟上パーティー

2007年02月19日 06時54分05秒 | ログハウス

File0064  棟上と平行して、夜の棟上パーティーに向けて炊き出しも始まった。大なべでカレーを作り、それをメイン料理に。大きな鍋は由布院の有名なお寺「仏山寺」の住職夫妻が持ち込んでくれた。住職とは竹の学校の同級生になる。

私達も夕方になると、一応着飾ったということで紅白のリボンを首に付けて、この時飼っていた愛犬エリーとロッキーも リボンを付けて、今は2匹とももう亡くなってしまった。

File0067_1 

まるで難民キャンプのような雰囲気ではあるが、みんなワイワイと大盛り上がり。昔は今ほど飲酒運転にうるさく言われなかったので、全員がしこたま飲んで酔っ払っても運転して帰っていった。

File0090

実はこのパーティーに最愛の妻をこの時初めて誘っているのである。この棟上パーティーを口実に「是非遊びに来てください」と。

竹工房オンセ

File0095

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ログハウス 9 棟上1

2007年02月18日 06時58分39秒 | ログハウス

File0046 丸太を積み終わり、いよいよ棟上だ。この日はさすがに気分が高揚していた。あちらこちらの友人に声を掛け、手伝いに来てもらった。見物人も夜の棟上パーティーの準備の人も含めると100人近い人がワイワイガヤガヤと集まっていた。(私の場合、ツイツイ大げさになってしまう。)

朝から雇ったクレーンで梁を吊り上げみんなで押さえる。途中で柱の位置が合わなくて、あわてて柱を入れる穴を削ったりとご愛嬌。今考えると、良く棟上できたなー、と感心する。

File0058File0060 ここまではほとんど機械を使わず、手で丸太も積み上げて来たが、さすがにこの棟上だけはクレーンを使わないと上げられない。12メートルもある梁一本でも300キロくらいある、それに3本の柱を組み合わせて持ち上げるので400キロ以上あるのではないか?とFile0063思う。4箇所の梁が立ち上がり、今度は垂木を載せていく。この屋根垂木も一本一本が幅10センチ以上ある丸太を太鼓型に削ったものを乗せた。何が何でも今日中にこの垂木を載せるところまでは終わらせなくてはならない。骨組みまで出来れば後は何とかなる。

竹工房オンセ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ログハウス 8 丸太積み4

2007年02月17日 10時26分06秒 | ログハウス

File0051 やっと2階までログを積み上げてきた。ここまで来ると見ていても壮観で、見るたびに心の中で「ここまで来たか!ムフフ」と呟いている。

丸太を積むのも終わりに近づき、後は2階の床を載せる「大引き」を削っていくだけだ。この時に高さを測り間違いで、今でも二階の床は斜めである。ビー玉を置くとドンドン転がっていく。しかし、20年暮らしているが、ちょっと気になるが充分生活は出来ている。

File0054 この写真に良く出てくる彼は竹細工の後輩で中川さん、アルバイトとして手伝ってくれた人だ。竹の学校を卒業後、青竹の篭を作っていたが、その後ニュージーランドに行ったり、故郷に戻ったとか?消息がわからない、もし、このブログを見ることがあったら連絡くれー。

竹工房オンセ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ログハウス 7 丸太積み3

2007年02月16日 08時53分28秒 | ログハウス

File0043 少しずつではあるが着実に進んでいく。今振り返ると ログハウスで一番楽しいのは、やはりこの丸太積みの時だな。

約2年掛けて丸太を積むことになるのだが、これは私が仕事の関係で 秋から冬の半年間を広島県竹原市の職業訓練校で竹の講師をしていたため、この現場には半年しか住んでいないのと、丸太積みが本業ではないので毎日毎日やるわけではない。賞味丸太積みにかかった日数は 100日くらいだろうと思う。

File0040File0041 ある程度詰みあがってくると だんだん高さが出来てきて隣の部屋に行くにも3メートルの壁を上り下りしなくてはならなくなる。

1階部分を積み上げた頃、「ここは窓にする所」「ここにドアを付けよう」という所をチェーンソーで切っていく。この時が一番快感かな。足で思い切り蹴り倒すと真ん中の丸太が抜けていく。ヤッター、向こうが見えた。

竹工房オンセ

File0042

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ログハウス 6 丸太積み2

2007年02月15日 08時46分35秒 | ログハウス

File0035 丸太を載せては下の丸太の形を写し取り、その形になるようにチェーンソーで削り取っていく。削ったら一度乗せてみて、どこが当るのか確認して微調整をする。歯医者さんで歯にかぶせ物をする時に「はい、噛んでみて下さい。はい、カチカチ、カチカチ」とやって微調整するのとまったく同じです。何度か削っては乗せ、削っては乗せを繰り返して積み上げていく。

