桑の海 光る雲

桑の海の旅行記・エッセー・書作品と旅の写真

2010年7月礼文の旅⑤

2010-07-11 22:44:22 | 旅行記

7/4

今朝も曇り。島抜けの日なので問題はありません。港へ向かう途中エリア峠を越えると、やはり利尻山は見えません。滞在中では2日目にゴロタ岬でかろうじて見えただけでした。
見送りを受けてフェリーは出航しました。幸いこの便は客がやや少なめで、椅子席も結構空いており、余裕で座れました。本を読んだりうつらうつらしているうちに稚内に到着しました。
稚内では青い鳥でラーメンを食べ、本屋で立ち読みをし、お天気屋でリシリアンカレーを食べ、空港までバスに向かいました。この間約3時間。長いようであっと言う間でした。稚内駅がきれいなビル(しかも映画館が入っている!)になっていて驚きました。かつてお天気屋があった跡地に本屋が出来たのは大きい。1時間ほど時間をつぶせました。
後は機上の人となり、羽田まで戻ってきました。
今回の礼文は結局一度も夕日も利尻山も見えませんでした。利尻山はほんの一瞬だけ見えたんですがね。花もきれいなものもありましたが、一昨年に比べると、やはり花期が早かったり遅かったりずれていたりして、今ひとつでした。天気もガスばかりで今ひとつだったし、とにかく湿気が高く、礼文らしくなくなってきているのを実感しました。
ハイキングコースにもツアー客がかなり入っていました。以前もツアー客の人はいましたが、ハイキング目的でしっかりした装備の人が歩いていました。でも、今年多く目にしたのは、装備がきちんとしておらず、島内の名所見学にちょっとしたハイキングを組み込んだツアーに参加しているとおぼしき人達でした。だから、細い山道ですれ違う時のルールなどをわきまえていない人も多く、ちょっと閉口しました。
のんびりできたことと、うすゆきの湯という新しくできた温泉に入れたことだけが良かったことかな。ちょっと心残りの多い今年の礼文行きでした。まぁ、そもそもが大雪山に行くはずが、ゆわんと村が休館していて代わりに出かけた礼文だったので、仕方がないところもあるのですが。もちろん教え子と会えたのも良かったことですね。彼らと札幌でジンギスカンを食べたのがまだ10日前とは信じられません。もう1ヶ月くらい前のことのようです。
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2010年7月礼文の旅④

2010-07-11 22:42:42 | 旅行記

7/3

目が覚めると外は晴れています。今日こそは島の南へ行き、利尻山をバックに花々を見られるだろうと期待に胸が膨らみます。
ところが、星観荘を出発するやいなや、辺りは一面にガスで覆われてしまいました。島の南では晴れてくれるだろうと期待したのですが、フェリーターミナルでも状況は変わらず、今日も結局ガスの中で花を見て回ることになってしまいました。
バスで知床まで向かい、バスを降りて歩き始めました。今日は土曜日ということもあり、トレッキングツアーの人達がたくさん見られます。
俺達はまず秘密の花園と呼ばれる群落に向かいました。ここは時期によって、レブンコザクラやエゾノハクサンイチゲなどが見事な群落を作るところなのですが、何と今日目の前に広がったのは、礼文では秋を告げる花であるイブキトラノオの大群落でした。猫じゃらしのような形の白い花の穂が、一面に風に揺れているのは、それはそれは見事でした。イブキトラノオはあちこちで目にしていましたが、これほどの群落は初めて見ました。
あとは一昨年の復習のつもりで、見慣れた花を確認し、写真を撮り、のんびり桃岩まで向かいました。リシリソウを見られたのが収穫でしょうか。
その後クララの丘に向かうも、休日ということもあり、監視員がいて断念、ペーターの丘でお昼にし、ピーク268を経由して、香深の町に戻りました。今日の山歩きはずっとガスの中で、とても残念でした。
今日のもう一つの目的は、昨年できた温泉施設・うすゆきの湯に入ることです。火山島ではない礼文で、温泉施設は難しいと思っていましたが、地下深くで温泉を掘り当て、昨年秋に開業したのです。ようやく今日入ることができたのですが、なかなか気持ちよく、休憩室も広く、山歩きの後には最高だと思いました。今まで礼文では、山歩きをした後、すぐに汗を流せないのが難点でしたが、これでもう大丈夫です。
今日が最後なので、漁協ストアで昆布などを土産に買いました。
いよいよ明日は島抜けです。結局今回は一度も夕日を見られませんでした。きっと利尻山も見られないでしょう。
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2010年7月礼文の旅③

