べんりや日記

住まいのこと、情報発信!

工場加工中

2008-11-13 20:44:59 | 蓮潟町 T邸(越後杉)


11月も中旬という季節ですが、晴れ間が続きます。
外部仕事にはうってつけの天気です。
蓮潟T邸の基礎コンクリート打ちも無事終了し、型を外して今月末の建て方を待つばかり・・
とはいえ、肝心の加工がまだ終わっていない・・
高寺の工場にて、丸太やプレカットで対応できない仕口、継ぎ手を加工しています。
(間に合うだろうか??)

渡りアゴ加工はプレカットで対応できるということで、残る通し柱に差す「長ほぞ差し鼻栓打ち」部分はこちらで刻みます。
大まかな部分をプレカット、特殊な部分は手刻みという手法で、加工手間を一気に短縮しようというもの。
これまで墨付けで1ヶ月以上かかっていた部分が短縮できるし、高さの間違いも無いので楽です。
込み栓に関しては、角栓ではなく、丸栓になってしまうのが心残りですが・・



本格的な刻みをすれば2ヶ月近くは掛かってしまうので、年内の建て方は不可能。
雪の降る前に建てて、外部を塞ぎたいところです。
とはいえ、同時に外装工事1件、ユニットバス工事を1件挟んでいるため、思うように刻みが進まないので気ばかりが焦る。


写真は、プレカット後に工場に搬入した通し柱の先端。
「重ホゾ」という形状で、ここに2本の横架材「梁」と「桁」が差さります。
まず、「梁」が通る部分は通常の平たいホゾとなっていて、その上に差さる「桁」部分は梁と直行しているため、3センチ角の棒状になっています。
梁と桁は渡りアゴにて止まるので、通し柱が中から突き通されることで、堅固になります。更に、梁と通し柱を「込み栓」にて緊結。
これを「折置(おりおき)」と言い、伝統的な小屋組みの一つの手法で、耐震に優れた方法です。

在来木造では、平ホゾのみで桁に差さり、金物で固定。さらに桁に梁が乗り、これも金物で固定をするのが一般的です。


そして、小屋組みだけでなく、2階台輪、土台も通し柱に長ホゾが差さる加工を施すことで、通し柱が自立する骨組みを目指します。
今回は、3間×4間の建物(総2階建て24坪)で6本の通し柱です。
普通は4本なのだろうけれど・・5寸だし・・しかも、玄関先に丸太は立つし・・
屋根形状のデザインもかっこいいという・・・
造形大学の学生さんたちとか、通学しているみたいだから、木造の可能性とか追求するいいきっかけになるカモ。


プレカットがどこまで出来るか、一通り試した中で、問題点とか把握できたので、更なる発展型を思案中です。(全建連の200年住宅はまだまだ先かな~金物仕様にレベルを落として土台を4.5寸に上げれば200年住宅仕様ですから・・オール県産材だから国産材は十分クリアーしてます。)




通し柱の下は、土台が差さるようにプレカット済み
通常は土台に柱が差さるのですが・・全く逆です。
その効果は??・・・・絶大です。柱が自立します。(建て方は大変です)




通し柱に差さる伝統仕口は、自前で墨付け
長ホゾ差し鼻栓打ち(左)、小根柄シャチ栓打ちメス側(右)
右奥はプレカットの鎌継ぎ(メス)
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丸太 皮むき

2008-10-29 20:37:07 | 蓮潟町 T邸(越後杉)


最近は、荒れた日々です。
冬型の気圧配置により、西側の寒い季節風が吹き、雨も時々どしゃぶりになります。

先週までの晴れた日が続いたのが嘘のようです。

このまま、冬に突入するのか?
そんな中、蓮潟町T邸の基礎鉄筋工事、台町W邸の外装工事が行われています。
どちらも外仕事で、思うように、はかどらない・・
雨風は耐力を奪い、仕事のやる気を失わせます。

明日は、久しぶりに曇ベースなので、明日を期待しましょう。
(どうでもいいけど、北日本海側だけなのね・・この天気・・)

さて、工場では蓮潟T邸の丸太皮むき作業が行われています。
玄関先に本屋までこの丸太がドーンと立っている。そういった建物になります。

今回は建て方まで時間がないので、こういった機械加工できないものを手加工に・・それ以外の機械に任せられる部分はプレカットに注文しています。
プレカットといっても、在来木軸ではなく、伝統構法の組み手にしてもらいました。
「渡りあご」「長ホゾ」は、プレカットでも可能とのことなので、大まかな部分を機械加工。それゆえ、材木は人工乾燥となっています(殆ど越後杉ドライ材)。
予算が無いけれど、木組みがしたいという場合に備えての実験ですが、どんな感じに加工できたか、楽しみです。
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割り栗石地業 蓮潟T邸

2008-10-22 20:43:31 | 蓮潟町 T邸(越後杉)


本日もいい天気。でも終末から崩れそうな模様です。
前線通過と共に寒気が東北中心に入り込み、冬型の天候となりそう・・
雪が降ったりして。
今年の冬は早いのか?

さて、蓮潟町T邸の基礎工事ですが、栗石地業は終了し、既に捨てコンクリートが打ってあります。
割り栗石地業とは、1個1個、12センチの大きさの石を並べていく作業です。
布基礎の場合は基礎の底面60センチを川堀り(かわほり)し、そこに石を敷き詰めていました。
ベタ基礎の場合は、その応用で前面栗石を敷き詰めます。

他は、おそらく砕石をユンボで敷きならすだけでしょう。
そちらのほうが、手間が要らず安上がりです。

でも、地震の時、砕石は崩れて流れてしまい、コンクリートとの間に隙間が生じ、最悪の場合はコンクリートが沈下してしまいます。
中越地震では、そういった現象が多々見られました。カーポート等の土間ならば支障は無いのでしょうが、基礎となれば家自体が傾いてしまう。

栗石を敷き詰めた場合、石は転がり、ゆすられるのでしょうが、流れることはない。
しかも、栗石は地面に突き刺すように置いていくので、石がかき混ぜられることもないのです。

手間はかかるのでしょうが、地震を考えた場合は有効です。
石が整然と敷き詰め終わった状態は、圧巻です。
でも、直ぐに目潰し砂利を敷いて、転圧作業を行い、捨てコンクリートを打ち込むので、そういった光景を目の当たりに出来るのは、極・稀なのです。
コメント (8)
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