新・むかごの日記

高槻市に在住の、人間と自然が大好きな昭和1桁生まれの爺さんです。
出かけるときはカメラ連れ。
目標は毎日1記事です。

ザクロの実:石榴(東西ザクロ話)

2005-11-21 06:40:13 | 植物観察1日1題
夏、万緑叢中紅一点と赤い花をつけていたザクロ(7月26日記事参照)が、今赤い果実を付け、大きく裂けた割れ目から多数のルビーのような液果(種子の外皮)を覗かせています。 
先日一緒に歩いていた友人から、子供のとき母親にザクロを食べてはいけないといわれてきたと聞きうれしくなりました。鬼子母神伝説が本当に生きていたからです。
鬼子母神は、4人の子を成しているのに、他人の子を奪って食ったので、釈迦が彼女の最愛の末っ子を隠して戒めたので、女神が悔い改めたとき、釈迦は「汝これより人の子を食う勿れ、もし人肉を食わんと思うならばこの果を食べよ」とザクロの実を与えたとの説話より、鬼子母神は安産、育児の守り神となったというのです。その友人は幼少の頃病弱で母親が鬼子母神に願を掛けたお返しに、鬼子母神の食べ物であるザクロを食べることを自分の子に禁じたという実話だったのです。
ザクロ:石榴(ザクロ科ザクロ属)は、小アジア原産で、世界各地で栽培され、日本には平安時代薬用または観賞用として移入されたといわれます。
欧米では、お祭りにつきもののめでたい果物とされているらしく、先年亡くなったローズマリー・クルーニーが出世曲Come on-a my houseで歌っている“I’m gonna give you a marriage ring and a pomegranate”のpomegranateはザクロの実のことです。ついでに手榴弾の英語grenadeは古いフランス語のザクロから来た語で、丸い殻が割れて中から赤い火(実)が出るところがザクロとそっくりということなのでしょう。
最近、ザクロの果汁に女性ホルモンのエストロンが含まれていて、老化や更年期障害に効き目があると話題になりましたが、疑問もあるようです。
樹上の実の写真を撮りたかったのですが高くて諦め、机上の写真となりました。後でこの見事な実を頂きましたが、甘酸っぱいジュースが口いっぱいに広がり、いかにも薬効があるような気がしました。
(7月26日記事参照)