花歩る木

山と旅がすきです

映画 「わが母の記」

2012-05-18 17:39:08 | 映画 演劇

5月15日 映画「わが母の記」を見てきました。

        雨の日、友達と新宿で会って、前から約束していた映画を
        見に行って来ました。

        
        
        

        久しぶりに珠玉の日本映画を見ました。
        昭和の文豪、井上靖の自らの人生、家族との実話を題材にした
        原作を映画化したものです。
        老いて次第に記憶を失っていく母。その母に捨てられたと思い続けて
        生きてきた小説家。しかし母は認知症が進んでおり、深い話が出来る
        状態ではなくなったのです。
       
        樹木希林の老いの演技の見事さは貫禄で 圧倒されました。
        役所広司は熱演。孫の琴子を演じる宮崎あおいは父に反発しながらも
        祖母との間をつなごうとする自然な演技がよかったです。

        自宅シーンの撮影は、東京・世田谷の井上靖邸で行われたそうで、
        家族が揃って食事をとった居間や、名作の生まれた書斎がそのまま
        再現されていて、1960年代の日本の裕福な家族の生活を垣間見ら
        れました。
              
       
        この映画、認知症や年老いた父母を持つ家族の道しるべになれば
        イイナ~とか、「孝行したいときには親はなし」 と 言いますから、
        若い人にこそ この映画を見てほしいものだと思いました。
        認知症予備軍の私たちはどうしようか?・・・と、お昼はちょっと
        しめりがちになりましたけどね。

        物語に彩りを添える風景。伊豆・湯ヶ島のわさび田、軽井沢、富士が
        見える海。美しい いつまでも残したい日本の風景にも出会えました。