チェーンソーというのはあまりガソリンが入らない。大体20分くらい廻しているとガソリン切れになる。これはもの凄い振動があるので長時間続けて使っていると「ハクロウ病」になるのを防ぐ為だそうだ。確かに1本丸太を積み終わると手が振動で痺れている。それに、大変なパワーがあるので間違えて刃先に触ろうものなら、指なFile0038 どは簡単に切られてしまう。ワイルドな作業だが結構神経は使う。

この丸太を積み出してからは、どこから聞いてくるのか?わからないが、噂で「ログハウスを建てたい」という人が尋ねて来るのだ。そんな人は自分の勉強や経験になるのでボランティアで加勢に来てくれる。丸太で知り合った友人も沢山出来た。

「ログハウスを建てたい」という人の中で、建てれた人と建てれなかった人には明らかに違いがある。几帳面で綿密に計画している人のほうが、結局は踏ん切りが付かなくて今でも夢のままで終わっている人が多い。反対に私のところに来て、これくらいなら俺でもやれると簡単に考えて行動を起こす人のほうが建てているようだ。

竹工房オンセ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ログハウス 5 丸太積み

2007年02月14日 14時02分02秒 | ログハウス

File0034 長く、苦しい基礎工事も終わり、これからは丸太をチェーンソーでカットして1本1本積み上げていく作業だ。

最初の頃は別府市内に住んでいて、この建築現場に通っていたが思うように作業が進まない。現場までやって来て いざ作業にかかろうとすると雨が降り出したりとか、現場までの往復の時間と費用が無駄になると思い、現場に6畳二間のプレハブを建てた。(世間でよく言う勉強部屋というタイプの家) そこに住み込むようにしてから飛躍的に作業が進みだした。毎朝、仕事の前に1本、昼休File0031 みに1本とか ちょっとした時間に丸太積みが出来る。

(毎日、ログハウス作りをしていた訳ではない。普段は生活の為、平日は仕事として竹細工をしているので、主に土、日に丸太積みをする。)丸太を一本積むのに約40分くらいかかる。一日10本積めたら大変調子がいい日である。 でも、この丸太を積む仕事は楽しい。少しずつではあるが丸太がつみ上がっていく事が目に見えるので、仕事をしている実感が湧くのだ。竹篭を作る時でも 材料取りの時は単調だが編み出すと楽しい、それと一緒だ。

File0037 最初の100本を積み終わってから、今度は材木屋さんで水圧で皮むきをしてもらう事にした。最初の100本までの下から4段くらいまでは 野ざらしになっていたので少し汚いでしょ。

竹工房オンセ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ログハウス 4 基礎工事3

2007年02月13日 12時07分40秒 | ログハウス

File0018 当時、個人で作っているログハウスで建坪25坪、2階建て、総面積で40坪のログハウスというのは おそらく九州でも一番大きなものではなかっただろうか?

私が自分で家を建てると言い出した時に母親は「お前は小さい時もプラモデルを途中でほおり投げたのだから、無理だから止めときなさい」と言っていた。でも、人間にはいろんな可能性があるんだ。もし、あなたの息子が「自分で家を建てたい」と言い出したときは、しばらくじっと見守ってFile0022あげてください ね。

「男が家を一軒建てる。」いう事は本当に大きな仕事であり、自信となってくるものです。もちろん、私のように自分自身が大工となって建てなくても 経済的、社会的に力がある人は銀行でお金を借りて大工さんに建ててもらえばいい訳で、「一国一城の主になる。」という事が大きく成長させてくれるものなのだ。  私はお金がなかったのでその分自分で建てるしかなかったのだ。当時、ログハウスは建築基準法に認められていなかったので、住宅金融公庫からお金を借りることも出来ない。まとまったお金があるわけでもなく、とりあえず今あるお金で買える材料を買い、後はまたお金を貯めては材料を買うという、少しずつ進めていくことにした。

結果的にはこの借金をしないで家一軒を建てたことは、私のかけがえの無い経験と自信と財産になった。今でも、たいていのことは出来るような気がする、これも沢山の人に助けられ、「私は人についている」と妙な自信 がある。

ようやく基礎のブロックを積み上げいよいよこれからは丸太積みである。

竹工房オンセ

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ログハウス 3 基礎工事2

2007年02月12日 18時42分12秒 | ログハウス

File0009 次に基礎のブロックを積み上げていく元となるベース作りだ。本来ならば型枠屋さんが来てコンクリートを型枠に流し込んで一件落着と行くところだが、そうは行かない。たった、一回しか使わないのに型枠を作ることが出来ないので、私は横筋ブロックを使うことにした。ブロックの縦にも横にも鉄筋を通すことが出来、私のような素人が少しずつ進めていくには一番適していると考えたのだ。ブロック一つ一つであれば一人でも積み上げて行けると思った。

