『「話す」「書く」「聞く」能力が仕事を変える! 伝える力』 池上彰・著、PHPビジネス新書、2011年11月11日
p.30 こうしたとき、私は「わかったつもりは怖い」と痛感したものです。それとともに、事実や物事に対して「謙虚になることが大切」であると身に沁みて感じました。知ったつもりになっても、実は知らないことは、誰しも山ほどあります。謙虚になれば、それが見えてきます。逆にいうと、謙虚にならないと何も見えてこないし、成長も上達もしません。
p.80 業績が秀でていたり、事業が成功したりしても、愛される人と疎まれる人がいます。この違いは、謙虚さの有無、あるいはその程度の差にあるように思います。愛される人は、たとえ血の滲むような努力をした結果、成功を収めたとしても、「皆さまのおかげで、ここまで伸びることができました」と、謙虚な姿勢や雰囲気を持っているものです。
一方、疎まれる人は「オレの才覚で、ここまできたんだ。どうだ、スゴイだろう」という雰囲気がそこかしこから漂う人です。
p.86 言っている内容はまったく同じでも、人間の心理というのは不思議なもので、認められていることを前提に注意を促されると、素直に納得し、聞き入れ、これからは改めようと思うものです。
p.30 こうしたとき、私は「わかったつもりは怖い」と痛感したものです。それとともに、事実や物事に対して「謙虚になることが大切」であると身に沁みて感じました。知ったつもりになっても、実は知らないことは、誰しも山ほどあります。謙虚になれば、それが見えてきます。逆にいうと、謙虚にならないと何も見えてこないし、成長も上達もしません。
p.80 業績が秀でていたり、事業が成功したりしても、愛される人と疎まれる人がいます。この違いは、謙虚さの有無、あるいはその程度の差にあるように思います。愛される人は、たとえ血の滲むような努力をした結果、成功を収めたとしても、「皆さまのおかげで、ここまで伸びることができました」と、謙虚な姿勢や雰囲気を持っているものです。
一方、疎まれる人は「オレの才覚で、ここまできたんだ。どうだ、スゴイだろう」という雰囲気がそこかしこから漂う人です。
p.86 言っている内容はまったく同じでも、人間の心理というのは不思議なもので、認められていることを前提に注意を促されると、素直に納得し、聞き入れ、これからは改めようと思うものです。
「三鷹の経営者 18人の金言集」 岡本己知男・編、三鷹商工会異業種交流プラザ、2010年11月12日
p.39 「一か八かに賭けるのも一つの手かもしれないが、もうけを焦ってはいけない。商売は人と人とのつき合いだ。長く続くためには、だまされる側になれ。だましちゃダメだ。たとえだまされても、グチは言うな」
p.44 品質管理をしっかりして、品質保証すること。不良品を出さないこと。良くも悪くもそれは、必ず自分のところにはね返ってきます。
p.71 これからは規模を大きくするよりも付加価値を高める時代です。
p.93 人と競争しなくていいようにするには、人がやっていないことをやればいいんです。そして少し違うことをする。あそこのオヤジは面白いことが好きそうだから、と相談に来てくれて開発につながる。この連続です。もちろん成功しないことも多かったです。
p.119 次に続く者を伸ばすには、任せればいいんです。上の者の役目は、つまずいた時を見逃さず手を差し伸べて、ほころびを作らないようにすること。大きな穴にしないように見守ることだと思っています。
p.147 将来の日本のためになることなのに、目先の利益のことばかり考えているようじゃあ、日本もおしまいだね。
p.39 「一か八かに賭けるのも一つの手かもしれないが、もうけを焦ってはいけない。商売は人と人とのつき合いだ。長く続くためには、だまされる側になれ。だましちゃダメだ。たとえだまされても、グチは言うな」
p.44 品質管理をしっかりして、品質保証すること。不良品を出さないこと。良くも悪くもそれは、必ず自分のところにはね返ってきます。
p.71 これからは規模を大きくするよりも付加価値を高める時代です。
p.93 人と競争しなくていいようにするには、人がやっていないことをやればいいんです。そして少し違うことをする。あそこのオヤジは面白いことが好きそうだから、と相談に来てくれて開発につながる。この連続です。もちろん成功しないことも多かったです。
p.119 次に続く者を伸ばすには、任せればいいんです。上の者の役目は、つまずいた時を見逃さず手を差し伸べて、ほころびを作らないようにすること。大きな穴にしないように見守ることだと思っています。
