桑の海 光る雲

桑の海の旅行記・エッセー・書作品と旅の写真

大山

2013-08-19 23:30:05 | 旅行記

山陰旅行のついでに大山に登ってきました。
山陰地方にはなかなか来られないので、登るにはこの時しかないと思い、登ることに決めたのですが、旅の途中は荷物に登山靴が入っていて難儀しました。

8/11(日)

7:20米子駅発のバスで一路登山口の大山寺へ。途中のバスから見た山はガスがかかって見えません。まぁ、登頂が主目的なのでそれも良しとしましょう。
8:10に大山寺着。準備をして登っていきます。途中モンベルのショップがあるのにびっくり。
こんなところで商売ができるのかと思いましたが、営業しているということは、商売になっているんでしょう。ここから見上げる大山にはすっかりガスがかかっています。
8:30に登山口から登り始めました。はじめは石段や階段などがよく整備されています。しかし、階段登りは私は苦手です。しかもかなり暑く、その上この日は天気の良い日曜日ということで、かなりたくさんの人が登っています。既に下山してくる人もおり、この先の苦労が思われました。
大山は事前にも調べてわかってはいたのですが、先日登った荒島岳同様、ひたすら登りの連続。しかもかなりの斜度であるところも荒島岳によく似ています。1合ごとに標柱が立っているので、はじめは3合目まで頑張って登ったのですが、次は5合目、その次は6合目で休まないと登れないくらい、暑さと斜度に苦しめられました。そして、やはり人の多さ。これは最初からわかっていたことですが、やはりすれ違いを待ったり、追い抜いたり、追い越されたりすることが頻繁にあり、その都度登るペースが崩れてしまいます。小休止できるのはありがたいですが、この暑さの中でペースが崩れるのはやはりかなりきつかったです。
6合目までは風通しの悪い樹林帯が続きますが、6合目で樹林帯から出て稜線の灌木帯に出ます。ここからは暑い日差しの下でも涼しい風が吹き、また山頂部分が見えたこともあって、少し気を取り直して登ることができました。
山頂の手前で灌木の樹種が突然変化します。そう、山頂直下にある大山特産のダイセンキャラボクの背の低い林に入りました。この辺りからは植生保護のため、登山道は木道になっています。また、シモツケソウとシコクフウロのピンク、ミヤマアキノキリンソウの黄色が、ダイセンキャラボクの濃い緑とコントラストを成してきれいです。この辺りからは山頂付近も見えますが、山頂や避難小屋周辺にはたくさんの登山客が休んでいるのが見えます。その数およそ100人。今まで見た100名山の中で一番混雑した山頂かも知れません。
山頂に着くと、登り始めて2時間15分しか経っていませんでした。きつかったわりには時間がかからなかったのだなと驚きました。山頂標の下は休憩ができるようになっているのですが、30人ほどの団体が占領して写真撮影大会をやっており、周囲の登山客から顰蹙を買っていました。幸い彼らは避難小屋まで降りて昼食にすることにしたので、一気に山頂は人が少なくなり、そこで写真を写しましたが、1枚はやはり他の人の姿がしっかり入ってしまいました。写真を撮ってくれた人が気を利かせてくれ、他の人が入らない写真も写してくれました。
山頂ということですが、この弥山は本来の山頂ではありません。本来の山頂の剣ヶ峰は、登山道の崩壊が激しく行くことができません。しかし、遠く剣ヶ峰を眺めると、人が2人ほど見えます。後で調べると、東側の登山道から、熟達者なら登ることができなくはないとのことでした。
再び山頂が混雑してきて、ゆっくり昼飯も食べられないので、避難小屋の横で昼飯にしました。30分ほど休んで下山開始。下山ではあえて1度も休みませんでした。下りは1時間20分ほど。往復で3時間半でした。
下山後は旅館の日帰り入浴で汗を流し、モンベルショップで品物を見て回り、思いがけずキャップを衝動買いしてしまいました。
大山寺のバス停脇の展示館で、展示品を見つつ涼みながら時間をつぶし、バスに乗って米子まで戻りました。
バスには行きのバスでも一緒だった男性と私だけ。
バスを降りた後思わず「お疲れ様でした。」と声を掛けてしまいました。

