『なぜトヨタは人を育てるのがうまいのか』 若松義人・著、PHP新書379、2006年。
さすがトヨタというか、著者のトヨタに関係する書を読むたびに、歴代の管理者や社風にカイゼンが根づいて今の発展があるのだと思うが、最近、ときどきトヨタの不祥事も聞くので、トヨタといえども綻びもあるのかなと思うこのごろである。
「成功しろ」から「失敗してもいい」への発想転換(p.82)
何がなんでもクリーンヒットを打たなきゃダメというのでは、結果に怯えて萎縮してしまい、成長にもつながらない。むしろ三振してもいいから、思い切ってやって、どんな結果になろうとも、そこから学べば進歩もあろう。もちろん何の準備もなく、開き直ってやれということでもない。
「失敗」というのが、薬局では「健康被害」「危害」のようにイメージしてしまうのか、“失敗してもいいから”という行動が少ないように思う。手術してメスさばきを誤って、大出血しても仕方ない、といったふうに拡大解釈してしまうのか・・・。
それなりの準備をして、最善を尽くして・・・、このような部分がこれまで欠けていたのではないか。一生懸命やっても患者さんが十分ではない、というのであれば、どこに不十分に至った原因があるのかを探し出して、次からに生かせばいいのではないか。
そもそも薬局は外科治療と違って、ただちに大きな健康問題になることも少ない。もう少し思い切った行動してはどうかと思う。
「できそうにない」と「できない」は違う(p.132)
これは大野耐一氏の言とはいえ、以前からここだけはすんなり受け入れられない部分だ。やってみもせずに・・・と言うのがわからぬでもないが、改善を求める程度が、桁外れに現状と異なるようでは、無理難題もほどほどにして欲しいと思わざるをえない。超えるハードルの高さを徐々に上げていくことに異論はないが、それでも予算を一桁削りつつ10倍の結果求めるようなことに対し、「やってみもせずに」と言われるのは理不尽だと思う。
皆で知恵を出し合い、どこかにできる道があるのだと考え、打開を計れというのが言わんとすることのようである。そうであれば、「やってみもせずに、できないと言うな!」と怒るのではなく、真意のほうで改善を促すべきではないかと思うのだ
さすがトヨタというか、著者のトヨタに関係する書を読むたびに、歴代の管理者や社風にカイゼンが根づいて今の発展があるのだと思うが、最近、ときどきトヨタの不祥事も聞くので、トヨタといえども綻びもあるのかなと思うこのごろである。
「成功しろ」から「失敗してもいい」への発想転換(p.82)
何がなんでもクリーンヒットを打たなきゃダメというのでは、結果に怯えて萎縮してしまい、成長にもつながらない。むしろ三振してもいいから、思い切ってやって、どんな結果になろうとも、そこから学べば進歩もあろう。もちろん何の準備もなく、開き直ってやれということでもない。
「失敗」というのが、薬局では「健康被害」「危害」のようにイメージしてしまうのか、“失敗してもいいから”という行動が少ないように思う。手術してメスさばきを誤って、大出血しても仕方ない、といったふうに拡大解釈してしまうのか・・・。
それなりの準備をして、最善を尽くして・・・、このような部分がこれまで欠けていたのではないか。一生懸命やっても患者さんが十分ではない、というのであれば、どこに不十分に至った原因があるのかを探し出して、次からに生かせばいいのではないか。
そもそも薬局は外科治療と違って、ただちに大きな健康問題になることも少ない。もう少し思い切った行動してはどうかと思う。
「できそうにない」と「できない」は違う(p.132)
これは大野耐一氏の言とはいえ、以前からここだけはすんなり受け入れられない部分だ。やってみもせずに・・・と言うのがわからぬでもないが、改善を求める程度が、桁外れに現状と異なるようでは、無理難題もほどほどにして欲しいと思わざるをえない。超えるハードルの高さを徐々に上げていくことに異論はないが、それでも予算を一桁削りつつ10倍の結果求めるようなことに対し、「やってみもせずに」と言われるのは理不尽だと思う。
皆で知恵を出し合い、どこかにできる道があるのだと考え、打開を計れというのが言わんとすることのようである。そうであれば、「やってみもせずに、できないと言うな!」と怒るのではなく、真意のほうで改善を促すべきではないかと思うのだ
問題が報じられた当時の関係部門の責任者による「欠陥車でないため、リコールに相当しない」ということの理由を説明したコメントを聞いて、天下のトヨタの品質管理及び、安全性確保に対する認識がこの程度かと驚き、トヨタ車に対する信頼を失いました。
営業人を育てるのはうまいのかも知れませんが、肝腎の品質問題ではどうでしょうか。
トヨタに在籍していれば、皆“鍛えられて育てられて完成された人”というわけではないでしょうが、本を読む限り、人づくりの側面では学ぶべきものが多いと思います。
こと品質や安全に携わる人が、適切に育てられているかどうかは、私もよくわかりません。本に出てくるのは、製造部門を例に挙げられている例がほとんどである印象ですし。
また伝説の人物も、今は退社された人が多く、現在もどれだけその体質が根づいているのかどうか、という疑問もあります。改善といいつつ、改悪されてしまっているおそれはないかとか。