p.147 将来の日本のためになることなのに、目先の利益のことばかり考えているようじゃあ、日本もおしまいだね。
「インフルエンザワクチンはいらない」 母里啓子・著、双葉新書、2010年12月26日
p.31 疫学調査とは、一例起こった時はまれな例でたまたまかもしれないけれど、二例起こったら「はてな」と思い、三例あったら調査しろ、と言われるものなのです。
p.56 正確にはインフルエンザで亡くなっているわけではありません。インフルエンザにかかり、肺炎を起こして亡くなっていることが多いのです。高齢者のインフルエンザによる肺炎というと、インフルエンザのウイルスが悪さをして重症化するように考えがちですが、そうではありません。高齢者のインフルエンザによる肺炎のほとんどが、誤嚥性肺炎です。
高齢者はもともと飲み込みが悪く、寝たきりで流動食の食事を摂っていることも多いものです。インフルエンザにかかることで、さらに気管支の状態が悪くなり、誤嚥が起こりやすくなり、肺炎を起こすのです。
p.78 ワクチンを打ちたくない。でも拒否することもできない。いったいどうしたらいいんでしょうか。せっぱつまった看護師さんからそんな相談を受けたこともあります。「病院で私はワクチンはしない主義です、なんて言ったらだめですよ。卵アレルギーで、インフルエンザワクチンはちょっとダメなんです、と言って上手に断りなさい。嘘も方便です」私はそんなふうにお答えしていました。
p.110 日本では大手マスコミがあrだけ脅かし、国民総接種の流れを作り、世論を動かし、全国民分のワクチンを用意したのです。戦争に突入する時もこういう経過を取るに違いないと空恐ろしさを感じるような流れでした。
けれど、それでも結局、新型インフルエンザワクチンを打ったのは2000万人程度。実際に打った人数としてはいつもの季節性インフルエンザワクチンと同じくらいです。国民全員がワクチンに走ったわけではない。私はここには、救いがあると思うのです。
p.133-4 BCG(BCGワクチン)を打っているから結核にならないでしょうと思われるかもしれませんが、BCGで成人の肺結核を予防することは難しいと考えられています。では何のためにBCGを打つかというと、これは、幼児の結核の中でも重症化した、結核性髄膜炎、粟粒結核を防ぐためです。それだけのためです。結核性髄膜炎、粟粒結核の年間の患者はあわせて10人程度。
将来結核になるか否かは、ワクチンを打ったかどうかには関係ありません。
p.135 日本の結核対策をなんとかしなければと言われますが、これは、ワクチンで何とかできる問題ではありません。時たま高齢者に出る結核は、かつて感染した結核菌が、高齢になり、免疫力でおさえられなくなったために出てきたものです。今の若い人は結核菌に遭遇したことがないので、結核菌に遭遇したからかかるわけです。でもそれはBCGのワクチンでは防げません。
p.197 病気にかかること、うつすこと、うつることは、決して悪いことではありません。人は病気にかかりながら強くなるのです。すべての病気を予防しよう、病原菌やウイルスは排除しよう、撲滅しようと考えることは不自然だし、ワクチンで自然界にある病気を撲滅できると考えるなど、人間の思い上がりではないでしょうか。
p.31 疫学調査とは、一例起こった時はまれな例でたまたまかもしれないけれど、二例起こったら「はてな」と思い、三例あったら調査しろ、と言われるものなのです。
p.56 正確にはインフルエンザで亡くなっているわけではありません。インフルエンザにかかり、肺炎を起こして亡くなっていることが多いのです。高齢者のインフルエンザによる肺炎というと、インフルエンザのウイルスが悪さをして重症化するように考えがちですが、そうではありません。高齢者のインフルエンザによる肺炎のほとんどが、誤嚥性肺炎です。
高齢者はもともと飲み込みが悪く、寝たきりで流動食の食事を摂っていることも多いものです。インフルエンザにかかることで、さらに気管支の状態が悪くなり、誤嚥が起こりやすくなり、肺炎を起こすのです。
p.78 ワクチンを打ちたくない。でも拒否することもできない。いったいどうしたらいいんでしょうか。せっぱつまった看護師さんからそんな相談を受けたこともあります。「病院で私はワクチンはしない主義です、なんて言ったらだめですよ。卵アレルギーで、インフルエンザワクチンはちょっとダメなんです、と言って上手に断りなさい。嘘も方便です」私はそんなふうにお答えしていました。
