朽ちていった命

「朽ちていった命―被爆治療83日間の記録―」　ＮＨＫ「東海村臨海事故」取材班、新潮文庫、2006年10月1日

　致死量をはるかに越えて放射線被爆した人を、無理かもしれないと思いつつ、できる限りを尽くした、医療と放射能との死闘。作業がずさんだった、安全確保が疎かだったといって切り捨てるのは簡単。どういう原因であれ、命を救おうとするのが医療。

　手を離したらおしまい。だけど、どうやっても引き上げられない。いつまでこの状態を続けていったらよいのか。どうして欲しいのか、何がしてあげられるのか。無言の患者との対話。混乱する自身における葛藤。

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