何かをすれば何かが変わる

すぐに結論なんて出なくていい、でも考え続ける。流され続けていくのではなくて。
そして行動を起こし、何かを生み出す。

そうそう、これが欲しかった

2009-05-23 15:49:25 | Book Reviews
「そうそう、これが欲しかった 感性価値を創るマーケティング 小阪裕司・著、東洋経済新報社、2007年7月19日

p.21-2 感性消費の時代にお客さんが求めているのは、生活必需品なのかどうかではない。それで、生活が面白くなるかどうかである。「生活が面白くなるかどうか」を「心の充足」と言い換えてもいい。

p.29 マーケティングの目的とは「買う」と行動してもらうことなのだし、人が行動しなければ売上げはないということなのだから、こうして人の行動に着目することが、マーケティング活動の本質だ。

p.87 感性価値創造は、単にお客さんのニーズを満たすマーケティングではない。この活動が目指しているのは、お客さん自身が、それまで気づいていなかったニーズや欲求を発見し、それを満たすために商品を購入することである。つまり、お客さんのニーズに頼るのでなく、お客さんのニーズを創造するマーケティングなのだ。

p.91 しかし、消費者志向の多様化への具体策はそれだけではない。もう一つの具体策は、多様化に対応しないことである。
 それはお客さんの要望に応えないということではないが、それより売り手からの感性価値創造の営みを通じて、お客さんの感性を徐々に売り手の感性に近づけていくのである。

p.125 お客さんが、次の行動にいかにスムーズに移ってくれるか。そのために必要なことを考えることが、感性消費行動デザインの肝だ。人は、動機付けをしないと行動しない。にもかかわらず、行動を妨げる要素を排除したり軽減したりすることが大切だという点には、気づいている人が少ない。

p.129 お客さんが探していたものは、商品ではない。今よりもっと面白い自分の毎日、心の充足である。そしてそれに出合ったことで満ち溢れてくる気持ちは、新鮮な驚きを伴った発見の喜びである。

p.135 「なぜ、味噌系は鮭のように売れないんだろう?」
 つまり、もともと味噌系を好むお客さんが少ないのではなく、店側が味噌系おむすびの価値を十分に伝えていないため、お客さんの心のなかに鮭ほどの価値が生じていないと考えたのだ。

p.166 このように自分自身のことや、企業自身のことを語ることは、関係性の構築に大きな効果を発揮する。これは自社で取り扱っている商品やサービスの説明とは異なる。人間関係を築き、育むための要素である。

p.172-3 往々にして関係性のマネジメントによってすぐ見られる変化は、お客さんとの関係性の質的変化である。
 一言でいうと、お客さんとのコミュニケーションが「気持ちいいこと」に変化するということだ。具体的には、「お客さんの感じが違う」「お客さんがクレームを言うときも、優しい感じがする」といった感触が得られるようになる。また、漠然と「お客さんとの関係性が変わった」と感じることもある。
 関係性のマネジメントに取り組んで、最初に表れてくるのは質的な変化である。反応率の向上や、流出率の改善といった量的な変化は、その後で表れてくることが多い。

p.176-7 こうして顧客との関係性が育まれ、常に企業とのコミュニケーションが行われていくと、顧客感性の育成が可能になる。お客さんがよりあなたの声に耳を傾けるようになり、あなたから商品やサービスを買い、それらを味わい、あなたから提供された情報を蓄積するようになる。
 お客さんの感性が育つということは、商品やサービスを見る目が肥えるということだ。その結果、自分たちが提供する商品やサービスの価値がわかるお客さん、「違いがわかる」顧客になってくれる。
 では、顧客感性の育成のためには何が必要だろうか?
 それは、あなたの商品やサービスに関する情報を常に発信し、教育・啓蒙し続けることだ。

p.225 このナレッジ・マネジメントには、ナレッジの進化と社員のやる気の向上という二重の効果があるのである。

p.232 リッツ・カールトンでは「サービスは科学である」という考え方を持っている。神秘的なサービスは、実はしっかりとした計画性のある仕組みの構築と運営に支えられている。
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