p.110 日本では大手マスコミがあrだけ脅かし、国民総接種の流れを作り、世論を動かし、全国民分のワクチンを用意したのです。戦争に突入する時もこういう経過を取るに違いないと空恐ろしさを感じるような流れでした。
けれど、それでも結局、新型インフルエンザワクチンを打ったのは2000万人程度。実際に打った人数としてはいつもの季節性インフルエンザワクチンと同じくらいです。国民全員がワクチンに走ったわけではない。私はここには、救いがあると思うのです。
p.133-4 BCG(BCGワクチン)を打っているから結核にならないでしょうと思われるかもしれませんが、BCGで成人の肺結核を予防することは難しいと考えられています。では何のためにBCGを打つかというと、これは、幼児の結核の中でも重症化した、結核性髄膜炎、粟粒結核を防ぐためです。それだけのためです。結核性髄膜炎、粟粒結核の年間の患者はあわせて10人程度。
将来結核になるか否かは、ワクチンを打ったかどうかには関係ありません。
p.135 日本の結核対策をなんとかしなければと言われますが、これは、ワクチンで何とかできる問題ではありません。時たま高齢者に出る結核は、かつて感染した結核菌が、高齢になり、免疫力でおさえられなくなったために出てきたものです。今の若い人は結核菌に遭遇したことがないので、結核菌に遭遇したからかかるわけです。でもそれはBCGのワクチンでは防げません。
p.197 病気にかかること、うつすこと、うつることは、決して悪いことではありません。人は病気にかかりながら強くなるのです。すべての病気を予防しよう、病原菌やウイルスは排除しよう、撲滅しようと考えることは不自然だし、ワクチンで自然界にある病気を撲滅できると考えるなど、人間の思い上がりではないでしょうか。
「経営問答塾 一流への道」 鍵山秀三郎・著、致知出版社、2008年7月17日
p.10-11 私は会社の人に有能な人になってもらおうとは思わないのです。それよりも、いい人になってもらいたい。有能な人になるのはなかなか大変ですけれども、いい人になろうと決意をするならば誰でもなれるからです。どうしたらなれるかというと、日々自分の心のあり方を見つめて問い直していく。
p.11 いい人になってもらいたいと思ったわけですが、そのためにはどうしたらいいか、と私は考えました。そのためには、自分の会社のことだけを考えていてもよくはならないのです。もっと世の中に目を向けて、そこを変えることをしなくてはいけない。
p.20-1 私は、はるか遠くにある理想に向かって、およそどう考えても近づいているとは思えないようなスピードで進んでいきました。
よくあんな苦難に耐えてきたな、よく我慢したなと言われることがありますが、それができたのは、ゆっくりとではあっても間違いなく自分の理想に向かって進んでいるという確信があったからです。それが支えとなりました。
p.27 「チャンスという神様は準備をして待つ者を好む」
p.50 反対に、どんなに小さなことであっても、それをやれば人が迷惑する、あるいは、それを怠れば人が迷惑ということを知っていてやるということについては、私は放っておきません。
p.63 このように時々起こる難しい問題を節と呼ぶならば、その節を越えて行くために必要なのは大きな志を持っているかどうかです。これが大条件になると思います。単なる自分の欲望を満足させる程度の志しか持っていないと、苦難に耐えるような我慢はできません。しかし本当に大きな志を持っていると、今直面している難題を乗り越えていく苦労や努力が大したことないと思えるようになるのです。
p.72-3 そういう(大変な)困難に遭ったときは「なんでこんなことをはじめちゃったのかなあ」と思いました。しかし、そのたびに「理想的な会社をつくろうとしてはじめたことだ。理想に近づくためには、これくらいの困難は当たり前だ」という気持ちが湧いてきました。そして、創業のときの気持ちを思い返して、マイナスの気持ちを排除してきたわけです。
p.78 経験には一つだけ欠点があります。それは、どんなものでも一度経験してしまうと前には戻れないということです。
だから私がいつも申し上げているのは、小さなことでもよくないことは経験しないほうがいいということです。これは子供も大人も一緒。
p.83 不安とか恐怖感というのは経営者にはなくてはいけないものです。不安感、恐怖感がない人は経営者にはなってはいけません。ですから、今、どうなるのだろうという不安があるというのは、経営者としての資格があるということなんです。
