みちのくの山野草

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三者火宅の譬え

2018-06-17 10:00:00 | 法華経と賢治
《『100分de名著『法華経』』(植木雅俊著、NHK出版)の表紙》

 さて、植木氏の「譬喩品」の解説はおおよそ次のように続く。
 彼(舎利弗のこと)は釈尊の言葉に納得し、ここで舎利弗に対して授記がなされたのだが、この段階で釈尊の説法を理解したのは舎利弗一人だけだった。
            〈『100分de名著『法華経』』(植木雅俊著、NHK出版)37p~〉
 そこで釈尊が説いたのが「三者火宅の譬え」 であり、それは次のような譬えだ同氏はいう。
 ある資産家が豪邸に住んでいました。…(投稿者略)…家が火事になりました。…(投稿者略)…子どもたちはまだ家の中にいます。火事はいかに危険なものかを知らないため、父親がいくら外から「逃げなさい」と言っても遊びに夢中になって耳を貸そうとしないのです。
 さて、どうするか。「そうだ、息子たちが日頃から欲しがっていたものがあった。おもちゃの羊の車と、鹿の車と、牛の車だ」と資産家は思い出し、それらをあげるから外に出てくるようにと言います。すると子どもたちはわれ先にと飛び出してきました。…(投稿者略)…――「三者火宅の譬え」 はそんな話です。
 火事になった家は苦しみに満ちた現実世界を意味します。同様に、遊びに夢中になっている子どもたちは刹那主義的な生き方で六道輪廻している衆生、資産家は如来、おもちゃの鹿の車・羊の車・牛の車はそれぞれ、声聞乗・独覚乗・菩薩乗、そして本物の牛の車(大白牛車)は一仏乗の譬喩です。
 続けて釈尊は言います。
 「…(投稿者略)…巧みなる方便という智慧によって、屋根と覆いが燃え上がっている老朽化した邸宅のようなこの三界から衆生を脱出させるために、三つの乗り物、すなわち声門のための乗り物(声門乗)、独覚果に到る乗り物(独覚乗)、菩薩のための乗り物(菩薩乗)を示されるのである」
            〈〃38p〉

 そして植木氏は、
 ここで釈尊は、超能力や神がかり的な救済を説いたのではなく、方便などの言葉を駆使して、子どもたちの自覚的行動を促したのです。
            〈〃39p〉
と解説し、「三者火宅の譬え」 の意味するところを下表のようにまとめていた。

            〈〃39p〉
 さて、私にとってはまだまだ解らないことだらけだ。しかし、この「三者火宅の譬え」という用語自体はかつて見たことがあり、こうしてその中身だけはまず知ることができた。そして、釈尊はこのような具体的な譬えを用いて説明していたのだということも知り、少しずつ法華経に対する拒否感が私になくなってきている。

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