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『十二夜』 (シェイクスピア著)

2023年10月26日 | 読書雑感
ヴァイオラ:おなたのお人柄は分かりました、気位が高すぎます。
  だがたとえあなたが悪魔だとしても、実にお美しい。
  私の主人はあなたを愛しております。あのような愛には
  報いてあげなければなりません、たとえあなたが
  並ぶものなき美人であっても。
オリヴィア: どのように愛してくださるの?
ヴァイオラ: 神をあがめるように恋焦がれ、涙は滝のごとく、
  切ないうめき声は嵐のごとく、ため息は火を吹かんばかり。

(第一幕第五場)


公爵: だからおまえも年下の女を恋人を持べきだ。
  さもないとおまえの愛は長続きしないぞ。
  女とはバラの花、その美しさははかないいのちだ、
  散っていくのも一瞬、咲かないかのうちだ。
ヴァイオラ:それが女です、悲しいことにそれが女です、
  花の盛りと見えるときが、散り行くときとおんなじです。

(第二幕第四場)


セバスチャン: ありがとう、アントーニオ、
  おれにはありがとうと言うほか何の俺もできない、
  ほんとうにありがとう。このようにせっかくの好意が
  ただの言葉でしか報いられない例はよくあること、
  だが、おれの財産がおれの真心のど豊かであれば
  ちゃんとお礼がしたい気持ちはわかってくれ。

(第三幕第三場)

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