p.88 暇なときに暇にしていれば、それがますますお客様を遠ざけていくわけですね。だから、その暇なときにしかできないことを予め用意しておいて、客足が途絶えたら自然とそれができるようにしておくことが大事なのです。
p.93 もう一つ大切なのは、自分の会社だけよくしようとしてもなかなかよくならないということです。まず町全体をよくしなければいけません。
お店の売り上げだけなんとかしようという考えではなくて、街をよくしよう、いや、そんな小さな考えにとどまらずに、日本の国をよくするんだというくらいの考え方でやっていったときに、はじめてお店が変わっていくと思うのです。
p.112 社風というのは、大事なものであるけれども、それはなかなか守り難くて育て難いものであるということをまず知っていただきたいんです。そして、自分の信念を貫く限りは大いに妥協をして、しかもその妥協に飲み込まれないようにしていただきたい。
p.131 いざというときは社長がちゃんと守ってくれるという風土が会社にできました。それが社員の自信にもつながっていくのです。
p.132 (職務のために頑張ってくれる)そのためには、まず社長が自分の会社の方々に信頼されること。信頼されなければ条件闘争になります。条件闘争が先に出るようだとしたら、信頼されていないというふうに思っていいでしょう。信頼される会社にするのは社長の使命だと思いますね。
p.135 稼ぐのは決して悪いことではありませんが、その稼いだお金の使い方で、その人間がわかります。
心を使うことが大事なのです。そのためにお金も使うし、労力も使うし、時間も使う。そういう使い方ができるようになったときに、はじめて人間の器というものが少し大きくなるのだと、私は信じています。
p.141 お客様を感動させようとするならば、自分が感謝をする。今日お客様に感謝をすると、それがお客様の感動につながる。感動したお客様は、絶対のお客様につながっていくということですね。
そういう善の循環に入っていくことがとても大事だと思います。給料が少なくてもやる方法を考えるよりも、社員はお客様に感謝し、お客様は感動するという感動と感謝の連鎖をつくることです。それが待遇とは関係のない世界をつくりあげていくというふうに私は思います。
p.149 経営者というのは、眠れないほど心配するのが仕事なのだろうと思います。毎晩ぐっすり眠れるようでは経営者の資格はないと思うんですね。私だって、こんな年になっても、なかなか眠れなくなることがあります。そういうときは、寝よう寝ようと思わないで起きています。
p.150-1 行動には必ずチャンスがついてきます。何も行動しないで佇んでいるだけでは、決してチャンスはやってきません。行動にしかチャンスはついてこないというふうに考えて、たとえ未熟で拙劣な行いであってもやり続けることです。私にはそれしかできなかったのです。うまい考えなんか何もありませんでした。ただ自分のとった決断に対して自分が責任をとろうと思っただけでした。
p.157-8 言い訳というものは、この波紋のようなものです。じっと黙っていれば最初の波紋は消えるのに、言い訳をしたために次々と波紋ができて広がってしまいます。
p.189 今ある商品を売る努力を怠っておいて、次の製品開発でしのごうとするのは誤りであると思うのです。今現在お持ちの商品が拒否されたから、それを一気に挽回するような製品を開発しようというのは、基本的な考えが誤っているように思います。
p.198 感動される人間になるためにはどうしたらいいか。
自分にとって割に合わないことを次から次へと笑顔で進んで引き受けて、やり遂げればいいのです。そのときにはじめて、人は「よくもあんなことをやったなあ」と感動してくださるわけです。
p.203 壁が現われたらどうしたらいいのか。簡単に取り除ければ一番いいのですが、いつも取り除けるとは限りません。そういうときは、理想や目標を当初よりもさらに大きくして、壁の向こうが見えるくらいにしてしまえばいいのです。そうすれば、目標を失わずに歩き続けることができると思いますね。
p.204-5 日々の心がけとして、目の前に生じた不利なこと、不都合なこと、少々理不尽だと思うことであっても、なんとかそれを成し遂げられるものであれば引き受けてやっていくことも大事です。しかし、何もかも引き受けるというのではなくて、自分の中に一つの厳然たる基準を持って、その基準を超えたことに対しては、相手が誰であっても何であっても拒否するという強さも持っていただきたいと思います。
