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「後日改めてのご招待には応じない主義なんだ」

2005年02月19日 | パルプ小説を愉しむ
『古狐が死ぬまで』(ジャネット・ドーソン)で主人公の女性私立探偵ジェリ・ハワードが口説かれるシーンの台詞 -
  「今日は長い一日だったの。あとは熱いシャワーとひんやりしたシーツね」
  「ぼくは誘いを受けているのかな?」
  「今夜はだめ」
  「後日改めてのご招待には応じない主義なんだ」
ハードボイルドっぽくはないが、乾いた文章で丁寧にストーリーが展開されている。主人公のジェリ・ハワードは歴史を専攻し20世紀末の人類行動の研究と冗談を言いながら探偵をしている。身の上を積極的に語って女っぽさを出すことなく、淡々と仕事に打ち込むが、やはり話の流れで離婚暦があることも出てくる。ジェリを女として表現しているのは、登場人物の一人が口説こうとしているシーンくらい。あとは見事に女を消し去って物語りを進めている。
父親の友人であるフィリピン人の大学教授の殺人をめぐって、サンフランシスコ近隣に住むフィリピン移民とフィリピン富豪、父長制のなごり、世界大戦からの歴史に関わる人間関係などを織り込み、謎解きが始まる。

大学での専攻科目(歴史)と職業(探偵)がかけ離れていると言われたジェリが、探偵業について語る言葉がなかなかイカしている -
  「わたしはこの商売を20世紀末期の人間行動の研究と考える方が好きよ」
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