桑の海 光る雲

桑の海の旅行記・エッセー・書作品と旅の写真

礼文島・花の島⑧

2005-03-23 21:00:00 | 旅行記
以前書いたことだが、夜のミーティングで映し出された花とその名前をよく頭に置いておき、翌日コースを歩いてそれらの花を確認し、夜のミーティングで花の名前をテストされる、ということがその夜行われた。答えられる人、間違える人。人それぞれだった。私はたまたまノーマークの花が当たってしまい、見事に間違えた。その花は今でも忘れない。カラフトナニワズという、ジンチョウゲを黄色くしたような目立たない花である。花の香りもジンチョウゲに似ている。

その中で、Yさんはミヤマオダマキが当たった。初めの「ミヤマ」はすぐ出たのだが、その後が続かない。彦さんが「オ」とヒントを出し、Yさんが「ミヤマオダ」まで出てきた。さらに彦さんが「マ」とヒントを出すと、Yさんはようやく思いついたようで、笑顔で「ミヤマオダマリ!」と答えた。一同爆笑であった。その後Yさんは、島を出るまで「おだまり君」と呼ばれる羽目になった。

さて、トド島から星観荘に戻ってテレビを見ると、ちょうど皇太子ご夫妻の結婚パレードの様子が放映されていた。そうだ、今日はこういう日だったのだ、ということを改めて実感した。世間様はみなこのおかげで今日が休日で、ここにいる人達も、その休日を土日とつなげてここにやって来ているのだった。学生の私は、授業のある日以外は毎日が休みの日なので、ただでさえ曜日の実感が乏しいのだが、旅行中である今はなおさらである。雨が上がって、雲間から午後の陽が射す、たくさんの警官が居並ぶ道をオープンカーでパレードするご夫妻の様子を、別世界のことのような思いで見ていた。

夕食まで一眠りすることに決めた。今夜24時間コースに出発する、という思いからなかなか寝付けない。昨日までは布団に入れば、夕方でもすぐに眠れたのに・・・そこで飲めないビールを買い、アルコールの力を借りて眠ることにした。もちろん1缶は飲みきれないので、Oさんに半分ほどグラスに注いで分けてあげた。飲み終わって布団に入ると、少しばかり眠ることができた。時間にして1時間ほどではなかったか。目が覚めて部屋を出ると、日差しが眩しかった。礼文にやって来て初めて目にする素晴らしい夕景である。トド島の真上に、オレンジ色の太陽が輝き、空は赤く染まり始めている。太陽はこのままいけばトド島に沈むことだろう。日中の天候からは想像もできないほどの美しい夕景だった。夕焼けが美しい日は、翌日も好天であると聞いている。今夜から始まる24時間コースは、どうやら天候に恵まれそうだ。


コメント
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