平成19年12月14日に起きた散弾銃乱射事件で男女2名が射殺された。乱射男は、長崎県公安員会から散弾銃3丁、空気銃1丁の所持許可を受けていた。
12月16日の産経新聞の報道によれば
・近所の住民は容疑者への許可を取り消すよう佐世保署に求めていた
・散弾銃を路上で持ち歩くなどの異常な行動が目立った
・このことは、約5年前、地元の交番に許可を取り消すよう通報している
・安心して暮らせないと何度も警察に言った
・警察署は「法的要件を満たしている」として対応しなかった
そして、佐世保署は「当時の調査は適正だった」とした上で「法的な要件をクリアしていれば、所持を許可するしかない」と話しているという。
本当にそうだろうか。確かに許可時には要件を満たしていただろうが、3年ごとに更新することになっている。どうもこの警察署の見解は、許可時適法であればその後の状況変化には対応しなくてよいという考え方であるようだ。
昭和63年4月7日東京新聞の「放射線」欄に「警察の力」と題しての小文は、次のように述べている。
猟銃の所持許可を申し出ると、
① 家族のメンバーの前科の有無が調べられる。前科があれば不許可
② 本人の年間所得が調べられ、あまり少ないと許可されない
③ 警察から奥さんに電話がかかり、ご主人が本当に狩猟が好きか確かめられ、狩 猟よりゴルフやテニスをやるように忠告という勧めもある
④ 近所を回って申請者の日常の素行にについて聞き込みもする
⑤ 申請者は警察で面接を受ける。その時あまりラフな服装をして行くと、許可が 下りない可能性がある
⑥ 面接では、警察官が腹の立つようなことを言うそうだが、それに対してかんか んに怒ってしまった、粗暴な性格ありと認定されて、不許可になると
⑦ 独身者も許可をとるのが難しい。外出時間が長いので、盗難のおそれありとい うことのようだ
このコラムによると、銃の所持許可はに伴なう審査は、厳しい条件を課されている。しかし今回の事件では、周りの住民から許可取り消しの話が、具体的状態を説明しながら警察に申し出がされている。人手不足に寄るものか、警察の怠慢なのか、更新時の審査はどのように行われているのか……
一旦許可されれば、自動的に更新がされては居ないだろうか。何だか日本の体質、日本の社会的仕組みを表しているような気がする。
その最も代表的なものは、大学入試であろう。入学に当たっては、相当厳しい能力の審査が行われるが、4年間を終了し卒業するのはいと易い。入りが厳しく出は安易である。アメリカにおける大学は、入りは安易で出は厳しくと本当の学業終了者を社会へ資格を付けて送り出している。
今回の散弾銃乱射事件は、日本の体質、社会の仕組みをあぶり出したじけんではないだろうか。
12月16日の産経新聞の報道によれば
・近所の住民は容疑者への許可を取り消すよう佐世保署に求めていた
・散弾銃を路上で持ち歩くなどの異常な行動が目立った
・このことは、約5年前、地元の交番に許可を取り消すよう通報している
・安心して暮らせないと何度も警察に言った
・警察署は「法的要件を満たしている」として対応しなかった
そして、佐世保署は「当時の調査は適正だった」とした上で「法的な要件をクリアしていれば、所持を許可するしかない」と話しているという。
本当にそうだろうか。確かに許可時には要件を満たしていただろうが、3年ごとに更新することになっている。どうもこの警察署の見解は、許可時適法であればその後の状況変化には対応しなくてよいという考え方であるようだ。
昭和63年4月7日東京新聞の「放射線」欄に「警察の力」と題しての小文は、次のように述べている。
猟銃の所持許可を申し出ると、
① 家族のメンバーの前科の有無が調べられる。前科があれば不許可
② 本人の年間所得が調べられ、あまり少ないと許可されない
③ 警察から奥さんに電話がかかり、ご主人が本当に狩猟が好きか確かめられ、狩 猟よりゴルフやテニスをやるように忠告という勧めもある
④ 近所を回って申請者の日常の素行にについて聞き込みもする
⑤ 申請者は警察で面接を受ける。その時あまりラフな服装をして行くと、許可が 下りない可能性がある
⑥ 面接では、警察官が腹の立つようなことを言うそうだが、それに対してかんか んに怒ってしまった、粗暴な性格ありと認定されて、不許可になると
⑦ 独身者も許可をとるのが難しい。外出時間が長いので、盗難のおそれありとい うことのようだ
このコラムによると、銃の所持許可はに伴なう審査は、厳しい条件を課されている。しかし今回の事件では、周りの住民から許可取り消しの話が、具体的状態を説明しながら警察に申し出がされている。人手不足に寄るものか、警察の怠慢なのか、更新時の審査はどのように行われているのか……
一旦許可されれば、自動的に更新がされては居ないだろうか。何だか日本の体質、日本の社会的仕組みを表しているような気がする。
その最も代表的なものは、大学入試であろう。入学に当たっては、相当厳しい能力の審査が行われるが、4年間を終了し卒業するのはいと易い。入りが厳しく出は安易である。アメリカにおける大学は、入りは安易で出は厳しくと本当の学業終了者を社会へ資格を付けて送り出している。
今回の散弾銃乱射事件は、日本の体質、社会の仕組みをあぶり出したじけんではないだろうか。