p.207 「困難と失敗とを同一視するほど危険なことはない。今は困難なだけでまだ失敗ではない」
p.208 「目標に近づけば近づくほど困難の質と量は比例する」
逆にいうと、困難の度合いが高まれば高まるほど、実は目標に近づいているということなのです。
p.215 「お客様は議論をしたり知恵比べをする相手ではない。お客様と議論をしたり知恵比べをして勝った者は一人もいない」
p.217-8 会社を大きくするというより、質のいい会社にすると自然に大きくなってくると私は思うのです。
今はとにかく会社の質を高めることです。それが自然に量の確保につながっていくのではないでしょうか。
さらに言うと、教える技術やメカニックの知識ももちろん大事ですが、最大のサービスは指導員の人格を高めることに尽きると私は思います。
★★★★★
p.10-11 私は会社の人に有能な人になってもらおうとは思わないのです。それよりも、いい人になってもらいたい。有能な人になるのはなかなか大変ですけれども、いい人になろうと決意をするならば誰でもなれるからです。どうしたらなれるかというと、日々自分の心のあり方を見つめて問い直していく。
p.11 いい人になってもらいたいと思ったわけですが、そのためにはどうしたらいいか、と私は考えました。そのためには、自分の会社のことだけを考えていてもよくはならないのです。もっと世の中に目を向けて、そこを変えることをしなくてはいけない。
p.20-1 私は、はるか遠くにある理想に向かって、およそどう考えても近づいているとは思えないようなスピードで進んでいきました。
よくあんな苦難に耐えてきたな、よく我慢したなと言われることがありますが、それができたのは、ゆっくりとではあっても間違いなく自分の理想に向かって進んでいるという確信があったからです。それが支えとなりました。
p.27 「チャンスという神様は準備をして待つ者を好む」
p.50 反対に、どんなに小さなことであっても、それをやれば人が迷惑する、あるいは、それを怠れば人が迷惑ということを知っていてやるということについては、私は放っておきません。
p.63 このように時々起こる難しい問題を節と呼ぶならば、その節を越えて行くために必要なのは大きな志を持っているかどうかです。これが大条件になると思います。単なる自分の欲望を満足させる程度の志しか持っていないと、苦難に耐えるような我慢はできません。しかし本当に大きな志を持っていると、今直面している難題を乗り越えていく苦労や努力が大したことないと思えるようになるのです。
p.72-3 そういう(大変な)困難に遭ったときは「なんでこんなことをはじめちゃったのかなあ」と思いました。しかし、そのたびに「理想的な会社をつくろうとしてはじめたことだ。理想に近づくためには、これくらいの困難は当たり前だ」という気持ちが湧いてきました。そして、創業のときの気持ちを思い返して、マイナスの気持ちを排除してきたわけです。
p.78 経験には一つだけ欠点があります。それは、どんなものでも一度経験してしまうと前には戻れないということです。
だから私がいつも申し上げているのは、小さなことでもよくないことは経験しないほうがいいということです。これは子供も大人も一緒。
p.83 不安とか恐怖感というのは経営者にはなくてはいけないものです。不安感、恐怖感がない人は経営者にはなってはいけません。ですから、今、どうなるのだろうという不安があるというのは、経営者としての資格があるということなんです。
p.88 暇なときに暇にしていれば、それがますますお客様を遠ざけていくわけですね。だから、その暇なときにしかできないことを予め用意しておいて、客足が途絶えたら自然とそれができるようにしておくことが大事なのです。
p.93 もう一つ大切なのは、自分の会社だけよくしようとしてもなかなかよくならないということです。まず町全体をよくしなければいけません。
お店の売り上げだけなんとかしようという考えではなくて、街をよくしよう、いや、そんな小さな考えにとどまらずに、日本の国をよくするんだというくらいの考え方でやっていったときに、はじめてお店が変わっていくと思うのです。
p.112 社風というのは、大事なものであるけれども、それはなかなか守り難くて育て難いものであるということをまず知っていただきたいんです。そして、自分の信念を貫く限りは大いに妥協をして、しかもその妥協に飲み込まれないようにしていただきたい。
