何かをすれば何かが変わる

すぐに結論なんて出なくていい、でも考え続ける。流され続けていくのではなくて。
そして行動を起こし、何かを生み出す。

正確な調剤は、本質的な要望か

2007-02-11 22:20:33 | くすり雑感
 顧客、お客様に提供すべき満足が、「安さ」の会社もある。」牛丼の吉野家なら「早い安いうまい」であって、「早い」が最重要の提供すべき満足になる。

 建築系から、設計品質による満足度もあろうし、施工品質によるものもあろう。ただし、こうした表現は往々にして誤解を招く。「設計品質に施工品質というなら、いつもわれわれがめざしているものと同じ」。そんな言葉が技術屋的発想の強い読者から返ってきそうだ。現状の技術屋さんたちが、めざしているのは「図面どおり」の「品質」であって、お客様が心の底から満足するかどうかという「品質」ではない。「図面どおりにきちんと、こんなに良いものを作ったんだから、さあ満足しろ」、これはCSとは呼ばない。
(『ISO9000’sが会社をつぶす』山崎裕司・著、日刊建設通信新聞社、1999年、p.196)


 調剤過誤・調剤事故はどんなに注意していても、わずかながら発生する。なかなかゼロにならない。それをゼロにしようと、処方せんに書いてある通りの薬剤調製に対して、多大なエネルギーを投じられていることが多い。相当、神経をすり減らしていることも見受けられる。それで過誤や事故が減ったとしよう。ゼロになったとしても、(冷たいようだが)それはあくまでも「処方せん通りに棚から薬を用意した」にすぎない。

 いくら薬局側が、事故が減った・過誤はゼロだと喜んでも、それで質の高い調剤サービスをしたとはいえない。患者にとっては当たり前の話だからである。よって患者満足提供したことにはならない。患者が期待する「質の高いサービス」とは、その先の、もっと別の視点にあるからである。

 薬局が、過誤・事故を減らすは最低限ことにすぎず、患者から薬局への期待し、要望する本質はそれではない。患者にとって過誤・事故がないのは、必要条件であるが十分条件ではない。だから過誤・事故がないことをもって、薬局側は満足していてはいけない。質の高いサービスができているなどと安心していたら、それは錯覚ではないか 
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ISO9000sが会社をつぶす

2007-02-11 17:00:52 | Book Reviews
 副題は、「間違っていた建設会社の導入方法」。

 「ISO9000’sが会社をつぶす」(山崎 裕司・著、日刊建設通信新聞社)

 書名だけ見てISOの批判本だと思った人は面食らうだろう、ボクシングでいうカウンターパンチを浴びるがごとく。「ほらみたことか、だからISOなんて必要ないんだって言っていたダロ?」などと早合点した人は、もはや救われない。

 99年に発行されたものだが、94年版とか2000版かといったことは関係ない。2001年4月に建設関係の入札資格にISO9000シリーズが必要とされたが、建設業界ではやむなく取得したところも多いだろう(今では、改正されちるようだが)。その時点での建設業界に対して向けられたものであろうが、今読んでみるとそこに書かれている内容は建設業界に限ったことではない。また今でも十分参考になることが多い 
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リンナイとパロマ、違いと共通点(2)

2007-02-11 14:30:32 | 思いつくまま
 開放型小型湯沸かし器による死亡事故で、リンナイはその事実を知っていたにもかかわらず、公表してこなかった。「公表する」ということは、利用者の安全を第一に考えているということであり、「公表しない」ということは、隠蔽と言われ、避けられた事例を回避できず被害を拡大するおそれがあることは、パロマの事件から学んでいたことと思う。

