何かをすれば何かが変わる

すぐに結論なんて出なくていい、でも考え続ける。流され続けていくのではなくて。
そして行動を起こし、何かを生み出す。

日本一心を揺るがす新聞の社説2

2012-02-13 22:09:11 | Book Reviews
「日本一心を揺るがす新聞の社説 希望・勇気・感動溢れる珠玉の43編 水谷もりひと・著、ごま書房新社、2011年5月10日

p.29 人間も、イメージチェンジするくらいなら髪型や洋服を変えるだけでいいが、人間として一回り大きくなるときは、それまでの経験が全否定されるほどに挫折する。それは、より大きな試練にも耐え得る「3階建て」の構造に根本から造り直さなければならないからだ。

p.32-3 「今のあなたは、成功の人生を送るうえでどうしても必要な経験を集めているだけ」

p.38 「常識は賞味期限付きの価値観だ」

p.41 「組織の中ではベテランの能力が、ある日突然陳腐化していくという現象が起きる。だから『今まで何をやったか』ではなく『これから何がやれるか』ということで人の価値が量られる時代なんです」

p.48 転ぶことが失敗じゃない。時には転んだままゆっくり考えればいい。子どもも、大人も、社会も、もっと考える時間があったらいい。

p.61 「『生きたい』と臓器移植を待っている人がいる。かすかな希望を抱いて京都いう日を必死で生きている人がいる。自殺したらそんな人に申し訳ないじゃないか。『死にたい』と言うんじゃなくて、そんな時は『死にたいほどつらい』と言おうよ」

p.69 息を引き取った後、医療処置が行われ、娘が髪を洗い、化粧をした。すべてが終わったあと、ドクターが亡くなった昌子さんに向かって深々とお時儀をした。二女の麻里さんは、「あのドクターの姿が忘れられません。命の重みを知っている人だと思いました。頑張った患者に対する最敬礼でした」と泣きながら笑顔で話していた。

p.73 手塚さんが本当に描きたかったのは、科学万能の、夢のような未来ではなく、アトムの苦悩ではなかったのか。ロボットなのに人間の心を持っていたアトムはよく悩んでいた。対人関係や善悪の葛藤に・・・。
 科学は、いつも人間の心を持ち続け、そして悩み続けたほうがいい。「安全だ」と言い切れるものなどどこにもないのだ。

p.83 なるほど、私たちはお客になった瞬間、もてなされたいのだ。もてなされているという実感、それを感動という形で味わいたいものだ。サービスとはそのためにある。

p.87 商品の魅力は、商品そのものの品質や機能より、その商品が持っている「物語」にある。たとえば、「この商品がどうやって誕生したのか」なんていう「物語」がブランドになっていくのだ。
 人も物もみんな「物語」を持っている。それがその人の、その物の、魅力なのだ。

p.94-5 なるほど、楽しい人生とは、ただ脳天気に生きる快楽主義ではなく、「あなたがいて良かった」と言われる人生を送ること。

p.106 「生徒はお客様である」と考えると、授業中寝ていたり、さぼったりしていても本気で怒ることができないが、「保護者や社会がお客様である」と考えると、お客様にとって望ましい人間に育てることが学校の役割となる。真剣にならざるを得ない。

p.107 「ビジネス」とは、1年間、勉強を教えた生徒が、「先生、勉強が楽しくなりました」とか、「算数が面白くなりました」「国語が好きになりました」など、子どもたちにこう言わしめてこそ、プロの教師であり、子どもは本当の意味で育つのだと思う。その結果、子どもたちの後ろにいる保護者や社会の顧客満足度を上げることができる。

p.110-1 メル友といいなすが、友だけじゃだめです。友情が必要です。熱があるだけではだめなんです。情熱が必要です。
 戦後日本人は、「情事」とか「義理と人情」というように、じくじくした人間関係を嫌い、お互いのプライバシーに踏み込まないような、あっさりとした人間関係を好んだ。しかし、今日のようにカラッカラに乾いてしまった社会にはむしろ「情」という水分を補給して潤う必要があるという。
 「そしてその湿り気は涙ではないか」と五木さんは言う。

p.187 誰かがやらなければならないこと。それを村上春樹氏は「雪かき」と言った。
 つまり、雪かきは誰かを喜ばすためにするのではなく、その道を通る人たちがいつものように、普通に歩いて行けるように事前にやっておくのだ。

p.189 誰も見ていないし、誰からも勝算されることはない。それでも、その地味な作業を誰かがやらなければならないし、そういうことをする人がいることで、実は社会全体はうまく回っている。世の中の仕事とはそういうものなのだ。
 社会からの無言の賞賛を感じる感性を持っていないと、「こんなことやってられるか!」という気持ちにもなるだろう。



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