p.131 いざというときは社長がちゃんと守ってくれるという風土が会社にできました。それが社員の自信にもつながっていくのです。
p.132 (職務のために頑張ってくれる)そのためには、まず社長が自分の会社の方々に信頼されること。信頼されなければ条件闘争になります。条件闘争が先に出るようだとしたら、信頼されていないというふうに思っていいでしょう。信頼される会社にするのは社長の使命だと思いますね。
p.135 稼ぐのは決して悪いことではありませんが、その稼いだお金の使い方で、その人間がわかります。
心を使うことが大事なのです。そのためにお金も使うし、労力も使うし、時間も使う。そういう使い方ができるようになったときに、はじめて人間の器というものが少し大きくなるのだと、私は信じています。
p.141 お客様を感動させようとするならば、自分が感謝をする。今日お客様に感謝をすると、それがお客様の感動につながる。感動したお客様は、絶対のお客様につながっていくということですね。
そういう善の循環に入っていくことがとても大事だと思います。給料が少なくてもやる方法を考えるよりも、社員はお客様に感謝し、お客様は感動するという感動と感謝の連鎖をつくることです。それが待遇とは関係のない世界をつくりあげていくというふうに私は思います。
p.149 経営者というのは、眠れないほど心配するのが仕事なのだろうと思います。毎晩ぐっすり眠れるようでは経営者の資格はないと思うんですね。私だって、こんな年になっても、なかなか眠れなくなることがあります。そういうときは、寝よう寝ようと思わないで起きています。
p.150-1 行動には必ずチャンスがついてきます。何も行動しないで佇んでいるだけでは、決してチャンスはやってきません。行動にしかチャンスはついてこないというふうに考えて、たとえ未熟で拙劣な行いであってもやり続けることです。私にはそれしかできなかったのです。うまい考えなんか何もありませんでした。ただ自分のとった決断に対して自分が責任をとろうと思っただけでした。
p.157-8 言い訳というものは、この波紋のようなものです。じっと黙っていれば最初の波紋は消えるのに、言い訳をしたために次々と波紋ができて広がってしまいます。
p.189 今ある商品を売る努力を怠っておいて、次の製品開発でしのごうとするのは誤りであると思うのです。今現在お持ちの商品が拒否されたから、それを一気に挽回するような製品を開発しようというのは、基本的な考えが誤っているように思います。
p.198 感動される人間になるためにはどうしたらいいか。
自分にとって割に合わないことを次から次へと笑顔で進んで引き受けて、やり遂げればいいのです。そのときにはじめて、人は「よくもあんなことをやったなあ」と感動してくださるわけです。
p.203 壁が現われたらどうしたらいいのか。簡単に取り除ければ一番いいのですが、いつも取り除けるとは限りません。そういうときは、理想や目標を当初よりもさらに大きくして、壁の向こうが見えるくらいにしてしまえばいいのです。そうすれば、目標を失わずに歩き続けることができると思いますね。
p.204-5 日々の心がけとして、目の前に生じた不利なこと、不都合なこと、少々理不尽だと思うことであっても、なんとかそれを成し遂げられるものであれば引き受けてやっていくことも大事です。しかし、何もかも引き受けるというのではなくて、自分の中に一つの厳然たる基準を持って、その基準を超えたことに対しては、相手が誰であっても何であっても拒否するという強さも持っていただきたいと思います。
p.207 「困難と失敗とを同一視するほど危険なことはない。今は困難なだけでまだ失敗ではない」
p.208 「目標に近づけば近づくほど困難の質と量は比例する」
逆にいうと、困難の度合いが高まれば高まるほど、実は目標に近づいているということなのです。
p.215 「お客様は議論をしたり知恵比べをする相手ではない。お客様と議論をしたり知恵比べをして勝った者は一人もいない」
p.217-8 会社を大きくするというより、質のいい会社にすると自然に大きくなってくると私は思うのです。
今はとにかく会社の質を高めることです。それが自然に量の確保につながっていくのではないでしょうか。
さらに言うと、教える技術やメカニックの知識ももちろん大事ですが、最大のサービスは指導員の人格を高めることに尽きると私は思います。
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