2010-07-11 22:41:27 | 旅行記

7/2

今日は天気が良ければ、島の南の方を歩き、去年できた温泉に入ろうと思っていました。
ところが、見送りに来た香深の港は霧雨。そこでまだ雨の降っていなかった北の方を歩くことにしました。
帰る途中で船泊の漁港でウニを買いました。もちろん俺がではなくて、星観荘でお客さんに出すためのものを宿主が買ったのです。一抱えほどある容器に1キロのむきウニが殺菌された水の入った袋に入れられ、氷が詰められ、これで一万円!
帰りに大備の浜の岩場にアザラシがたくさんいるのが見えたので、そこで車を降りました。ここの群れは50頭ほどで、陸に近いところにいるので、声も聞こえます。ウニを採る漁船が近づいたら一斉に岩場から海に逃げ込んだのも面白かったです。
今日は浜中から入り、チシマゲンゲの群落まで行き、澄海岬に戻り、あとは4時間コースを星観荘まで歩くことになりました。
始めのところは昨日も歩いたのですが、一緒に来ている人達に見頃の花を見てもらおうと、寄り道したわけです。でも今日はすっかりガスがかかってしまい、群落も他のお花畑もよく見られませんでした。
澄海岬に下りると、急に空が見えだしました。岬に上がると、このあたりだけ空が見えているのです。おかげで澄海岬の海の色も、波立っていたのは残念でしたが十分にきれいでした。それに昼時だけあって、ツアー客もおらず、とても静かでした。それに乗じて、ちょっといたずらして普通では見られない景色も皆で楽しみました。
西上泊の売店でお昼にし、弁当と名物のタコザンギもいただきました。一緒の人達はビールを飲んでご機嫌でした。
その後はすっかり晴れ上がった空の下、ゴロタ岬までひたすら歩き続けました。
ゴロタ岬に上がると、礼文岳の南側のさらに西側はガスに覆われているものの、島の北半分と東半分は晴れているのがよくわかります。利尻山も半分くらいは雲がかかっていましたが、だいたい見えました。
ゴロタ岬からこれから向かう方角を見下ろすと、素晴らしい眺めでした。一面のお花畑の真ん中に登山道が続き、遠くに青い海とスコトン岬、さらに遠くにトド島が見えます。ゴロタ岬にも何度も来ましたが、この時期にこれだけ美しい景色を見られたのはほとんどなかったと思います。いつもは疲れて下る登山道も、今日は気持ちよく進みました。
明日こそは、島の南を歩きます。明日こそは朝から利尻山が見えますように。

