桑の海 光る雲

桑の海の旅行記・エッセー・書作品と旅の写真

隷書大字典

2022-11-27 23:14:12 | 日記
2つ前の職場に勤めていた頃、今ほどネットが便利ではなかったので、欲しい本は出入りの書店に注文して取り寄せてもらっていたし、雑誌の定期購読もその書店にお願いしていた。全集を2種類取っていたときは、月の支払いが3万円にもなった。
あるとき店主が本を届けに来たついでに、「こんな本が店の棚にあって全然売れないままなんだけど要りませんか?タダであげますよ。」といって、大きな本を差し出した。角川書店の「隷書大字典」で、定価を見ると15,000円とある。ちょうど隷書の作品の制作を始めた頃だったのでありがたく頂戴した。
入手してからは、隷書作品を書くときには必ず利用しているが、角川書店のような大きな出版社から刊行されているにもかかわらず、索引には何カ所もミスがある。初版なので、再版以降は訂正されていることだろう。
そして今に至るまで、この字典は隷書作品を主として制作している私にとって無くてはならない存在となっている。今日は手本を書くために使った。
ところが、最近私は隷書作品を書くのにそろそろ飽きてきた。次の書体は何にしようか模索中である。そうなると、長らくお世話になってきたこの「隷書大字典」も、出番が少なくなっていくことだろう。
そう言えばあの書店は今もまだ営業しているだろうか?当時店の前を通ったとき、あまりに小さな店構えなのにびっくりした記憶がある。そしてあの辺りは区画整理があって、町並みがすっかり変わってしまったはずだから。。。
コメント
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