何かをすれば何かが変わる

すぐに結論なんて出なくていい、でも考え続ける。流され続けていくのではなくて。
そして行動を起こし、何かを生み出す。

インフルエンザワクチンはいらない

2012-09-03 22:05:17 | Book Reviews
「インフルエンザワクチンはいらない」 母里啓子・著、双葉新書、2010年12月26日

p.31 疫学調査とは、一例起こった時はまれな例でたまたまかもしれないけれど、二例起こったら「はてな」と思い、三例あったら調査しろ、と言われるものなのです。

p.56 正確にはインフルエンザで亡くなっているわけではありません。インフルエンザにかかり、肺炎を起こして亡くなっていることが多いのです。高齢者のインフルエンザによる肺炎というと、インフルエンザのウイルスが悪さをして重症化するように考えがちですが、そうではありません。高齢者のインフルエンザによる肺炎のほとんどが、誤嚥性肺炎です。
 高齢者はもともと飲み込みが悪く、寝たきりで流動食の食事を摂っていることも多いものです。インフルエンザにかかることで、さらに気管支の状態が悪くなり、誤嚥が起こりやすくなり、肺炎を起こすのです。

p.78 ワクチンを打ちたくない。でも拒否することもできない。いったいどうしたらいいんでしょうか。せっぱつまった看護師さんからそんな相談を受けたこともあります。「病院で私はワクチンはしない主義です、なんて言ったらだめですよ。卵アレルギーで、インフルエンザワクチンはちょっとダメなんです、と言って上手に断りなさい。嘘も方便です」私はそんなふうにお答えしていました。

p.110 日本では大手マスコミがあrだけ脅かし、国民総接種の流れを作り、世論を動かし、全国民分のワクチンを用意したのです。戦争に突入する時もこういう経過を取るに違いないと空恐ろしさを感じるような流れでした。
 けれど、それでも結局、新型インフルエンザワクチンを打ったのは2000万人程度。実際に打った人数としてはいつもの季節性インフルエンザワクチンと同じくらいです。国民全員がワクチンに走ったわけではない。私はここには、救いがあると思うのです。

p.133-4 BCG(BCGワクチン)を打っているから結核にならないでしょうと思われるかもしれませんが、BCGで成人の肺結核を予防することは難しいと考えられています。では何のためにBCGを打つかというと、これは、幼児の結核の中でも重症化した、結核性髄膜炎、粟粒結核を防ぐためです。それだけのためです。結核性髄膜炎、粟粒結核の年間の患者はあわせて10人程度。
 将来結核になるか否かは、ワクチンを打ったかどうかには関係ありません。

p.135 日本の結核対策をなんとかしなければと言われますが、これは、ワクチンで何とかできる問題ではありません。時たま高齢者に出る結核は、かつて感染した結核菌が、高齢になり、免疫力でおさえられなくなったために出てきたものです。今の若い人は結核菌に遭遇したことがないので、結核菌に遭遇したからかかるわけです。でもそれはBCGのワクチンでは防げません。

p.197 病気にかかること、うつすこと、うつることは、決して悪いことではありません。人は病気にかかりながら強くなるのです。すべての病気を予防しよう、病原菌やウイルスは排除しよう、撲滅しようと考えることは不自然だし、ワクチンで自然界にある病気を撲滅できると考えるなど、人間の思い上がりではないでしょうか。


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