何かをすれば何かが変わる

すぐに結論なんて出なくていい、でも考え続ける。流され続けていくのではなくて。
そして行動を起こし、何かを生み出す。

悪口の技術

2009-05-05 12:24:21 | Book Reviews
「悪口の技術」 ビートたけし・著、新潮文庫、2005年2月1日

p.93 人間は「不幸」についてはその時その時に感じるけど、「幸福」ってのは振り返ってみた時にしかわからない。

p.108 要するに先進国っていうのは、自分の考えじゃなく他人の評価とか付加価値とか、そういうもので豊かさが計られる社会なんだ。

p.117-8 アントニオ・ガウディがつくったサグラダ・ファミリアなんか、何が凄いかっていえば、絶対に完成しないってこと。

 「永遠に完成しないもの」を見つける、終わりがないと知りながら作り始める、いつか出来る日を夢見て作り続ける。健康や満足なんてものもそうかもしれない。それを提供することに係れるということは、案外幸せな機会を与えられていると思わなきゃいけないのかもしれない。

p.131 (芸能界は)いくら長くいても、クサヤやチーズにはならない。

 何かになろうと思わなくても、自然と毎日を送るだけで、成熟できるとしたら素晴らしい。寝て過ごしていたわけじゃない。脚光を浴びたいとなど思わず、精進を続けることも素晴らしいことだ。誰もがそうなれるわけじゃないだろう。何かをしたのではなく、何かを大事にしていたから、クサヤやチーズになれたのだろう。

p.133-4 最も成熟した動物、究極の進化の形態は何かっていえば、「共生」だっていう説があるだろう。中でも最も完成された共生は、パンダとコアラとイルカだって。地球上で一番強い人間に守ろうって思わせているからってわけ。

 日頃はお世話になっていながら、その相手のために何かしてあげたい、守ってあげたいと思われる存在になるという。いつか、そういうふうに思われたとしたら本望だ。

p.141 林家三平師匠や藤山寛美さんなんて、家を出た後はすべて芸だと思っていたらしい。酒の飲み方もカネの使い方も、人生みんな芸だって。

 職場だけが仕事場ではない。家を出てから、帰宅するまでが「芸」。「・・・道」かもしれない。家の中ではどうでもいいわけじゃないが、唯一、普通に戻ればいい。そこも「芸」と思いたきゃ思えばいい。
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