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浅間山

2013-08-16 19:05:09 | 旅行記

8月3日に、幼い頃から日の沈む方に聳える山としてなじんできた浅間山に登ってきました。5時半に家を出て、高速で小諸へ。出発時点で浅間山には薄雲はかかっているものの、しっかり見えます。小諸インターで降りて高峰高原方面へ進んでいきます。天狗温泉に車を置き登り始めるのですが、さすがに夏の日曜日。駐車場は結構埋まっています。

温泉からはまず沢沿いの樹林帯を歩いていくのですが、鬱蒼とした樹林帯は、浅間山が活火山であることを忘れさせます。はじめは比較的に斜度のある登山道が続きます。ここを1時間少し登っていくと、突然樹林帯が切れて、硫黄のにおいが立ちこめる砂礫の谷に出ます。ここは天狗温泉の泉源のようで、沢の水は真っ茶色に染まっています。ここを過ぎてすぐのところにある、火山館という避難小屋で大休止をとりましたが、左手には黒斑山が聳えています。ここまでではまだ浅間山は見えません。

ここから浅間山をまつる鳥居をくぐり、古浅間山のカルデラに付けられたほとんど平坦な樹林帯の中の登山道を進んでいくと、黒斑山に向かう道の分岐点に出ました。この辺りは林床にマルバダケブキが群生しているのですが、私はこの花はちょっと雰囲気が怖くて好きではありません。以前甲武信岳に登ったとき、下草が全部このマルバダケブキというところがあり、気味の悪さに思わず足を速めてしまったこともあります。この分岐点を左に進んでいくと、南木佳士が小説のタイトルにもした「草すべり」という急斜面があり、ここを登ると黒斑山の山頂に出るのです。

さらに進んでいくと樹林帯から出て、右手に浅間山(前掛山)が現れます。登山道は山体に緩やかな斜度を持って付けられており、西側から北側へ回り込んだところが釜山火口への道と前掛山頂へ向かう道との分岐点となっています。斜度はあまりきつくなく、また活火山の割には足下がよく締まって歩きにくさは感じられません。前掛山も標高の低いところからだんだんとカラマツの若木が育ち、次第に標高の高いところへと勢力を伸ばしつつあるのがわかります。浅間山は7~800年おきに大噴火をしており、前回の天明の大噴火は約300年前なので、恐らく次に噴火する頃には、前掛山は山頂近くまで木々に覆われていることでしょう(釜山は火山ガスの影響で木々は育たないと思われます)。

分岐点の辺りからふと西側を見ると、雲の切れ間に雪を頂いた鋭い山が見えます。方角的に北アルプスの白馬連峰ではないかと思われました。晴れていればそうした素晴らしい景色を見られたと思いますが、浅間山周辺以外は雲に覆われ、下界も山の北側の嬬恋村のキャベツ畑と田代湖が見えるばかりです。

登山道が山体の北側に来たところが分岐点です。右手は山頂火口へ向かう道、左手は前掛山山頂へ向かう道です。数年前に小噴火するまでは、山頂火口の縁にある浅間山の最高点まで行け、火口を一周できたのですが、小噴火以降立ち入り禁止になり、その代わりにまず黒斑山山頂が、その後立ち入り制限が緩められた現在では、前掛山山頂が浅間山山頂と見なされています。

分岐点から前掛山に登り始めました。歩き始めてすぐに避難ドームがあり、ここで大休止にしました。この日は行動食のあめやキャラメルを忘れてしまったので、コンビニで買っておいたまんじゅうを食べました。エネルギー補給をして、もう一つの山頂である前掛山に向けて登っていきます。なだらかな斜面をゆっくり登るとすぐに山頂に着きました。この時にはさっき登った釜山にも雲がかかり始め、辺り一面がガスの中に入りつつありました。雲が切れたところを見計らって写真を写してもらいました。この後30分ほど、空が晴れるのを待ちましたが、晴れることはなく、ちょっと残念な思いのまま下山することにしました。

下りは不動の滝を見るルートを採りました。レンゲショウマという珍しい花がたくさん咲いていてとてもきれいでした。下山は2時間半ほどでした。下山後は登山口の天狗温泉で真っ赤な湯に浸かりました。去年の苗場山登山の後に秋山郷で入った赤い温泉と線質が全く同じでした。

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