桑の海 光る雲

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甲武信岳

2011-08-15 23:13:07 | 旅行記

今日はふと思い立って甲武信岳に登ってきました。

甲武信岳(「こぶしがたけ」と読みます)はその名の通り甲斐と武蔵と信濃の境に位置している山です。 実はあまり関心のない山で、山も見たことがありません。 去年の秋、八ヶ岳の山頂からも、雲に覆われて見ることができませんでした。また、手元にあるガイドブックには、山梨側から1泊2日で登る山とあり、登るのを躊躇していました。それが先頃、長野県側から容易に登れ、しかも登山道がしっかりしているとの情報を得たので、この夏は結局日帰り登山しかできないことがわかったこともあって、思い切って出かけてきました。

高速を飛ばして佐久インターで降り、国道をひたすら南へ下ります。 川上村に入り、連続するカーブと急な坂を登り切ったところで、突然八ヶ岳連峰がばーんと目に入ってきました。一面の高原野菜の畑の向こうに、青空をバックに八ヶ岳が雄大に峰峰を並べています。 最高峰の赤岳の山頂に去年の秋に立ったのだと思うと、感慨深いものがありました。

高原野菜の畑の中を走る道路を登り詰めたところに大きな駐車場があり、そこに車を停めて登っていきます。 登山道は千曲川の源流である沢沿いにつけられているのですが、これが大変よく整備されており、実に歩きやすかった。 これほどよく整備されている登山道にはなかなかお目にかかれないことと思います。 最初は沢沿いに登っていくのですが、滝もいくつもあり、沢沿いに吹く風が実に気持ちよかったです。千曲川の源流、つまり日本最長の川である信濃川の源流まで、コースタイムで3時間のところ、2時間で着いてしまいました。源流地点よりも上手(かみて)に沢は続いているのですが、ある地点から上は伏流となって、水の流れを見ることができません。 倒木の下から水がわき出ているように流れ出しているところを、信濃川の源流と見なしているのです。

ここである女性に声をかけられました。 「むちゃくちゃ速くないですか?駐車場にはいなかったですよね?」 この後女性から依頼されて写真を撮したりしました。

源流を後にして、一番きつい登りである尾根筋までの登りにかかりました。ここの登りが今回の山行で一番きついものでしたが、20分ほどで切り抜けてしまいました。 尾根筋に出た後はなだらかな尾根道となって山頂に着きます。 ここでは既に空は雲に覆われてしまいました。一カ所、谷を見下ろし山頂の見上げられる場所があり、そこでかろうじて山頂部分の写真を撮すことができました。 帰りにはガスの中に入ってしまったので、登りの時に撮しておいて良かったです。

源流から山頂までは70分とありましたが、実際は40分で着いてしまい、登りの時間は2時間40分でした(コースタイムは約4時間)。 山頂は意外に狭く、既に先客が7人ほどいました。山頂の上の空は雲に覆われていましたが、朝のうちはきれいな青空だったと聞くと、とても残念に思われました。源流で会った女性もまもなく到着し、いろいろ話しをし、写真も撮してもらいましたが、去年の奥穂高岳でのこともあるので、カメラの受け渡しは慎重に行いました。

次第にガスが上がってきてあたりは見えなくなった上、冷たい風も吹いてきたので山頂を後にしました。

来た道を淡々と下って駐車場に着くと大変な暑さでした。 下りのコースタイムは3時間のところ、2時間20分で着いてしまいました。 往復で5時間。気持ちよく歩けましたが、悪く言えば単調で、山の姿も平凡で目立たず、深田久弥がなぜこの山を日本百名山に入れたのか、ちょっと疑問に思いました。

ちなみに日本百名山はこれで42座登ったことになります。 今まで取り立てて意識したことはありませんが、こんなにも登っていたんですねぇ。

コメント
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