 なぜ、公表しないで今まで来てしまったのか。
・今ごろになって公表すれば、隠していたという批判を浴びることを恐れた。
・パロマの事件で世間の目が厳しい中、同業者が今頃になって過去のことを“公表する”ということが、「いい子」になろうとしているのではないかと別の意味での批判を恐れた。ただでせ、同じ名古屋の老舗である。
・使用者が換気を怠ったことが原因であり、湯沸かし器そのものや修理体制の問題ではないから、パロマとは異なると考えていた。
・問題のある機種について警告を出すといっても、松下電器がストーブの修理、回収を呼びかけているのを見て、TVや新聞など、その費用が莫大になるのを心配した。あれだけ呼びかけても、完全に回収が難しい、費用に見合わないと思ったのか・・・。

 「常に換気された状態で使う」と言っても、天候、気温や騒音、室内が見えるなどの事情で、ユーザーは必ずしもその通りに使うとは限らないのは、十分想定できよう。「少しくらいなら大丈夫では・・・」が昂じるのだから。

 すすがたまると不完全燃焼を防止する機能が作動しなくなるというのだから、そういう事態を想定して、たとえユーザーが誤った使い方をしたとしても被害が起きないためのフェイルセーフを万全にしておくべきだった。とすれば、湯沸かし器の機能・性能にも問題があるといえないか。

 パロマの事件を知ったときには、もはや自社の事実を出せなかったリンナイ。本来なら、ここぞとばかり機種を変更してもらうシェア拡大のチャンスなのに、そういえばなんとなくおとなしくみえた。今にしておもえば不自然だった。

 教訓すら活かせない状態に置かれていた悲劇というべきだろうか。湯沸かし器業界でなくても、こういう事件を教訓に、日本中の安全が優先する組織では、内部での安全管理体制を即刻見直すべきかもしれない。

 リンナイもISO9001を取得している。パロマが事実を小出しに出したことで、真実がどこにあるのかわかりにくくなってしまったことや、国への報告や被害者の対応で誠意が見られないことを見ているだろうから、せめてそういう負の教訓だけは踏襲しないでもらいたい 
 
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リンナイとパロマ、違いと共通点

2007-02-11 12:59:45 | よくわからないこと
リンナイCO中毒 パロマと異なる構図

 安全なはずのガス機器で再び明らかになった悲劇に、一夜明けた10日もリンナイ(名古屋市)は対応に追われた。被害は5件。既に3人が死亡した。一方、警視庁が家宅捜索に乗り出したパロマ工業(同)製品を巡っては21人の死亡が明らかになっている。被害はこれですべてなのか? 機器に構造的な欠陥は無いのか? 実態解明に注目が集まる。

 今回の5件の事故のうち3件は、東京ガスがリンナイ製の湯沸かし器を自社ブランドで販売していた。東京ガスによると、リンナイ製は、パロマ製と異なり、使用時の換気が不可欠で、設置時の説明や取扱説明書、機器に張ったシールなどにより、ユーザーに換気するよう呼び掛けていた。

 両社の製品は、ともに室内に設置するが、パロマ製は台所や浴槽など数カ所に給湯できる大型タイプ。ファンを回して煙突を通じ、屋外に強制排気する。

 これに対し、リンナイ製は主に台所だけに給湯する小型タイプ。屋外ではなく室内に排気するため換気が不可欠だ。不完全燃焼の際の安全装置も装備しているが、繰り返し使用しているうちにバーナーのそばにある、不完全燃焼を感知するセンサーに、すすが付着。正常に作動しなくなる可能性が分かっている。

 さらに一酸化炭素(CO)中毒という共通点はあるものの、「改造」の有無で大きく異なる。

 リンナイ製の器具による事故では、これまでのところ改造例は見当たらず空気供給口にすすやほこりなどがたまり、不完全燃焼を起こしたとみられる。

 一方、パロマ製の器具による事故は主に改造後に発生。室外に排気するための排気ファンが作動しない場合、ガス供給がストップする安全装置があったが、修理業者による不正改造で事故が発生したケースが目立つ。 (毎日新聞 2007.2.10 より)


 事故の原因というか、湯沸かし器の用途や構造には違いもあるが、だからといって死者を出してしまったという点では同じ。果たしてパロマはパロマ、リンナイはリンナイか。
<続く>
Comments (3)
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