酒タバコ肥満撲滅委員会

市民マラソンを楽しみながら、酒とタバコと肥満は嫌いだ、と呟く日常をうだうだと。

大地雷だったらしい、ふじのくに新東名マラソン

2011-12-01 07:14:13 | マラソンあれこれ
開通前の高速道路ではマラソン大会やウオーキング大会を開催したりします。
ふじのくに新東名マラソンもそういった大会です。
2度目はまずない(開通したら通行止めにしてまでは、まずやらない)ので、意外と人気があったりします。

で、ふじのくに新東名マラソンは大地雷大会だったようです。

ネット情報で色々伝わってきていますが、トイレットペーパーやあるはずの給水がなかったとか、参加者は大変だったようです。

なによりも致命的なのは、最長で17kmも給水がなかったランナーがいたこと。
しかも当日は26.5度と11月にしては暑すぎる気象条件。

そもそも、記事によると、一人あたり紙コップ2杯(300ml)というフルマラソンにしては非常識な量しか用意していなかったそうですから、そりゃ中盤以降のランナーは紙コップも水も残っているはずはないよなぁ。
こんな量じゃ気温が上がらなくても後方は水切れになりますよ。

秋口のマラソンは、急に気温が上がることがよくあります。
ずいぶん前に、東京国際女子マラソンに一般男子ランナーが出たときも主催者の用意が甘かった上に気温が上がって給水が足りず、異常なほど完走率が下がったことがありました。
この時の参加資格はかなり厳しく(たしか3時間前半の持ちタイムがないと出られなかった)、参加したランナーのレベルはけっこう高かったにも関わらず、異常なほどの低完走率、その理由はほとんどなかった給水と高気温でした。

たとえ真冬のフルマラソンでも300mlしか水がなかったら、絶対に足りません。
ましてや、高速道路のように自販機も私設エイドも期待できない場所では、きちんと用意しないと生命に関わります。

実質的な運営は静岡陸協東部支部だったそうですが、陸連がやる大会って見込みが甘くて混乱する大会が結構あるんですよね。
特にブームになって人数が増えて様々なレベルのランナーが増えたのに、昔の感覚で甘く考えていて失敗したという話は良く聞きますし、私自身も体験しています。
どうやら陸連の頭の中には、本格派ランナーしかイメージできない人が多すぎるようです。

この手の話題が出ると、水持って走れとか遅いおまえが悪いとかの意見が出ますが、そもそも7時間制限と決めたら初心者が多数出ることを想定して用意するのは義務です。
後方ランナーの給食がなくなったという話はたまに聞きますし、ある程度はやむを得ない気もしますが、給水は命に関わります。

参加された方、お疲れ様でした。

絶望街道、死の行軍 (runnetの大会レポートより)

ゴールが6:00以内程度だった2700人ほどのランナーは、不手際や苦痛を感じる程度で済んだかもしれませんが、そのタイムを超えた2000人は、誇張抜きで生命と健康の危険を感じました。不手際や不都合の謝罪ではなく、2000人もの人々に生命の危険を感じさせたことへの謝罪がないことに怒りを覚えているのです。主催の静岡新聞社やSBSテレビによる「快晴の中の大成功の大会」というニュースで終わらせてよいのでしょうか。側溝水をすすらざるをえなかった屈辱感、倒れる人々を見捨てた罪悪感、高架からの逃げ道もなく、リタイアしても救護される目途がつかない恐怖・・・。ゾンビのようにうつろな目で歩く群れが、一人倒れると連鎖的に倒れていく、それも疲れ果ててうずくまるのではなく、意識を失い落ちていく、あと10メートルで陸橋の日陰があるのに、たどりつけず倒れ伏しているのです。あの一滴の水もない23キロ給水点で「次の給水点どこか不明&水の有無も不明」と聞かされてからの、絶望街道死の行軍を味わった仲間のランナーと、特に挫折せざるを得なかった無念のランナーたちのために、どうしてもこの大会の評価は最低点を付けたいのです。



ずさん「ぶっつけ本番」 読売新聞

工事中で下見ままならず

 「そもそも高速道路でのマラソン開催自体が無謀だった」。今月20日の「ふじのくに新東名マラソン」について、実行委員会の一人はそう語った。実質的に運営を取り仕切った団体はフルマラソン(42・195キロ)の開催は初めて。新東名の工事の都合でコースの下見もままならず、大会の運営は「ぶっつけ本番」のようなずさんさだった。(小沢理貴)

■早々に水尽きる

 この問題では、少なくとも10人が熱中症とみられる症状で救急搬送されるなど、数十人の参加者がレース途中で体調不良を訴えた。

 実行委(委員長・勝又瑛逸=静岡陸上競技協会副会長)によると、フルマラソンでの給水用の水を、約1万人の参加者1人あたり紙コップ(150ミリ・リットル)2杯分と計算し、計約3000リットル用意した。

 しかし、当日は26・5度という11月としては異例の暑さもあって、水は早々に尽きたという。実行委は慌てて追加調達に動いたが十分確保できず、走るペースが遅いランナーを中心に深刻な水不足が起きた。

 8か所の給水所のうち4か所では、設置場所が事前に想定していたよりも狭かったため、当日にそれぞれ約2キロずつ移動させたのに、参加者への事前通知はなかった。その結果、最長で約17キロ、水が飲めなかった参加者もいた。

 「17キロも水が飲めないとは非常に危険。死に至っても不思議ではなかった」と、田中宏暁・福岡大教授(運動生理学)は指摘する。

 実行委は仮設トイレに3個ずつのトイレットペーパーを用意したが、参加者からは「紙がない」との不満が続出した。実行委によると、大会前日の大雨で、予備のペーパーが使い物にならなくなったためだという。

■ぶっつけ本番

 実質的な運営にあたった静岡陸協東部支部は、ハーフマラソンの開催実績はあるものの、フルマラソンの運営は初めて。コースの下見は、新東名の工事日程との調整もあり、今年4月以降、「4、5回程度、車で走っただけだった」(勝又委員長)という。

 運営に関係したある県職員は「そもそも特殊な環境でのマラソン開催は無謀だった。準備不足も致命的だった」と話す。勝又委員長も「決定的に認識不足。ノウハウがない中での高速道路での運営で、対応が遅れた」と謝罪している。

 実行委は25日、「万全な準備ができていれば防ぐことができたと反省している」などとする謝罪文を公式ホームページに掲載。26日には、フルマラソンの参加者4719人全員に謝罪文を郵送したが、参加した静岡市清水区の男性(44)は「一度きりの大会と思って楽しみにしていた。謝罪されても悔しさは収まらない」と話している。
(2011年11月29日 読売新聞)
コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 幻のiPhone5の噂 | トップ | 紅葉不発 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

マラソンあれこれ」カテゴリの最新記事