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2010年7月礼文の旅②

2010-07-11 22:39:54 | 旅行記

7/1

夜行バスの中では、運転手の休憩と交代の停車の時以外は熟睡でした。目が覚めたらお馴染みの稚内の町を走っていました。
トイレで洗面を済ませ、チケットを買って改札に向かうと既にツアー客の長蛇の列。ベンチに座って朝飯を食べている間にも続々と押し寄せ、しまいには初め並んでいた三倍程になってしまいました。
列の最後方に並びながら、これは久しぶりに通路に横になるのかなと思いながら船内へ。
ところがツアー客は決められたスペースに押し込まれており、船首の二等室は空いていました。船は全く揺れず(いつ出航したのかわからないくらいでした)久しぶりに船室で横になって寝られました。
礼文に着くといつもの顔がお出迎え。島はどんより曇っています。この天気では花を見るコースに限ります。宇遠内に下り、西上泊から浜中へ出て、バスで星観荘に戻ることにしました。
歩き始めて気付いたのは湿度の高さ。夕べの札幌でも感じたのですが、こんなところにも地球高温化が着実に進んでいることを感じてしまいます。
宇遠内への道は風もなく、じっとり汗をかきました。途中ではヒオウギアヤメ、フタナミソウ、オオタカネバラなどが見られました。霧が出ているので、どの花も生き生きして見えます。
宇遠内に下りた後も、もう何度も歩いた慣れた道。途中、エゾカンゾウ、チシママンテマ、イワギキョウなどを見ました。
このルートは実は花は多くありません。しかし、西上泊手前にはチシマゲンゲとレブンシオガマの群落があり、これが最後のお楽しみです。
林間の道の視界が開けると、左に群落が見えてきます。一帯は濃いピンク色に覆われています。以前はもっと花も多かったのですが、来るたびに減っているように思えます。
今年はレブンシオガマはちょうど見頃だったのですが、チシマゲンゲがやや花期を過ぎていたのが残念でした。でも、やはり俺はここの眺めは礼文では一番好きですね。しかも他の高山植物の群落と異なり、ごく近くまで近寄れるのも素晴らしいです。
そこを後にして西上泊に着きました。アトリエ仁吉で新しいストラップを買い、仁吉さんと少しだけ話して浜中に向かいました。フェリーで一緒だったとおぼしきツアー客がひっきりなしにバスでやって来て店に入ってくるので、商売の邪魔になっては申し訳ないですから。
浜中からはバスで帰ってきました。星観荘に着くと、何と一昨日の最終便で発送し、今日到着するはずの荷物が届いていませんでした泣き顔
幸い洗面道具は持ってきてあったし、夕べ脱いだ下着類もあったので、すぐに洗濯してピンチを切り抜けました。
今夜の星観荘は、客の平均年齢も高く、とても静かです。来るとたいていいる親しい知人は珍しくいません。しかし、星観荘で以前知り合った人の、実と義理のお母上お二人がいらしたのにはびっくりしました。
明日は天気はどうかなぁ?
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2010年7月礼文の旅①

2010-07-11 22:37:18 | 旅行記

6/30

今日から礼文に出かけます。限られた日数を有効に利用するため、稚内からの一便で島に渡る必要があります。かつては宗谷本線に利尻という夜行列車が走っており、夕方に飛行機で札幌に入り、これに乗り換えて稚内に向かっていたのですが、現在は夏の週末のみの運行になり、行きは平日になることが多い俺には使えません。
そこで一昨年に礼文に出かけた際は、札幌から稚内まで夜行バスを利用しました。確かに疲れましたが、夜行列車が使えないからには仕方がありません。
夜行列車や夜行バスを使うとなると、風呂に入らなくてはなりません。汗を流さず寝るのはどうしても嫌な俺です。今までは羽田空港のスカイラウンジや札幌駅前のサウナを高い金をかけて利用しましたが、今は幸いなことに、札幌在住の北大在学中の教え子がいます。彼らに飯をおごり、部屋でシャワーを借りれば安上がりです。
今年は幸いなことに、昨年担任したサッカー部のキャプテンが北大に進学したので、そいつの部屋でシャワーを借りることにしました。
そいつが札幌駅の改札口で手を降って俺の名を呼んでいるのを見たら、もう感無量で、涙が出るくらいでした。たに達の時もそうでしたが、大好きな北海道で、こうして教え子達と再会するたびに、教師冥利に尽きるなと思わずにはおれません。
さて、昨年のサッカー部からはもう一人北大に進学しており、そいつも一緒に来てくれました。二人のリクエストで、今夜は札幌ビール園でジンギスカンにしました。
ここに来るのは何と21年ぶりです。前回は初めての北海道旅行の時で、とても懐かしかったです。まあ、ジンギスカンは三年前に別の教え子達とすすきので食べたものより落ちますが、それを補うビールの美味さと懐かしい教え子との楽しいひとときを過ごすことができました。
ただいま稚内行きのバスの中です。前回に比べてかなり空いています。明日以降の天気はどうなりますやら。
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