桑の海 光る雲

桑の海の旅行記・エッセー・書作品と旅の写真

礼文島・花の島⑨

2005-03-24 20:59:49 | 旅行記
いよいよ24時間コースの出発である。24時間コースに行く時は、風呂に入れない。トド島に行って潮風に当たってきたので、髪は塩気でべたついており、できれば風呂に入りたかったのだが、ダメだという。入れない理由を説明されたのだが、毎日風呂に入らねば気の済まない私としては、ちょっと気分が悪いまま出発しなくてはならなかった。他に、今回は私が歩いたことのないところも2カ所ほど通るので、そこについての説明を受けた。

荷物を準備し始めた。しかし、明日の朝食と昼食のお弁当に加え、果物やお菓子などもいろいろと手渡され、それを詰めると、私が持っていこうとしていたリュックは一杯になってしまった。仕方なく、着替え等を入れてあった大きなリュックに詰め直した。部屋は、私の荷物で散らかってしまったが、時間もないので、それを無理矢理部屋の隅に押しやって出発することにした。(後で思えば、同室のOさん達には迷惑をかけたと思っている。)

服装は、さすがにスタジャンはマズイと思ったので、白いジージャン(古い言い方だ・・・)を来て出かけようとしたら、彦さんがそれでは寒すぎるという。他に持っていないと答えると、彦さんがスキーウェアーの上着を貸してくれた。ちょっとがさばる感じがしたが、羽織って外に出てみるとちょうどいい。ヘッドライトも貸してもらった。こんなに何も持たずに出かけるのは今思うと本当に、若さとは怖いもの知らずだなと思う。普通なら、それなりの用意はしてくるはずである。雨は100円カッパと折りたたみ傘でしのごうとしていたのだから、これまたのんきなものである。

さて、準備が終わり、”儀式”を行うことになった。アルバムの写真で見てはいたのだが、自分もされることになって、ちょっと緊張した。”儀式”とは、同宿の人達が、激励の言葉をマジックで体に書き込むのである。(女性の場合は腕のみ)私の、色の白い貧弱な体を衆目にさらすのはカナリ恥ずかしかった。しかも同年代の女性もいる。しかし、ままよと思ってシャツを脱ぎ、書かれるがままになっていた。幸い、星観荘に来て日が浅いせいか、おフザケな言葉や模様は描かれずに済んだ。書かれている時に、Tさんが写真を撮ってくれた。後で送られてきた写真を見てみると、妙な流し目をして得意げな顔をしていて、カナリ恥ずかしかった。

書かれ終わったのでシャツを着、リュックを背負い、ヘッドライトを頭に付けて表へ出た。看板の横で記念撮影をし、皆が2列に並ぶ間を通って道路に出る。駐車場に私がしゃがみ、そのまわりを皆が丸く囲んで手を差しのばし、彦さんが「24時間コース、ファイト!」と叫ぶと皆が「オー!」と答える。これを3回繰り返した。その後皆が星観荘の前に1列に並び、私が端からハイタッチをして、最後に彦さんとハイタッチをして、金田の岬の方へ向かって出発した。目の前には真っ暗な闇があるばかりである。

これからどうなるのか、ちょっと不安でもあった。時計を見ると、21:30だった。


コメント
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