桑の海 光る雲

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黄葉の浅間山

2018-10-19 22:57:32 | 旅行記
10/13(土)に教え子のTと浅間山に登ってきました。本来はお互いにかねてから念願していた甲斐駒ヶ岳・仙丈ヶ岳の登頂を計画し、前泊の宿と当日の山小屋の予約まで済ませていました。しかし、日曜日の天気が今ひとつで、結局またしても断念することとなり、やむなく代替として、Tが未踏の浅間山に登ることに決めました。
私は浅間山には一度登っていますが、秋には登っておらず、また高峰高原~黒斑山~仙人岳の外輪山の縦走も未経験だったので、ちょうど見頃だというカラマツの紅葉も見がてら、今シーズンの登山の締めくくりということで登ってきました。

天狗温泉にTの車を置き、私の車で高峰高原に向かいました。高峰高原では雲海の上に出て、高曇りでしたが八ヶ岳連峰が雲海の上に浮かんでいるのが見えました。

車坂峠から登り始め、緩やかな斜度の道を登っていき、途中車坂山から振り返ると、北アルプスの峰峰が一望でした。白馬岳から前穂高岳までが一続きの山並みとなって連なっています。思わず歓声を上げるとともに、その多くに登頂しているのは、いつものことながら感慨深いものがありました。

槍ヶ鞘で一気に視界が開け、目の前に深田久弥が「それはいつも厖大な容積(マッス)で、独占的な形で」と表現した浅間山本体の姿が現れました。トーミの頭からは眼下を見下ろすと、湯ノ平高原の樹林帯は、針葉樹の濃い緑と黄葉したカラマツの黄色とが見事なコントラストを見せていました。ここから黒斑山~蛇骨岳と稜線伝いに歩いて行きます。蛇骨岳からは北に四阿山から上信越国境の山々が眺められました。そして南を見下ろすと湯ノ平高原の見事な紅葉が広がっています。場所場所で写真を撮るのですが、Tはそんな私の姿までカメラに収めていました。途中ではカモシカの姿も見られ、ガスが流れてきたときには、ほんの一瞬でしたが私のすぐ背後にブロッケンが見られたりもしました。

鋸岳の手前からJバンドを下り、賽の河原に下りました。一面の砂地に、土壌のために背が低くなった黄色のカラマツ林が広がります。外輪山の下には真っ赤に紅葉したナナカマドも見え、針葉樹の緑、岩肌の灰色、空の青とのコントラストが見事です。

カラマツの背が高くなったあたりの賽の河原分岐で山頂に向かう登山道と合流し、いよいよ本格的な登りが始まります。の標高差約450メートル・約1時間のこの登りが、今回の山行で最も苦しく、何度も小休止せねばならず、同行のTには迷惑をかけてしまいました。以前ここを登ったときの記憶が全くないのは、おそらくそのときも相当苦労して登ったからだと思われます。

我慢してそこを登り切り、本来の山頂との分岐から前掛山の山頂へ向かいます。火山活動のためにしばらく登れなかった前掛山も、先月9月から登れるようになった関係で、山頂まではとても混んでいました。それにしても前掛山の山頂への道は、前掛山の外輪山をたどるように付けられており、また火山活動のために木が全く生えていないので、ほかの山に見られないユニークで不思議な光景が広がっています。混雑する山頂で写真を代わる代わる写すうちにガスが立ちこめて寒くなってきたので分岐まで戻ってお昼にしました。温かいものが身にしみました。

日も陰って一段と寒くなってきたので早々に下山することに決め、賽の河原分岐までは同じ道をたどり、賽の河原分岐から先は、登りとは別の、天狗温泉に下る道を取りました。こちらは以前私が浅間山に登ったときのルートですが、登り返しがほとんどなく、登りで疲れた体には楽なルートとなりました。途中に見事な滝もありました。天狗温泉は大賑わいだったので入浴は諦め、高峰高原ホテルで汗を流し帰途につきました。

今シーズンの登り納めでしたが、とにかくカラマツの紅葉が見事で、前回の登山では通らなかったルートも通ったので、二度目ながら新鮮な感動を味わうことができるとともに、Tと登頂の喜びを分かち合えたのもいい思い出となりました。

























コメント
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