File0008

この基礎工事をしている時、竹の学校に通いだした時だ。元々は農業で生計を立てようと計画していたが、いろんな先輩方に相談してみると「お前のように、農業にあこがれて入植するヤツは沢山いるけど、ほとんどが途中で脱落していく。農業の収入は不定期で不安定である。もし、本当にやるのであれば、何か現金収入の副業があったほうがいいな」とアドバイスを受けた。それで、別府にある当時、職業訓練校の竹工芸課に通うことに下のだが、それが本業になるとはその時は思いもしなかった。訓練校に通っている間は「訓練手当」として1年間失業保険がもらえる。これは当時の私にしては本当に助かった。

File0021File0025File0023 多くの友人(この写真は訓練校の同級生)が基礎工事を手伝ってくれた。今でも、ここはダレダレがしてくれたんだなー、とかいたるところに思い出が詰まっている。

竹工房オンセ

File0027

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ログハウス 2 基礎工事

2007年02月12日 08時55分14秒 | ログハウス

File0006 図面もなく始めた家作り。建築の「ケ」の字も知らない私にとって知らないことが強みである。なまじっか、判っていると頭の中で堂々巡りして進まない。私のようなタイプは「まず、やってから考える、後悔する。パターンである。図面は段ボールの上に鉛筆で書いた紙が私の図面である。

友人の土建屋を拝み倒して、1日だけショベルカーを持ってきてもらい、穴掘りをしてもらった。建坪で25坪ほどあるので、これの穴掘りを手でやっていたのでは、いつの事になるか判らない。「お酒1本でお願い。」まだ、若かったのでFile0013 出来たのだろう。それにしても、今こうやって写真を見ると私も細かった。

掘った穴にグリ石を敷き詰めていき地盤を固める。その上に生コンを流して基礎のベースを作るのである。当時はまだ、ログハウスの本もなく知り合いの人から聞いてみよう見真似でやっているのである。現在は独立基礎といって丸太の重なる部分だけに基礎を立てる方法が簡単で後のメンテナンスも簡単だと思うのだが、この時はたまたま教えてもらったやり方がこの「布基礎」の方法だったため、大変大掛かりなものになってしまった。近所のおじいさんが見に来ていて、「あんた、ビルでも建てるんかい?」と言っていた。

家を建てるとき、この土仕事が一番キツイ。単調で、重くて、汚れ仕事なのだ。

竹工房オンセ

File0015 File0017

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ログハウス 1

2007年02月11日 06時37分28秒 | ログハウス

ブログでお互いにエールを贈り合っている藍染の大川さんが只今工房建築中である。http://kon-yu.cocolog-nifty.com/blog/cat6978080/index.html 彼のブログを読んでいて今一番楽しい時なのではと思う。

私もかれこれ22年前に、現在住んでいるこの安心院の山奥に工房作りを始めた。当時は道も舗装されていなくて、雨が降るとドロドロになり普通の車では入ることが出来ないような状態であった。しかし、初めてこの土地を見たとき、何故か「ここに住みたい」と強い衝動に駆られたモノだ。その頃の私は竹細工などをするとは夢にも思っていなかった。当時は「農業で自給自足できる暮らし」を夢見て始めたのである。

File0001まず、「住む家をどうしようか?」「お金もないし、信用もない。銀行からお金を借りることも出来ない。」そんなスタートだった。

建築の知識も経験もない自分でも出来るかも知れないと考えたのが「ログハウス」であった。これだったら組み合わせて行くのだから、少々の地震でも倒れないだろう。 そんなくらいの発想であった。幸いな事に私の土地から10キロほどのところにログハウスを建てている人がいた。この人が私の「人生の師」になる人だったのだが、後ほど詳しくブログでも紹介します。

File0002まず、丸太を100本仕入れて皮むきから始めた。単調な皮むきの仕事はきつかった思い出がある。6月くらいに切った木なら、簡単に皮がむけるのだが、乾燥した時期に切った丸太はなかなか皮がむけなかった。来る日も来る日も皮むきばかり、早く積み上げることが出来ると楽しいのだが。

丸太の皮むきが終わって、家の基礎工事にかかるのだが、実際に積み上げ始めるまでに1年以上、丸太を野ざらしにすることになってしまった。今でもこの最初の100本分だけが野ざらしで黒っぽく変色した丸太が家の下のほうに使われている。全部で500本ほどの丸太を使ったのだが、後の400本は この時の経験できれいな状態で組み上げた。

私のところに「これからログハウスを立てようと思うのだが」という人が相談にやって来る。そんな時「まず、丸太を買いなさい。買ったらもったいないから積み上げることになるから」とアドバイスしている。

竹工房オンセ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする